フリーエリアが超広い! がっつり乗り潰しも、のんびり散歩も叶うきっぷ
札幌観光に出かけたら、もう少し足を延ばして他のエリアもめぐってみたいところ。
そんなときにおススメなのが、札幌近郊の普通列車が乗り放題になる「一日散歩きっぷ」です。
今回は「一日散歩きっぷ」を活用して、列車にたくさん乗りまくる「鉄ちゃんプラン」と、小樽・余市の定番スポットをまったり訪れる「お散歩プラン」の2つをご紹介します。
- ※新型コロナウイルス感染症の影響により、列車の運休や変更、施設の営業変更等が発生することがあります。JRニュースや運行会社、および各施設のHP等をご確認ください。
2,540円で1日乗り放題
「一日散歩きっぷ」は、札幌を中心に道央エリアの普通列車が1日乗り放題になるフリータイプのきっぷです。
「普通列車」には各駅停車だけでなく、快速列車も含まれます。
このきっぷで着目すべきは、フリーエリアがとっても広い点にあります。
札幌観光とセットで訪れるのが定番の小樽・余市だけでなく、富良野や美瑛、それに苫小牧、室蘭まで足を延ばすことができるのです。
今回は札幌発着の観光をしっかり盛り込んだ日帰りプランをご紹介していますが、たとえば札幌から函館本線で長万部へ、そこから東室蘭、苫小牧と乗り換えて、大きくぐるっとめぐるような一筆書きプランも実現できますし、2日連続で使用すれば、より充実度の高い旅が構成できます。
また、利用日当日にきっぷが購入できる点は、遠方から訪れる旅行者にとってありがたいポイントです。
一日散歩きっぷ(JR北海道)
エリア内の普通列車(快速列車も含む)に、1日自由に乗り降りできるフリータイプのきっぷ。
料金:
大人2,540円、小児1,270円
利用期間:
2022年4月29日~2022年11月13日までの土休日。利用日当日のみ購入できます
有効期間:
1日間
うりば:
小樽駅、南小樽駅、小樽築港駅、銭函駅、星置駅、手稲駅、稲積公園駅、発寒駅、発寒中央駅、琴似駅、桑園駅、札幌駅、苗穂駅、白石駅、厚別駅、森林公園駅、大麻駅、野幌駅、高砂駅、江別駅、幌向駅、岩見沢駅、八軒駅、新川駅、新琴似駅、篠路駅、拓北駅、あいの里教育大駅、当別駅、平和駅、新札幌駅、上野幌駅、北広島駅、島松駅、恵み野駅、恵庭駅、千歳駅
それでは、さっそく「一日散歩きっぷ」を使ったモデルコースをめぐってみましょう!
<コース1>フリーエリアをフル活用! 千歳線、室蘭本線で1周する「鉄ちゃんプラン」
- 鉄ちゃんプラン
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8:02発
札幌駅 函館本線ほか 特別快速「エアポート80号」新千歳空港行に乗車
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8:10着
新札幌駅
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8:24発
新札幌バスターミナル ジェイ・アール北海道バスに乗車
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8:44着
開拓の村
- ポイント① 北海道開拓の村で馬車鉄道を体験
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10:30発
開拓の村 ジェイ・アール北海道バスに乗車
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10:50着
新札幌駅
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11:01発
新札幌駅 千歳線 苫小牧行に乗車
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12:03着
苫小牧駅
- ポイント② 名物駅弁で北海道を味わう
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13:26発
苫小牧駅 室蘭本線 岩見沢行に乗車
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14:03着
追分駅
- ポイント③ 道の駅で北海道の鉄道を知る
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- ポイント④ 列車待ち時間は駅前温浴施設で温まる
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18:02発
追分駅 室蘭本線 岩見沢行に乗車
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18:47着
岩見沢駅 ※乗り換え
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19:08発
岩見沢駅 函館本線 小樽行に乗車
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19:50着
札幌駅
- ※乗車日によっては発着時刻が異なる場合があります。事前にご確認の上、お出かけください。
ポイント①「北海道開拓の村」…馬車鉄道で開拓時代に思いを馳せる
明治~昭和初期に建築された道内の建造物52棟を移築復元・再現した北海道開拓の村。「市街地群」「漁村群」「農村群」「山村群」にわけられた54.2ヘクタールの村内では建物の内部も見学可能。当時の暮らしを体感できます。
また、旧札幌停車場~旧ソーケシュオマベツ駅逓所には線路が敷かれ、馬が車両をけん引する「馬車鉄道」が運行しています(4月中旬~11月)。所要時間はおよそ5分、のんびり揺られながら、開拓時代に思いを馳せてみませんか。
北海道開拓の村
住所 | 北海道札幌市厚別区厚別町小野幌50-1 |
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問い合わせ先 | 011-898-2692 |
時間 | 5~9月/9:00~17:00(入場16:30まで)、10~4月/9:00~16:30(入場16:00まで) |
定休日 | 月曜日(祝日・振替休日の場合は翌日、5~9月は無休)、12月29日~1月3日 ※さっぽろ雪まつり期間の月曜日は開村 |
交通アクセス | JR新札幌駅からバス20分 |
値段 | 入村料/一般800円、大学生・高校生600円、中学生以下・65歳以上無料 馬車鉄道乗車料/大人250円、小人100円 |
URL | https://www.kaitaku.or.jp/ |
ポイント②「北海道汐彩弁当」…北海道を味わい尽くせる駅弁
鉄道旅といえば、やはり外せないのは駅弁。
苫小牧には創業100年を超える老舗駅弁屋「まるい弁当」があります。
サーモン寿司やいくら弁当、ほたて弁当など海鮮メインのラインナップで、どれをいただくべきか迷ってしまうところ。悩んだときは「北海道汐彩弁当」がイチ押しです!
ご飯ものはサーモン寿司とほっきめし、おかずには鮭照焼にいくら醤油漬け、それにつぶ貝唐揚げが並び、充実度満点!
苫小牧駅に加えて南千歳駅でも販売されているので、新千歳空港利用時にも購入チャンスがありますよ。
北海道汐彩弁当(まるい弁当)
住所 | 北海道苫小牧市清水町2-3-4 |
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問い合わせ先 | 0144-32-3131 |
値段 | 1,300円(税込) |
URL | http://maruibentou.ekiben.or.jp/ |
ポイント③「道の駅あびら D51ステーション」…北海道の最新鉄道スポット
かつて鉄道の要衝として発展した追分地区。
2019年にオープンした「道の駅あびら D51ステーション」は、その歴史を学べる「安平町鉄道資料館」が併設されています。
資料館内には「デゴイチ」で知られる蒸気機関車D51や行き先を示す「サボ」のほか、鉄道史パネルなどが展示されています。
屋外にはかつて道内を走った特急列車キハ183系も保存されており、一般公開日には車内の見学ができます。
また、道の駅では地元の特産品や焼きたてパンが味わえます。
広く明るい館内で一休みするのもおススメです。
道の駅あびら D51ステーション
住所 | 北海道勇払郡安平町追分柏が丘49-1 |
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問い合わせ先 | 0145-29-7751 |
時間 | 4〜10月/9:00~18:00、11~3月/9:00~17:00 |
定休日 | 12月31日~1月3日 |
交通アクセス | JR追分駅から徒歩11分 |
URL | https://d51-station.com/ |
ポイント④「ぬくもりの湯」…駅チカ温浴施設でぬくぬく列車待ち
鉄道旅で立ちはだかるのが「ダイヤの壁」。室蘭本線も苫小牧~岩見沢は追分駅止まりの列車が多く、加えて夕暮れにはまだまだ肌寒いのが北海道の春です。
しかしご安心を。追分駅は、近くに温浴施設「ぬくもりの湯」があり、列車までの時刻を入浴して過ごせるのです。
その距離、徒歩にしておよそ2分!
洗い場は広く、なんと露天風呂付き。ミストサウナに入れば、体の芯まで温まります。
館内には食堂コーナーも設けられており、ついでに小腹も満たせてしまいます。
ぬくもりの湯
住所 | 北海道勇払郡安平町追分中央1-40 |
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問い合わせ先 | 0145-25-2968 |
時間 | 11:00~22:00 |
定休日 | 第2・4火曜日(祝日の場合は、その翌日) |
交通アクセス | JR追分駅から徒歩2分 |
値段 | 中学生以上500円、小学生250円、乳幼児無料 |
URL | https://www.town.abira.lg.jp/midokoro/nukumori |
運賃・料金参考(JR利用)
札幌駅~新札幌駅:340円、新札幌駅~苫小牧駅:1,490円、苫小牧駅~追分駅:860円、追分駅~札幌駅:1,890円
計4,580円
「一日散歩きっぷ」なら、2,040円もおトクに!
- ※運賃・料金は1人分です。
- ※列車の通常料金はきっぷの運賃です。交通系ICカードを使用した場合は運賃が異なります。
- ※今回のモデルルートで利用する路線の一例です。他の路線等を利用した場合や、乗り方によっては料金が異なります。
<コース2>札幌から憧れの小樽・余市へ! ちょっと得するまったり「お散歩プラン」
- お散歩プラン
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8:35発
札幌駅 函館本線 小樽行に乗車
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9:22着
小樽駅 ※乗り換え
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9:38発
小樽駅 函館本線 倶知安行に乗車
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10:03着
余市駅
- ポイント① ニッカウヰスキー発祥の地を見学
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12:31発
余市駅 函館本線 小樽行に乗車
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12:55着
小樽駅
- ポイント② 小樽観光のメインストリート! 堺町通りをめぐろう
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- ポイント③ 絶対外せない! 小樽運河
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15:23発
小樽駅 函館本線 苫小牧行に乗車
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15:41着
銭函駅
- ポイント④ 海辺のカフェでほっと一息
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16:36発
銭函駅 函館本線 千歳行に乗車
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17:03着
札幌駅
- ※乗車日によっては発着時刻が異なる場合があります。事前にご確認の上、お出かけください。
ポイント①「ニッカウヰスキー余市蒸溜所」…ウイスキーの歴史と魅力に触れる
日本ウイスキーの父として知られる竹鶴政孝が理想の地としてたどり着いた余市。
1934年に建造されたニッカウヰスキー余市蒸溜所では、現在もウイスキーづくりが行われており、その製造工程や歴史が見学できます。
おススメは、2021年にリニューアルしたニッカミュージアムや、昔ながらの石炭による「石炭直火蒸溜」が行われている蒸溜棟、それに竹鶴夫妻が暮らしていた「旧竹鶴邸」です。
ウイスキーの学びをより深めたい方は、ガイド付き蒸溜所見学の事前予約をお忘れなく。
ニッカウヰスキー余市蒸溜所
住所 | 北海道余市郡余市町黒川町7-6 |
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問い合わせ先 | 0135-23-3131 |
時間 | 9:00~16:30(最終受付は15:00) |
定休日 | 12月25日~1月7日 |
交通アクセス | JR余市駅から徒歩3分 |
値段 | 無料(見学は、事前にHPから予約が必要) |
URL | https://www.nikka.com/distilleries/yoichi/ |
ポイント②「堺町通り」…レトロなストリートで自分だけの逸品を
かつて北海道の経済、物流の中心の地として栄えた小樽。
およそ900メートルの堺町通りには、当時の石造り倉庫を利用したショップなど、往時をしのばせる建物が並び、散策にうってつけです。
レトロな情緒あふれる各ショップでは、定番のガラスやオルゴール、それに「ルタオ」のスイーツなど、小樽らしさあふれる逸品に出会えます。
オルゴールやキャンドルなどの製作体験も行っているので、自分だけのお土産づくりもおススメです。
心行くまでショッピングを楽しんだあとは、ほっこりカフェタイムも外せません!
堺町通り
住所 | 北海道小樽市堺町6-11(小樽堺町通り商店街振興組合) |
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問い合わせ先 | 0134-27-1133 |
交通アクセス | JR小樽駅から徒歩11分 |
URL | http://otaru-sakaimachi.com/ |
ポイント③「小樽運河」…小樽観光の超定番スポット
小樽観光で絶対外せない超定番スポットといえば小樽運河。
1923年に完成した全長1,140メートルの運河沿いには、北海道開拓の玄関口として発展した頃の石造倉庫群が当時の姿のまま残され、レストランなどに活用されています。
石畳の散策路にはガス灯が設置されており、日没後には日中と一味違ったノスタルジックムードが楽しめます。
人気の写真撮影ポイントである浅草橋街園には観光案内所もあるので、小樽を初めて訪れた方はまずここに立ち寄ってみましょう。
小樽運河
住所 | 北海道小樽市港町 |
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問い合わせ先 | 0134-32-4111(小樽市産業港湾部観光振興室) |
交通アクセス | JR小樽駅から徒歩10分 |
URL | https://www.city.otaru.lg.jp/docs/2020100900367/ |
ポイント④「しろくまコーヒー」…鉄道絶景をカフェから楽しむ
函館本線の銭函~朝里は、石狩湾の海岸線すれすれを走る絶景ポイントとして知られています。
列車から眺めた海の景色をじっくりと堪能したい方にイチ押しなのが、銭函駅からすぐのカフェ「しろくまコーヒー」です。
海に面したお店からは、雄大な景色が好きなだけ楽しめます。より海を感じたい人にはテラス席もありますよ。
夕暮れ時、空が徐々にオレンジ色に変化していくさまを眺めながら、温かなドリンクをいただき、1日の旅を振り返ってみませんか。
しろくまコーヒー
住所 | 北海道小樽市銭函2-1-7 |
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問い合わせ先 | 0134-64-9589 |
時間 | 10~2月/11:00~16:00(L.O. 15:30)、3~6月/11:00~18:00(L.O. 17:00)、 7~8月/11:00~19:00(L.O. 18:00)、9月/11:00~18:00(L.O. 17:00) |
定休日 | 年末年始 |
交通アクセス | JR銭函駅から徒歩1分 |
値段 | 本日のコーヒー(レギュラー)350円、しろくまラテ(レギュラー)450円など(税込) |
URL | https://www.shirokumacoffee.com/ |
運賃・料金参考(JR利用)
札幌駅~余市駅:1,290円、余市駅~小樽駅:440円、小樽駅~銭函駅:440円、銭函駅~札幌駅:440円
合計2,610円
「一日散歩きっぷ」だと、70円おトク!
- ※運賃・料金は1人分です。
- ※列車の通常料金はきっぷの運賃です。交通系ICカードを使用した場合は運賃が異なります。
- ※今回のモデルルートで利用する路線の一例です。他の路線等を利用した場合や、乗り方によっては料金が異なります。
札幌近郊区間ならではの鉄道旅行体験、列車旅の面白さとは?
札幌近郊でまずもってインパクトが大きいのは、札幌駅そのものです。
発車案内には函館や網走、それに釧路、稚内とさまざまな行き先が示され「すべての道は札幌に通じているのか……」とローマ気分に浸れます。
また、札幌駅のお隣、苗穂駅にはJR北海道の工場が位置していたり、平和駅にはJR貨物の大きなターミナルが併設されていたり、周辺にも鉄ちゃん的注目ポイントが集結しています。
一方で、ちょっと足を延ばしただけで、「雄大!」を感じられるのもこのエリアの良いところです。小樽方面に向かえば、車窓に石狩湾が迫り、千歳線で南下すれば平野が広がり、時には放牧中の牛にも出会えます。
どの方面に出かけても本州とはまったく異なる景色が楽しめるので、1人で出かけて、じっくり車窓を眺めるのを、個人的には強く推奨します!
著者紹介
- ※写真協力:一般財団法人北海道歴史文化財団、ブルマンズ株式会社、一般社団法人あびら観光協会、ニッカウヰスキー株式会社、小樽堺町通り商店街振興組合、小樽市産業港湾部観光振興室、しろくまコーヒー
- ※文:蜂谷あす美
- ※掲載されているデータは2022年4月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。