トレたび JRグループ協力

2025.03.27鉄道特急「オホーツク」-道央から道東へ北海道を横断する特急列車(THE列車)

札幌と網走を約5時間20分で結ぶ

北海道の北東に広がるオホーツク海に由来し、国内の特急列車では唯一、ロシア語に由来する列車名を持つ特急「オホーツク」。北の大都市・札幌から、全国的にも珍しい平面スイッチバックの遠軽駅などを経由して、道東観光の玄関口・網走までの間を1日2往復しています。

車両は2023年3月のダイヤ改正以降、すべての列車が苗穂運転所所属のキハ283系に統一されました。従来のキハ183系が使用されていた頃に比べ、所要時間の短縮が図られています。なお、時期によっては、多目的特急車両のキハ261系5000番代が代走することもあります。

「オホーツク」はどんな列車?

3両編成のキハ283系で運行


キハ283系は札幌駅〜釧路駅間の特急「スーパーおおぞら」用として登場した車両。「オホーツク」では通常、グリーン車なしの3両編成で運用されており、遠軽方向の先頭1号車と中間車が指定席、網走・札幌方向の3号車が自由席となります。
なお、キハ283系には制御式振り子装置が搭載されていますが、オホーツクではその機能を使用せずに走行しています。

エクステリアデザイン

先頭車の前面部はブルーで塗装され、ステンレスの側面には赤と緑のアクセントカラーがあしらわれています。
また、先頭車の側面には沿線自治体ゆかりのイラストをラッピング。デザインは旭川市・上川町・遠軽町・北見市・美幌町・大空町・網走市の7種と、7自治体のイラストを1枚にまとめた特別デザイン1種の計8種類で、例えば上川町は大雪山国立公園、旭川市は旭橋が描かれています。どのデザインの車両に乗れるかは当日のお楽しみです。

普通車指定席(1・2号車)

指定席の1・2号車の座席は2+2配列。通常よりも座席幅が広く、上下可動式の枕を備えたグレードアップ仕様のリクライニングシートで、長時間の乗車でも快適に過ごすことができます。
座席背面には大型テーブルやドリンクホルダー、チケットホルダーを装備。2号車はバリアフリー仕様で、1番A席は車いす対応座席になっています。


自由席(3号車)


自由席の3号車も指定席と同様に2+2配列で座席が配置されています。シートモケットのデザインはワインレッド系です。
1号車の客室内には大型荷物置き場も備えられています(一部、荷物置き場がない車両もあります)。

「オホーツク」はこう楽しむ!

列車名の由来となったオホーツク海を望む能取岬


網走市の北端に位置する能取岬(のとろみさき)は、オホーツク海に突き出た断崖の草原の中に灯台だけが立つ北海道らしい景色が魅力。
その名前はアイヌ語で「岬のところ」を意味する「ノッ・オロ」に由来します。網走市内で最も早く流氷を見ることができる場所でもあり、冬になると一面真っ白の幻想的な世界が広がります。周辺はアザラシの群生地で、運が良ければ海の中を遊泳している姿を見ることができます。


列車情報

運転日 毎日運転
運転区間 函館本線、宗谷本線、石北本線 札幌駅〜網走駅間
運転時刻 【1号】札幌駅6:52発→網走駅12:17着
【3号】札幌駅15:30発→網走駅20:52着

【2号】網走駅6:55発→札幌駅12:10着
【4号】網走駅14:36発→札幌駅20:02着
備考 ※始発・最終列車の時刻を掲載

「オホーツク」の詳しい情報はこちら!


著者紹介

佐藤正晃

1991(平成3)年、スーパートレイン全盛期生まれの旅行・交通ライター。青森県青森市出身。

撮影旅・乗車旅が好き。最近は吞み鉄にもハマっている。

親の転勤が多く、幼少期は盛岡市や東京都で過ごしたため、東日本エリアの鉄道には並々ならぬ思いがある。大学卒業後、旅行関連業界を経て、現在は取材のため各地を飛び回る日々。

  • 文/佐藤正晃
  • 写真/JR北海道、網走市観光協会
  • 掲載されているデータは2025年3月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください
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