トレたび JRグループ協力

2026.07.27ジパング俱楽部大自然が生み出す冷涼な気候に包まれた釧路・阿寒|ジパング会員が選んだ行ってみたい避暑地ランキング

北海道釧路市

夏でも快適に、まるで暮らすように滞在できる避暑地へ出かけてみませんか。
この記事では、会員誌2026年3-4月号で実施した「行ってみたい日本の『避暑地』はどこですか?」というアンケート結果をもとに、編集部おすすめの避暑地をピックアップして紹介します。また気象予報士・南利幸さんにジパング倶楽部会員様が選んだ避暑地・釧路・阿寒について、気候情報を交えながら解説してもらいます。

涼しいイメージのある北海道ですが、じつは暑くなりがちな盆地もあり、近年は35度以上になる日も珍しくありません。そんななか、道東の釧路市が避暑地として注目を集めています。「涼しいというより寒い!」といわれることもある避暑地・釧路エリアへ出かけてみませんか?




コメントは気象予報士 南利幸さん

気象予報士、防災士。広島大学大学院で気象などを学んだのち、テレビやラジオなど数多くのメディアで気象キャスターとして活動中。

気象情報にまつわるダジャレが持ち味で、難しい専門用語を噛み砕き、分かりやすく伝える。ほかにも、気象情報に関する執筆活動や講演活動なども行なう。

著者に「あなたにもできる天気予報入門」(NHK出版)、「ことわざから読み解く天気予報」(NHK出版)など。


「ジパング倶楽部」会員募集中

「ジパング倶楽部」は、全国のJR線きっぷの割引、JRホテルグループのホテルを優待料金で利用できるなど、魅力的なサービスが満載です。

さらに、「ジパング倶楽部WEB」では、会員限定のプレゼント企画や会員誌の特集が読めるデジタルブックを公開、旅に役立つ路線図も閲覧できます。会員誌で人気の会員コーナー「今月のテーマ」「思い出写真館」の拡大版も!

幻想的な港町の風景も魅力 霧の街・釧路

海霧が作る天然のクーラー


コッタロ湿原展望台から見る釧路湿原 コッタロ湿原展望台から見る釧路湿原

釧路の涼しさの理由、それは「霧」。道東のほかの地域が晴れている時も、釧路周辺にだけ霧がかかっているということもしばしばあり、霧の中に浮かぶ港の船やブロンズ像が並ぶ幣舞(ぬさまい)橋の風景は映画のワンシーンのように印象的です。
年間100日ほども霧が出る釧路は「霧の街」として知られています。

霧の発生源ははるか沖合の海。黒潮と親潮がぶつかる東北地方沖で、夏に吹きこむ南風が黒潮上空で温められ、その後、親潮上空で冷やされることによって霧が発生します。

その霧が南風に乗って釧路へ流れつき、広大な湿原や川沿いを伝って内陸に広がっていきます。霧の影響で太陽光が遮られ、霧そのものの冷気も相まって、釧路は夏でも冷涼な気候となっているのです。

過ごしやすい反面、朝晩や標高の高い場所は半袖では寒く感じることも。旅行する際は長袖の服やサッと羽織れる上着を用意しておくと安心です。

南さんが解説!夏の釧路・阿寒の気候


 
夏は北海道のなかでも涼しい地域のひとつです。阿寒湖畔や釧路の8月の最高気温は22度前後、最低気温は14度前後で、東京のゴールデンウィークの気温と同じぐらいです。

また沿岸の8月は月の半分ぐらい霧が発生します。霧多布という地名があるぐらいです。
濃い霧に覆われると昼間の気温も20度以下になるので、風を通さないウィンドブレーカーがあるといいでしょう。濃い霧が発生しているときは車の運転も気をつけてください。 

釧路湿原国立公園

貴重な動植物の息吹を感じる国内最大の大湿原地帯


約1時間で1周できる温根内木道 約1時間で1周できる温根内木道


タンチョウは留鳥のため1年中観察できます タンチョウは留鳥のため1年中観察できます

夏の湿原に鮮やかな色を添えるホザキシモツケ 夏の湿原に鮮やかな色を添えるホザキシモツケ

4市町村にわたって広がる日本最大の湿原である釧路湿原。1980(昭和55)年に国内で初めてラムサール条約に登録され、その後、1987(昭和62)年には約2万8800ヘクタールが国立公園に指定されました。

タンチョウやキタサンショウウオ、オジロワシなど希少な動植物の宝庫として知られ、見わたすかぎりどこまでも続く湿原の絶景を眺める展望台も各所に設置されています。

釧路市北斗の釧路市湿原展望台や鶴居村の温根内(おんねない)ビジターセンターなどには、ヨシやスゲの間を気軽に歩ける木道が整備され、野鳥や虫の声を聞きながら湿原特有の植物を間近に見ることができます。


釧路湿原国立公園

問い合わせ先 0154-31-1993(釧路観光コンベンション協会)
時間 国立公園は入園自由(立ち入り禁止の場所あり。施設は開館時間をご確認ください)
交通アクセス 釧網本線釧路湿原駅から徒歩約10分(細岡展望台まで)
URL https://www.visit-hokkaido.jp/spot/detail_10244.html

「くしろ湿原ノロッコ号」

湿原の中を走る期間限定の観光列車


湿原の緑の中を駆け抜けるノロッコ号 湿原の緑の中を駆け抜けるノロッコ号

人の立ち入りが禁止された鳥獣保護区もある釧路湿原ですが、道路からは見ることができない地域を車窓から楽しめるのが釧路駅〜網走駅間をつなぐ釧網(せんもう)本線です。

例年運転している「くしろ湿原ノロッコ号」は人気の観光列車。窓を大きく開け放したトロッコ車両をディーゼル機関車が牽引し、湿原の間をのんびりコトコト走ります。景色のよい場所やエゾシカ、タンチョウなどが現れたときはさらにスピードを落とし、乗客がゆっくりと眺めを楽しめるよう配慮してくれるのもうれしいところ。

通常は釧路駅〜塘路(とうろ)駅間を走りますが、日にち限定で川湯温泉駅発着の列車も運転します。


木の温(ぬく)もりが感じられるトロッコ列車内装 木の温(ぬく)もりが感じられるトロッコ列車内装

車窓から見える釧路川 車窓から見える釧路川


駅舎内の事務室と貴賓室スペースを改造した洋食店「オーチャードグラス」 駅舎内の事務室と貴賓室スペースを改造した洋食店「オーチャードグラス」

川湯温泉駅舎は1936(昭和11)年竣工の木造平屋 川湯温泉駅舎は1936(昭和11)年竣工の木造平屋

くしろ湿原ノロッコ号

問い合わせ先 011-222-7111(JR北海道電話案内センター)
運転期間 2026年4月25日〜10月4日のうち計141日
運転区間 釧路駅~塘路駅(ノロッコ川湯温泉号は釧路駅〜川湯温泉駅)
停車駅 釧路駅・東釧路駅・釧路湿原駅・細岡駅・塘路駅
URL https://www.jrhokkaido.co.jp/travel/kushironorokko/

阿寒湖

受け継がれるアイヌ文化と豊かな森が彩るマリモの湖


白湯山(はくとうざん)展望台からの眺め 写真/阿寒観光協会まちづくり推進機構 白湯山(はくとうざん)展望台からの眺め 写真/阿寒観光協会まちづくり推進機構


「ボッケ」はアイヌ語で「煮え立つ」という意味のあるボッケ遊歩道 「ボッケ」はアイヌ語で「煮え立つ」という意味のあるボッケ遊歩道

昼とは違った幻想的な雰囲気が楽しめる「カムイルミナ」 昼とは違った幻想的な雰囲気が楽しめる「カムイルミナ」

屈斜路湖(くっしゃろこ)、摩周湖と並び道東を代表する湖として知られる阿寒湖は、火山の噴火活動によって生まれたカルデラ湖。周囲に雄阿寒岳・雌阿寒岳がそびえ、深い森に囲まれた湖の景色が美しく、湖畔には温泉街も形成されています。
森やアイヌ文化を保護してきた歴史から、自然体験やアイヌ古式舞踊などを楽しむアクティビティーが豊富。

温泉が湧出する森の中を散策できるボッケ遊歩道では毎年初夏〜秋に、光と音楽とアイヌ民族の伝承が融合したナイトウォーク「カムイルミナ」を開催しています。湖は特別天然記念物であるマリモの生息地としても知られ、全域が阿寒摩周国立公園に指定されています。

阿寒湖

問い合わせ先 0154-67-3200(阿寒観光協会まちづくり推進機構)
交通アクセス 根室本線釧路駅から阿寒湖温泉行き阿寒バス約2時間の阿寒湖温泉下車
URL https://lake-akan.com

阿寒湖アイヌコタン

アイヌ民族の文化を継承し、高めていく中心地


アイヌシアターイコㇿの古式舞踊 アイヌシアターイコㇿの古式舞踊

阿寒湖は道内でもアイヌ文化が色濃く残るエリア。昭和時代中期、アイヌの人々の暮らしと湖畔の森を保護した前田一歩園財団の存在により、阿寒湖は道内有数のアイヌ文化継承地となりました。
温泉街の一角にある阿寒湖アイヌコタンには伝統的な木彫や刺繍の民芸品店やギャラリーなどが並び、アイヌ古式舞踊や伝統音楽を鑑賞できる阿寒湖「アイヌシアターイコㇿ」も整備されています。

木彫・刺繍体験や伝統楽器「ムックリ」の製作体験、普段は入ることができない森をガイドと歩くツアーなども開催しています。


講師とともに木綿のコースターにアイヌ文様を施す刺繍体験 講師とともに木綿のコースターにアイヌ文様を施す刺繍体験

アートミュージアム「オンネチセ」には伝統的な祭具や生活用品の展示も アートミュージアム「オンネチセ」には伝統的な祭具や生活用品の展示も


阿寒湖アイヌコタン

問い合わせ先 0154-67-2727(阿寒アイヌ工芸協働組合)
時間 店舗により異なる
定休日 店舗により異なる
交通アクセス 根室本線釧路駅から阿寒湖温泉行き阿寒バス約2時間の阿寒湖温泉下車、徒歩約10分
URL https://www.akanainu.jp/

民芸喫茶ポロンノ

家々に伝わる自然体のアイヌ料理を味わえる


小さな店だからこそ「大きい」という意味をもつポロンノと名づけたそう 小さな店だからこそ「大きい」という意味をもつポロンノと名づけたそう


鹿肉を使った「ユック丼」1430円 鹿肉を使った「ユック丼」1430円

アイヌ文化を体験する入口に アイヌ文化を体験する入口に

阿寒湖アイヌコタンに入ってすぐ右側に店を構えるアイヌ料理の喫茶店。郷右近好古(ごううこんよしふる)さんと富貴子さん夫婦が、家族から受け継いだアイヌ家庭料理やアレンジ料理をていねいに作っています。富貴子さんはさまざまな舞台で活躍するアイヌの歌い手でもあります。

冬の寒さで凍ったジャガイモから手間をかけて作る伝統的な保存食「ポッチェイモ」を使ったピザ、シト(団子)に昆布ダレをかけた日高地方に伝わるおやつ「コンブシト」、適切に処理されたくせのないエゾシカ肉やキトピロ(行者ニンニク)で作る「ユック(鹿)丼」など、アイヌの食文化を感じられるメニューが豊富です。


民芸喫茶ポロンノ

問い合わせ先 0154-67-2159
時間 12時〜14時30分・18時30分〜20時30分
定休日 不定休
交通アクセス 根室本線釧路駅から阿寒湖温泉行き阿寒バス約2時間の阿寒湖温泉下車、徒歩約10分
URL https://ja.kushiro-lakeakan.com/eat_souvenir/5060/

北海道で避暑ならここも候補に。

北海道富良野市


富良野

北海道には涼しさを感じられるスポットがまだまだあります。
花畑やワイナリー、ドラマのロケ地など見どころが多い富良野も人気の避暑地。日中は暑くなることもありますが、朝晩は20度前後と涼しい日が多いのが特徴です。
その寒暖差から、夏はさまざまな野菜がとれ、地場産野菜を使ったグルメが豊富になります。9月中旬ごろまでは富良野メロンも旬の時期。
甘く香り高いメロンにソフトクリームをのせたスイーツも定番です。2026年がラストイヤーとなる「富良野・美瑛ノロッコ号」もぜひ体験してください。

紹介スポット一覧マップ

文/春日明子、南利幸(コメント) 写真/阿寒観光協会まちづくり推進機構、阿寒アイヌ工芸協同組合、温根内ビジターセンター

  • 記事中の情報は2026年7月時点のものです。
  • 列車やバスなどの所要時間はホームページなどでお調べください。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
  • 花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
  • 店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
  • 同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。