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2026.03.25ジパング俱楽部大田市駅から行く世界遺産「石見銀山」と温泉津温泉モデルコース|駅から世界遺産

島根県

歴史や文化など知的好奇心を満たしてくれる世界遺産のなかでも、JR駅から比較的アクセスしやすいところを厳選して紹介します。

2027年に世界遺産登録20周年、発見から500年の節目を迎える石見銀山。国内では2例しかない「文化的景観」として登録され、鉱山の遺構だけでなく周囲を取り巻く環境も見どころです。代表的なスポットを歩いてめぐり、その価値を体感しましょう。



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世界遺産「石見銀山」とは?

多くの要素で構成される日本屈指の鉱山遺跡


石見銀山の坑道跡のうち龍源寺間歩は常時公開

1527(大永7)年の発見から約400年にわたって稼働し、最盛期には銀産出量で全世界の約1割を占めたとされるのが石見銀山です。2007年に「石見銀山遺跡とその文化的景観」として世界遺産に登録されました。

評価の要点は3つ。第1に、良質の銀を大量に生産し、当時の世界の経済・文化交流に大きな影響を与えたということ。第2に、坑道、製錬所、住居など、銀の生産当時の痕跡がよく残ること。第3に、鉱山町、街道、港といった、広範囲におよぶ銀山運営の全体像が保たれ、そこで今なお人が暮らし続けていること。このほか、銀の採掘・製錬時に森林資源の適切な管理がなされ、自然と調和した文化的景観を形成している点も見逃せません。

大田市(おおだし)駅からスタート!


石見銀山観光の玄関口となる大田市駅

山陰本線の特急で出雲市駅から約25分。大田市の市街地の一角に位置し、石見銀山方面へは「大森・大家線」と「川本線」の2系統の石見交通バスが駅前から運行されています。

目の前に立つ大田市マスコットキャラの「らとちゃん」は、銀山の採掘時に使われた螺灯(らとう)と鉱夫の衣装がモチーフ。


 

世界遺産センター・大家回転場・石見川本行き石見交通バス約33分の世界遺産センター下車

 

石見銀山世界遺産センター

多様な模型や映像を通して石見銀山の全容を紹介


外観は石州瓦の大きな屋根が印象的です

石見銀山の歴史や概要、世界遺産登録の理由、銀山運営の様子など、観光前に知っておくと役立つ情報が満載。

銀山遺跡全域模型、資料に基づいて復元した鉱山集落模型、銀の製錬作業を紹介する吹屋(ふきや)再現模型、石見銀山最大の坑道跡である大久保間歩(まぶ)の一部を再現した実寸レプリカ、坑内の非公開区域のVR映像をはじめ、直感的に分かりやすいよう工夫されています。山師が徳川家康から拝領した「辻が花染丁子文道服(つじがはなぞめちょうじもんどうふく)」の再現品など貴重な展示品も少なくありません。

エントランスでは職員から観光ルートのアドバイスなどが受けられます。


江戸時代前期の本谷(ほんだに)集落の模型

銀の製錬所「吹屋」再現模型など多様な展示


石見銀山世界遺産センター

問い合わせ先 0854-89-0183
時間 展示室9~17時(12~2月は~16時30分)
定休日 最終火曜・年末年始 ※2026年10月~2027年3月は展示更新で有料展示室などの観覧休止予定
交通アクセス 山陰本線大田市駅から世界遺産センター・大家回転場・石見川本行き石見交通バス約33分の世界遺産センター下車すぐ
値段 400円(エントランスエリアは無料)
URL https://ginzan.city.oda.lg.jp/

 

世界遺産センター・大家回転場・石見川本行き石見交通バス約5分の大森代官所跡下車

 

大森の町並み

鉱山で栄えた町の歴史に触れられる


江戸時代からの歴史を偲(しの)ばせるレトロな町並み

江戸時代の初めから石見銀山の政治・経済の中心地として栄え、町の大半が焼失した1800(寛政12)年の大火後に再興。武家屋敷、商家、町家、寺社などが立ち並んだ往時の面影を色濃く残し、代官所跡から南へ約1キロにおよぶ街道沿いの町並みが大森銀山重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

鉱山活動が停止して長い年月を経た現在も人々の暮らしが営まれ、古い家屋を利用したカフェやショップも点在。龍源寺間歩へと向かいながらタイムスリップ気分で散策が楽しめます。


この地域の伝統的な石州瓦の屋根が連なります


大森の町並み

問い合わせ先 0854-88-9950(大田市観光協会)
時間 散策自由
定休日 散策自由
交通アクセス 山陰本線大田市駅から世界遺産センター・大家回転場・石見川本行き石見交通バス約26分の大森代官所跡下車
値段 散策自由

 

徒歩約2分

 

熊谷家(くまがいけ)住宅

御料内の代表的な豪商の暮らしを伝える


応接空間である奥の間。季節のしつらいも見どころ

熊谷家は、商業を中心に鉱山業や酒造業など多角的な経営を行なうとともに、掛屋(かけや)や郷宿(ごうやど)といった公的業務を担った石見銀山御料内で最有力の商家。現在の建物は1801(享和元)年の再建後に順次整えられたもので、豪商の暮らしぶりを伝える民家建築として国の重要文化財に指定されるとともに、世界遺産の構成資産のひとつになっています。

接待や寄合に使われた奥の間、大宴会の調理に対応できる台所など、約30部屋からなる主屋のほぼすべてを公開。季節ごとにしつらい替えを行ない、古い家財道具を生かして体験学習やワークショップを開くなど、日本の伝統に触れられるのも魅力です。


勘定場には掛屋として使った天秤ばかりを展示

大森の町並みでもひときわ目を引く立派な建物


熊谷家住宅

問い合わせ先 0854-89-9003
時間 9時30分~17時
定休日 火曜(祝日の場合は翌日)・年末年始
交通アクセス 山陰本線大田市駅から世界遺産センター・大家回転場・石見川本行き石見交通バス約26分の大森代官所跡下車徒歩約2分
値段 600円
URL http://kumagai.city.oda.lg.jp/

 

徒歩約15分

 

Café住留(ジュール)

ハヤシライスが看板メニューの古民家カフェ


「住留ランチ」は数量限定なので予約がおすすめ

会社員として都会で暮らしてきた夫妻が故郷の大田市に帰り、「素敵な雰囲気の石見銀山エリアで起業しよう」と、古民家を改装して約20年前に開店。一番人気の「牛すじトロトロハヤシ」1100円は、島根県産和牛や地元産タマネギを使い、特製ルーで6時間ほど煮込んだもの。口に含むと柔らかな肉の旨みとともに、コク深い酸味と甘みが広がります。

「住留ランチ」2000円は、そんなハヤシライスの小盛りに、鶏肉のオーブン焼き、野菜のチーズ焼き、サラダ、デザート、ドリンクなどが付くお得なセット。このほか、地元で採れたタケノコを使って通年で提供する「竹の子とアンチョビのピザ」2000円も好評。


龍山寺間歩への道中に佇(たたず)む趣ある古民家

ジャズが流れるレトロモダンな店内


Café住留 

問い合わせ先 0854-89-0866
時間 11時~14時30分 ※夜は要予約
定休日 月・火曜(祝日の場合は営業)・年末年始
交通アクセス 山陰本線大田市駅から世界遺産センター・大家回転場・石見川本行き石見交通バス約28分の大森下車、徒歩約5分
URL https://www.cafejyuru-omori.com/

 

徒歩約30分

 

龍源寺間歩

銀の採掘現場とともに周辺域も要注目


奧に現れるアーチ天井の坑道は明治時代のもの


鉱脈を追って左右に掘り進んだ「ひおい坑」

「江戸期と明治期の掘り跡を見比べられます」と伊藤さん

1715(正徳5)年に掘削が始まった幕府直轄の重要な間歩(坑道)のひとつです。主坑道のうち約157メートルが公開され、江戸時代の手掘りのノミ跡、鉱脈に沿って左右に掘り進んだ横穴「ひおい坑」、溜まった水を流した竪坑をはじめ、見どころが豊富。「銀山公園ガイドの会」などで申し込めるガイド(有料)と一緒に歩くこともできます。

「間歩だけでなく、ぜひ周辺域観光と合わせて“銀工場”の全体像を体感してください」と、管理者・石見銀山みらいコンソーシアムの伊藤俊一さん。銀山経営を担った山師の住宅「高橋家」、2カ所の製錬所跡、鉱山の神を祀った佐毘売山(さひめやま)神社、持続可能な銀山経営が行なわれたことを示す豊かな森林などをゆっくりめぐると所要1時間が目安。さっと回るだけなら30分前後です。


鉱山の神が祀られている佐毘売山神社


間歩入口。特定のシダ植物で鉱脈の有無を見分けたそう

出口への通路の新坑道では石見銀山絵巻を展示


龍源寺間歩

問い合わせ先 0854-89-0347
時間 9時~16時50分(12~2月は~15時50分)
定休日 1月1日
交通アクセス 山陰本線大田市駅から世界遺産センター・大家回転場・石見川本行き石見交通バス約28分の大森下車、徒歩約40分
値段 500円
URL https://mirai.iwamiginzan.jp/ryuugenzimabu/

 

徒歩約40分の大森バス停から大田バスセンター行き石見交通バス約28分の大田市駅下車
大田市駅から山陰本線特急約15分

 

温泉津駅ゴール!

温泉津温泉 薬師湯

世界遺産・石見銀山エリア内にある源泉かけ流しの名湯


堆積した温泉成分が泉質のよさを物語ります

世界的にも多くの銀を産出し、地域に約20万人が住んでいたといわれる当時、銀の積み出しや生活物資の調達で栄えた港町が温泉津(ゆのつ)です。今も歴史的な町並みを残し、温泉街としては唯一、重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

その中心部にある「薬師湯」は、日本温泉協会の天然温泉の審査で最高評価を取得。源泉は施設のすぐ横にあり、自然湧出直後の一切手を加えないかけ流し湯で、毎晩栓を抜いて浴室掃除をして提供しています。

屋上ガーデンテラスからは温泉街の美しい景色を一望。温泉津に現存する最古の温泉施設で建築学的にも貴重な隣接の旧館(大正時代の木造洋館)は、歴史にまつわる食事やヘルシーなメニューを楽しめるカフェになっています。


昭和レトロな建物。奧が大正建築の旧館

屋上から旧館の屋根越しに町並みを一望

温泉津温泉 薬師湯

問い合わせ先 0855-65-4894
時間 9時~20時30分
定休日 なし
交通アクセス 山陰本線温泉津駅から徒歩約20分
値段 一般湯600円、貸切湯1000円~
泉質 ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
URL https://www.yunotsu.com/

紹介スポット一覧マップ

文・写真/笹木博幸

  • 記事中の情報は2026年3月時点のものです。 
  • 列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。 
  • 店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。 
  • 同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。