2016.08.01鉄道La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボァ)―その名のとおり「木製の旅行鞄」みたいな列車。車内販売や車窓の眺めも解説(THE列車)
瀬戸内エリアの芸術鑑賞に最適な観光列車
2016年4~6月に開催した「晴れの国おかやまデスティネーションキャンペーン」に合わせ、瀬戸内を中心とした広域的な観光推進に向けて登場したのが、観光列車「La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボァ)」(フランス語で木製の旅行鞄<かばん>)です。瀬戸内の島々などを舞台に開催されている「瀬戸内国際芸術祭2016」への芸術鑑賞に便利で快適な列車で、宇野みなと線(宇野線)岡山駅~宇野駅間と、瀬戸大橋線岡山駅~高松駅間を結んでいます。
2両編成の列車は全車グリーン車指定席で、車内には窓側を向いたカウンター席と2人掛けのリクライニングシート、地域の特産品とコラボしたグッズ等を販売するサービスコーナーを設置。さらに自転車を積めるサイクルスペース(要予約、無料。岡山駅~高松駅間ではご利用不可)があり、自転車利用者にも便利な観光列車です。
鉄道コンシェルジュ ミスターKのとっておき情報
ひとり旅向けのカウンター席や2人用リクライニングシートを用意
2両編成の各号車には、ひとり旅でも利用しやすい窓向きのカウンター席が、1号車に9席、2号車に10席配置。もちろん、2人や3人のグループでの利用にも便利で、車窓の風景を眺めながら駅弁などを楽しむことができます。ゆったり座るのであれば2人掛けのリクライニングシートがおすすめで、座席の向きを変えれば4人グループの利用にも最適です。
特別な時間を楽しむ列車“走る旅の道具箱デザイン”に注目!
列車の外観にも注目しましょう。黒い太線によって、車窓をかばんのように見立てているデザインが特徴的です。旅にまつわる旅情を誘う絵柄や言葉の数々を白い車体に大胆にデザインしており、駅に停車中の列車を見るのも楽しいはず。旅行鞄に付けるタグをモチーフにした車両のロゴマークやヘッドマークもチェックしてみましょう。
特別列車は車内販売が魅力 おみやげに児島ジーンズがおすすめ!
2号車のサービスコーナーでは、岡山特産の桃を使ったジュースや岡山のおやつ類などを販売しています。さらに目に飛び込んでくるのが地元特産品の児島ジーンズを使用したバッグ類や携帯ケースです。地域の特産品とコラボしたおみやげ品は、瀬戸内の旅の記念に。乗車したらサービスコーナーをのぞいてみましょう。
7~9月の毎週金曜は瀬戸大橋からの眺めを満喫!
JR西日本・JR四国が展開する「せとうちキャンペーン」に合わせ、9月までの毎週金曜は岡山駅~高松駅間でも運転。瀬戸大橋の上から瀬戸内の景観を存分に楽しめるというもの。1・2号車のカウンター席の配置は逆になっていますので、往復でカウンター席またはリクライニング席を利用すれば、列車の両側に広がる風景を楽しめます。
2016年秋の運転は尾道駅へ「ラ・マル しまなみ」を計画中
現在、岡山駅~宇野駅または高松駅間を結ぶ「ラ・マル せとうち」ですが、平成28年秋には瀬戸内しまなみ海道の玄関口となる尾道へ「ラ・マル しまなみ」を運転する計画があります。マイ自転車を積んで、岡山から尾道・しまなみ海道を経由し、瀬戸大橋線で岡山へ戻るという瀬戸内周遊の旅を楽しむこともできます。今後の運転情報に注目です。
乗車予約は1カ月前の10時から全国のJRの主な駅のみどりの窓口で
この列車は全車グリーン車指定席のため、乗車日の1カ月前の10時から全国のJRの主な駅のみどりの窓口や旅行会社などで発売を開始。乗車券の他に「指定席グリーン券」(岡山駅~宇野駅間は片道770円、岡山駅~高松駅間は片道980円、こども同額)の購入が必要です。なお、車内に自転車を持ち込んでサイクルスペースを利用する場合は、同時に利用券(無料)が必要です。
列車情報
運転日 | 平成28年9月30日まで。9月4日までは水曜を除き毎日運転、9月4日~9月30日は金・土・日曜・祝日に運転 ※「ラ・マル しまなみ」として尾道への運転も計画中 |
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運転区間 | 宇野みなと線(宇野線) 岡山駅~宇野駅、瀬戸大橋線 岡山駅~高松駅 |
運転時刻 |
(岡山駅~宇野駅間)岡山駅10:11発→宇野駅11:10着 宇野駅15:00発→岡山駅16:00着 |
著者紹介
- ※文・写真/ミスターK(結解喜幸)
- ※掲載されているデータは2016年8月現在のものです。
- ※運転日・運転区間等は変更となる場合があります。