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2025.10.27ジパング俱楽部ホーレス・ケプロンが惹かれた室蘭|外国人の愛した日本

北海道室蘭市

現在放送中の連続テレビ小説『ばけばけ』で注目を集める、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲〈やくも〉)。ハーンのように、他の文化圏からやってきた外国人がよさを見出した、ゆかりの地を紹介します。

「蝦夷地(えぞち)」から「北海道」の呼び名に改められた1869(明治2)年、明治政府により開拓使が設置され、1871(明治4)年にその顧問としてアメリカの農務局長を務めたホーレス・ケプロンが招聘(しょうへい)されました。そして函館と札幌の間に天然の良港を持つこの室蘭こそが、開拓計画の要になると考えます。

ケプロンは札幌と室蘭を結ぶ道路の建設や鉄道敷設を開拓使に進言。任期中にはかなわなかったものの、のちに北海道炭礦鉄道室蘭線が開業し、石炭などの輸出で港が繁栄しました。白鳥(はくちょう)大橋が印象的な景色を作る現在の室蘭港で、ケプロンが描いた未来を歩いてみましょう。


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ホーレス・ケプロン

港町の開発に努めたアメリカ人

1804〜1885年、アメリカマサチューセッツ州生まれ。アメリカ合衆国農務局長を務めた後、明治政府の招聘により北海道開拓使頭取顧問となります。道内各地を調査し、開拓計画の礎を築きました。農業教育機関の必要性から、札幌農学校の設立にもかかわりました。

写真/北海道大学附属図書館

 

速かに室蘭と札幌の間に、車道および鉄道敷設の測量を開始するようすすめる

———『北海道のいしずえ四人』(北海道開拓功労者顕彰像建立期成会)より

最寄りは室蘭本線室蘭駅


1997年に旧駅舎から約600メートルほど離れた現在の場所に移転した室蘭駅。新駅の建築デザインのアイデアは市民の公募から選ばれ、海や港をイメージしています。外観正面は船の帆を思わせる形、後方はクジラやイルカの曲線を取り入れた形。中に入ると待合スペースが吹き抜けの天井になっており、天窓から自然光が注ぎます。2024年10月に無人駅となりました。


旧室蘭駅舎

道内最古の木造建築駅舎


煙突のある木造2階建ての旧室蘭駅 煙突のある木造2階建ての旧室蘭駅

室蘭線の駅として1897(明治30)年に開業。現在残っているこの駅舎は1912(明治45)年に建造された三代目で、明治時代の建築によく見られた和洋折衷のたたずまいがノスタルジックな雰囲気を醸(かも)し出しています。1999年に国の登録有形文化財、2019年に日本遺産『本邦国策を北海道に観よ!〜北の産業革命「炭鉄港」〜』の構成文化財として認定されました。

室蘭が鉄道敷設や石炭の運搬で飛躍的に発展したことを象徴するように、駅舎の外にD51 560号機蒸気機関車が展示され、夜間にはヘッドライトが点灯します。現在、駅舎は室蘭観光協会の観光案内所として活用されています。


駅舎に隣接する公園に蒸気機関車を保存展示 駅舎に隣接する公園に蒸気機関車を保存展示

内部では「炭鉄港」としての歴史資料も公開 内部では「炭鉄港」としての歴史資料も公開


旧室蘭駅

問い合わせ先 0143-23-0102(室蘭観光協会)
時間 8〜19時(11〜3月は〜17時)
定休日 年始
交通アクセス 室蘭本線室蘭駅から徒歩約5分
値段 無料
URL http://muro-kanko.com/kyoukai.html

室蘭やきとり

豚肉だけど「やきとり」⁉


豚肉とタマネギが特徴の室蘭やきとり 豚肉とタマネギが特徴の室蘭やきとり

昭和初期、労働者でにぎわった室蘭に多く営業していた屋台が始まりとされる郷土の味。「やきとり」という呼び方ですが、使うのは鶏肉ではなく豚肉。北海道ではネギよりもタマネギのほうが年中手に入りやすかったため、豚肉とタマネギを交互に刺すのも特徴です。
香ばしく焼いたやきとりに甘辛のタレをたっぷりと絡ませ、洋カラシを添えるのが定番の味。市内の飲食店やスーパーマーケットなど、至る所で出合えます。


室蘭やきとり

URL http://muro-kanko.com/eat-buy/yakitori.html

室蘭の夜景

夜に浮かび上がる工場地帯の絶景


潮見公園展望台から眺める迫力ある工場夜景 潮見公園展望台から眺める迫力ある工場夜景

白鳥大橋展望台からライトアップされた橋を望む 白鳥大橋展望台からライトアップされた橋を望む

鉄鋼業や造船業、重化学工業などの工場が集まる港湾都市・室蘭。夜になるとそれらの工場で保安灯などが無数に輝き、ダイナミックな建物を照らし出して独特の「工場夜景」を生み出します。室蘭港のシンボルである白鳥大橋もライトアップされ、夜景を華やかに引き立てます。
市内には潮見公園展望台や測量山展望台など、夜景を眺めるのにぴったりの展望台が点在します。また、海上から工場夜景を間近に見るナイトクルージングのツアーも行なわれています。


室蘭の夜景

URL http://muro-kanko.com/yakei.html

紹介スポット一覧マップ

文/春日明子

  • 記事中の情報は2025年10月時点のものです。 
  • 列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。 
  • 花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。 
  • 店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。 
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