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2025.08.25ジパング俱楽部奥州藤原氏の理想郷、世界文化遺産・平泉を歩く|モデルコース

岩手県西磐井郡平泉町

気候もよくなる秋の旅行シーズン。何世代も前から多くの人がその美しさに魅了されてきた歴史ある紅葉名所を歩く旅はいかがでしょう。列車やバスでアクセスしやすい秋の日本を歩くコースを紹介します。

平泉は平安時代後期に、奥州(おうしゅう)藤原氏清衡(きよひら)、基衡(もとひら)、秀衡(ひでひら)の三代、約100年にわたって栄えた仏都。世界遺産に登録された史跡を訪ねてみましょう。中尊寺(ちゅうそんじ)から毛越寺(もうつうじ)へは、平泉ウォーキングトレイルと名付けられた山道を歩きます。


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  モデルコース概要  

紅葉の見頃 10月下旬~11月中旬
歩行距離 約7.5キロ
所要時間 約5時間30分
  • 記事の所要時間は、駅から駅までのバスの移動や観光や食事、休憩を含む時間の合計です。

東北本線平泉駅からスタート!


2011年3月の東日本大震災では平泉駅も被害を受けましたが、同年6月に「平泉の文化遺産」が世界遺産に登録されたことで、「自然・歴史・文化との調和」をコンセプトにしたリニューアル工事を実施。同年11月に平泉観光の拠点駅としての役割を充実させた駅舎に生まれ変わりました。


 

徒歩約8分

 

無量光院跡(むりょうこういんあと)

平等院鳳凰堂(ほうおうどう)を模した寺院跡


発掘調査が行なわれ、史跡整備も進行中

奥州藤原氏三代秀衡が造営した寺院および浄土庭園跡。平泉は源頼朝による奥州合戦や、戦国時代の戦によって多くの建造物を焼失しました。平等院鳳凰堂を模して建てたという阿弥陀堂は礎石のみが残り、現存する中島のほか、建物を取り巻いていた池が復元されています。

江戸時代に平泉を訪れた松尾芭蕉(ばしょう)は、「夏草や 兵(つわもの)どもが 夢の跡」と詠みましたが、この風景を見ると同じような思いを抱きます。


無量光院跡

問い合わせ先 0191-46-4012(平泉文化遺産センター)
時間 見学自由
交通アクセス 平泉駅から徒歩約8分
URL https://www.town.hiraizumi.iwate.jp/heritage/asset/muryou.html

 

徒歩約15分

 

平泉レストハウス

餅は平泉のもてなし料理


「弁慶ちからもちセット」1500円


フードコートスタイルなので気軽に利用できます

2階建ての1階が食事処の「フードコート門」

盛岡冷麺、前沢牛焼肉丼など岩手の名物料理が味わえる食事処。餅のメニューが充実していますが、ずんだ、しょうが、あんこ、雑煮、なめこおろしの5種類が味わえる「弁慶ちからもちセット」が店のイチオシです。特産品やオリジナル品を販売するみやげ処も併設しています。 この先、中尊寺から平泉ウォーキングトレイル、毛越寺にかけては自動販売機がないので、飲み物などはここで調達しておくとよいでしょう。


平泉レストハウス

問い合わせ先 0191-46-2011
時間 10時~15時30分
定休日 なし(12~3月は不定休)
交通アクセス 平泉駅から瀬原行きほか岩手交通バス約4分の中尊寺下車、徒歩約1分
URL http://www.hiraizumi2011.jp/

 

徒歩約1分

 

中尊寺

極楽浄土を表現した金色堂(こんじきどう)

金色堂周辺の紅葉の見頃は10月下旬~11月中旬

金色堂の近くに立つ経蔵は1126(天治3)年頃の建築

850(嘉祥3)年、慈覚大師・円仁(じかくだいし・えんにん)が創建。奥州藤原氏初代清衡によって堂塔が造営されました。
新覆堂(しんおおいどう)に包まれた金色堂は、螺鈿(らでん)細工や透かし彫り金具、漆蒔絵(うるしまきえ)などを施し、まるで美術工芸品のよう。
阿弥陀(あみだ)三尊像を中心に計33体の仏像が安置され、その下の須弥壇(しゅみだん)の中には清衡、基衡、秀衡の遺体と、四代泰衡(やすひら)の首級(しゅきゅう)が安置されています。まさにここは、藤原氏の栄華の象徴といえます。

紅葉期にはライトアップも実施。写真は弁財天堂

10月下旬になると参道のヤマモミジが色づき、境内をライトアップする「紅葉銀河」が開催されます。この期間のみ特別公開されるエリアには、水鏡に映る弁財天堂などもあり、幻想的な景観を見せてくれます。ライトアップは16時30分~18時30分(予定)。


中尊寺

問い合わせ先 0191-46-2211
時間 8時30分~17時(11月4日~2月は~16時30分)
定休日 なし
交通アクセス 中尊寺バス停下車すぐ
値段 讃衛蔵・金色堂・経蔵・旧覆堂1000円
URL https://www.chusonji.or.jp/

 

徒歩約11分(金色堂~平泉ウォーキングトレイルのスタート地点)

 

平泉ウォーキングトレイル

平泉の自然を満喫するルート


中尊寺側の入口にはコースの案内図を表示

中尊寺と毛越寺を結ぶ全長約4キロメートル、休憩しなければ所要約1時間の山歩きコースです。最初は少し上り坂がありますが、大半が緩やかな下り坂なので歩きやすいでしょう。

道は整備されているので迷うことはないと思いますが、平泉駅舎内の観光案内所に「平泉ウォーキングトレイル」のコースや見どころなどを紹介したパンフレットがありますので、入手することをおすすめします。


中尊寺側は湿地の近くを歩くため木道が整備されています

世界かんがい施設遺産に登録された照井堰用水沿いを歩きます


木板を木槌で打つ熊除け

昭和の俳人・加藤楸邨(しゅうそん)の句碑も


平泉ウォーキングトレイル


毛越寺

浄土の世界を描いた庭園


平安時代の姿を今に伝える大泉が池


南大門跡には12個の礎石が残っています

本堂は1989年に平安様式で再建


1732(享保17)年に再建された常行堂

「夏草や 兵どもが 夢の跡」の句を刻んだ芭蕉句碑

中尊寺と同じ850(嘉祥3)年に円仁が開山。最盛期には堂塔40、僧坊500を数えましたが、度重なる火災で大半を焼失しました。理想郷の姿を表したという浄土庭園があり、平安時代の伽藍遺構がほぼ完全な状態で残されています。

中心となる大泉が池には、州浜や枯山水(かれさんすい)風の築山(つきやま)、池に水を引き入れる遣水(やりみず)などがあり、周囲に点在する堂塔跡には巨大な礎石が残されています。池と一体となった景観がどのようなものであったか、悠久の昔に思いを馳せてみるのもよいかもしれません。


毛越寺

問い合わせ先 0191-46-2331
時間 8時30分~17時(11月5日~3月4日は~16時30分)
定休日 なし
交通アクセス 平泉駅から徒歩約10分
値段 700円
URL https://www.motsuji.or.jp/

 

徒歩約10分

 

平泉駅ゴール!


コースルート付き!紹介スポット一覧マップ

  • マップのルートは山道の紹介を含むため、詳細な位置関係は実際と異なります。概要図としてご覧ください。

文・写真/塙 広明 写真/中尊寺許諾済

  • 記事中の情報は2025年8月時点のものです。
  • 列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
  • 花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
  • 店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
  • 同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。