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2025.03.24ジパング俱楽部学芸員とめぐる 式年遷宮について学べる伊勢神宮のミュージアム|大人のためのミュージアムガイド

三重県伊勢市

忙しい日常から一歩離れ、知性と感性を豊かにする時間を過ごしませんか。じっくり作品と向き合う時間を楽しむ、大人ならではのミュージアムでの過ごし方を、施設の方にガイドしていただきました。

伊勢への旅は、伊勢神宮の外宮(げくう)、内宮(ないくう)の参拝とおはらい町・おかげ横丁の散策が定番。
意外と知らないことが多い伊勢神宮ですが、せっかくならばより深く知りたいもの。
伊勢市内に点在するミュージアムをめぐって、ディープにアプローチしてみてはいかがでしょうか。


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伊勢神宮のミュージアムについて


「式年遷宮記念 せんぐう館」は2013(平成25)年の式年遷宮を記念してその前年に開館 「式年遷宮記念 せんぐう館」は2013(平成25)年の式年遷宮を記念してその前年に開館

伊勢神宮に関係するミュージアムは、外宮(豊受大神宮〈とようけだいじんぐう〉)の境内にある「式年遷宮記念 せんぐう館」、市街東部に位置する倉田山にある「神宮徴古館・農業館」「神宮美術館」の3館。
いずれも伊勢神宮の事務を司(つかさど)る神宮司庁によって運営されています。
なお、次回の式年遷宮は2033(令和15)年ですが、早くも今年から準備が始まっています。

見どころ① 式年遷宮記念 せんぐう館

式年遷宮って何?の疑問に答えてくれる


式年遷宮の渡御御列(とぎょぎょれつ)の模型 式年遷宮の渡御御列(とぎょぎょれつ)の模型


学芸員の深田一郎さん 学芸員の深田一郎さん

外宮の殿舎の配置模型 外宮の殿舎の配置模型

まず訪れるのは、20年に一度行なわれる式年遷宮(神様の調度品「御装束神宝」と社殿をすべて新調する神事)について紹介するミュージアム。
そもそも遷宮とは何か、どのような流れで行なわれるのかをビジュアルと模型で分かりやすく解説しています。
「神宮が受け継いできた日本の文化、それを支えてきた伝統技術をぜひご覧ください」と、学芸員の深田一郎さん。

見どころのひとつは、独自の材料を用いて作られる精緻な御装束神宝の数々。
技術を継承してきた匠(たくみ)の技にも、神宮の悠久の歴史が感じられます。
館内の最奥には、外宮正殿の側面部分の原寸大模型(トップ画像)も。
これほど大きく美しいのかと、誰もが圧倒されるに違いありません。
展示ガイドの説明も聞くことができます。


式年遷宮記念 せんぐう館

問い合わせ先 0596-22-6263
時間 9~16時 ※外宮正殿原寸大模型の展示ガイドは、 10~15時の毎時00分に実施(1日6回)参加自由、無料
定休日 第2・4火曜(祝日の場合は翌日)
交通アクセス 参宮線伊勢市駅から徒歩8分
値段 300円
URL https://www.sengukan.jp/

見どころ② 神宮徴古館・農業館

風格ある明治建築も見もの


明治の宮廷建築家・片山東熊設計の徴古館 明治の宮廷建築家・片山東熊設計の徴古館


国の重要文化財を11点収蔵 国の重要文化財を11点収蔵

片山東熊の数少ない木造建築で、平等院鳳凰堂をイメージした農業館  片山東熊の数少ない木造建築で、平等院鳳凰堂をイメージした農業館 

外宮から内宮へ三重交通バスで向かう途中にある「徴古館」は、1909(明治42)年、日本初の私立博物館として開館した歴史あるミュージアムです。
ルネッサンス式の風格ある建物には、神宮の祭祀道具やお供え物に関する資料、古典籍や絵画、江戸時代の参宮資料、吉田初三郎の大鳥瞰図など数多くの貴重な資料が展示されています。

また、徴古館と隣り合う「農業館」は、近代の博物館の雰囲気を今に伝えるノスタルジックな趣のミュージアム。農業と食にまつわる神宮の祭祀や明治時代の工芸品など、興味深い展示品が並びます。


神宮徴古館・農業館

問い合わせ先 0596-22-1700
時間 9~16時
定休日 木曜(祝日の場合は翌平日)
交通アクセス 参宮線伊勢市駅から徴古館経由内宮前行きまたは宿浦、御座港行き三重交通バス9分の神宮徴古館前下車、徒歩4分
値段 神宮美術館と共通700円(単独は500円)
URL https://museum.isejingu.or.jp/

見どころ③ 神宮美術館

錚々(そうそう)たる作家の多彩な作品に出合える


落ち着いた館内で名作を堪能 落ち着いた館内で名作を堪能

館内からも眺められる美しい庭 館内からも眺められる美しい庭

徴古館・農業館を見学したら、道路の向かい側にある美術館へ。
1993年の式年遷宮を記念して開館した施設で、建物を囲むように築かれた庭園にも心が和(なご)みます。

展示されているのは、絵画、書、彫刻、陶芸、金工、木工、漆工、染織など多岐にわたるジャンルの作品。そのすべてが日本の美術・工芸界を代表する芸術家から伊勢神宮に奉納されたものです。


神宮美術館

問い合わせ先 0596-22-1700
時間 9~16時
定休日 木曜(祝日の場合は翌平日)
交通アクセス 参宮線伊勢市駅から徴古館経由内宮前行きまたは宿浦、御座港行き三重交通バス約9分の神宮徴古館前下車、徒歩4分
値段 神宮徴古館・農業館と共通700円(単独は500円)
URL https://museum.isejingu.or.jp/


ひと休みするならここ 外宮参道


駅前から続く石畳の参道 駅前から続く石畳の参道

「姿煮あわび釜飯」2960円 「姿煮あわび釜飯」2960円

伊勢市駅から外宮へと続く参道沿いには、みやげ物店やテイクアウトの飲食店、甘味店が軒を連ねています。

腰を落ち着けて名物を味わいたいなら、看板商品の参宮あわびで知られる「伊勢せきや」の2階にある「あそらの茶屋」がおすすめ。
アワビが殻付きでまるごと入っており、魚介の旨みが凝縮された、だしで炊きあげる「姿煮あわび釜飯」はとくに人気です。


あそらの茶屋

問い合わせ先 0596-65-6111
時間 7時30分~10時・11時30分~14時30分
定休日 火・水曜
交通アクセス 参宮線伊勢市駅から徒歩約5分
URL https://asoranochaya.com/

最寄り駅情報 伊勢市駅


名古屋駅から快速みえで約1時間37分。駅舎内に観光案内所があります。

また、駅前広場に立つ鳥居をくぐったところから外宮参道が始まります。 内宮方面へのバスは伊勢市駅前から発着しますが、すべての便が通る外宮前バス停から乗るのが便利です。

紹介スポット一覧マップ

文・写真/内藤昌康

  • 記事中の情報は2025年3月時点のものです。
  • 列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
  • 花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
  • 店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
  • 同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。