2024.10.07ジパング俱楽部富山駅発、路面電車と船で港町&城下町の名所めぐり|JR駅発、お手軽1日モデルコース
鉄道を使って、もっと気軽に日本を旅しよう。
日本全国の駅を拠点に、半日から一日で楽しめるモデルコースを紹介します。
町の中心部には路面電車が走り、海沿いには運河が残る富山。富山城址公園や北前船の寄港地だった岩瀬の町並みなど歴史と情緒のある場所も残っている町です。
岩瀬へのアクセスには、富岩運河環水公園から運河クルーズを利用する方法もあります。船に乗り、中島閘門前後の水位の違いを調整する「水のエレベーター」を体験しながら古い町並みへと向かう楽しさはとびきりです。
- ※トップ画像は、富岩運河環水公園からの眺め
北陸新幹線富山駅からスタート
東京駅から北陸新幹線に乗れば最速で2時間少々。高山本線と、あいの風とやま鉄道が乗り入れています。駅ビルの1~4階は商業施設「マルート」、5~12階は「ホテルヴィスキオ富山」となっており、富山名物のショッピングにも宿泊にも便利です。
富山城址公園
先進的な路面電車で歴史的名所へ
富山は、CO2排出量が少なく環境にやさしい路面電車「富山地方鉄道」が走る町。環状線を走る車両「セントラム」に乗り込み、富山藩主・前田家の居城跡である富山城址公園へ。近づくにつれ、大きな窓から城の建造物が望め、ワクワク感が高まります。
昭和29年に再建された天守は国登録有形文化財で、「富山市郷土博物館」として、築城から明治時代以降の城址の変遷に至るまで、400年以上にわたる歴史を紹介。天守展望台からは富山の町を一望できます。
「千歳御門」は十代藩主・前田利保(としやす)の隠居所として建造された御殿の正門で、江戸時代から現存する唯一の遺構。門をくぐりつつ、先進的なデザインの「セントラム」でここを訪れた楽しさがこみ上げてきます。
問い合わせ先 | 070‐8529‐6677 |
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時間 | 入園自由 |
交通アクセス | 富山地方鉄道環状線約6分の国際会議場前下車、徒歩約2分 |
URL | https://joshipark.com/ |
富山湾鮨
“天然の生け簀(いけす)”から揚がる極上ネタ
標高3000メートル級の立山連峰の雪解け水が、豊かな土壌の栄養分をたっぷり含んだ河川水として上層部に流れ込む富山湾。中層部には対馬暖流が流れ、1000メートルに達する最深部には冷たい日本海固有水(深層水)が流れ、この3層のおかげで富山湾は魚種豊富で旨み溢れる魚に恵まれ、“天然の生け簀”と呼ばれます。
そんな富山湾から揚がった地魚と、米どころ富山県が誇る県産米のシャリを使用した寿司10貫を富山らしい汁物付きで、2700円~5500円で提供するのが「富山湾鮨」。これからの季節におすすめなネタはベニズワイガニ。身はやわらかく、上品な甘みがあります。ピンク色に透き通った身が美しく、富山湾の宝石と称されます。
提供店は県内に多数あり、富山城址の近くにも数店ありますし、駅周辺の店を利用するのもいいでしょう。
問い合わせ先 | 076-441-7722(富山湾鮨誘客キャンペーン事務局) |
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時間 | 店舗により異なる |
定休日 | 店舗により異なる |
交通アクセス | 店舗により異なる |
値段 | 2700~5500円 |
URL | http://www.toyamawan-sushi.jp/ |
富岩運河環水公園
運河クルーズ体験も楽しさ満点
富山の工業の発展に大きく寄与した富岩運河は、船運からトラック輸送への変遷で一時は埋め立ても計画されましたが、町なかの貴重な水辺として整備され、今では富山の人気ナンバーワン観光スポット。「世界一美しい」と言われているスターバックスコーヒーや眺望抜群のフレンチレストランもあります。
春から秋には園内から運河クルーズ「富岩水上ライン」が発着しており、古い町並みが美しい岩瀬地区への行きまたは帰りに乗船することも可能です。途中の中島閘門の2対の扉は、ゲートを交互に開閉することで水位の異なる水面を調整するもので、中世から近代のヨーロッパで発達した水運技術。高低差2.5メートルもの迫力ある「水のエレベーター」を体験できる日本でも珍しい場所です。
問い合わせ先 | 076‐444‐6041 |
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時間 | 入園自由 |
交通アクセス | 北陸新幹線富山駅から徒歩約9分 |
URL | http://www.kansui-park.jp/ |
岩瀬の町並み
豪壮な町家や土蔵が今に残る
富山湾に面した富山市岩瀬地区は、江戸時代初期から日本海を行き来する北前船の港町として栄え、今も廻船問屋だった町家や土蔵などが残り、ノスタルジックな町並みを形成しています。
北前船廻船問屋だった国指定重要文化財「森家」(休館中、2026年度以降に再開予定)は京都の東本願寺の建立にかかわった棟梁を招き、3年の歳月をかけて建築。屋久杉や能登の黒松、小豆島の御影石など全国の銘木・銘材を多彩に用いるなど、贅が尽くされています。
国登録有形文化財「馬場家」も同じく北前船廻船問屋だった豪壮な建物。その米蔵だった場所はリノベーションを経て、クラフトビールの醸造とパブの営業をする「KOBO Brew Pub(コボ ブリュー パブ)」に生まれ変わっています。近くで日本酒を醸す蔵元の酒粕を使ったビールや、富山市名産の「呉羽梨(くれはなし)」のシロップを使ったビールなど、常時9種類ほどをラインナップ。タイミングが合えば、蔵の中央にある醸造スペースでチェコ出身の醸造家が作業する様子も見られます。
問い合わせ先 | 076‐439‐0800(富山まちなか観光案内所) |
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交通アクセス | 北陸新幹線富山駅から富山地方鉄道富山港線約20分の東岩瀬駅下車、徒歩約10分 |
URL | https://www.info-toyama.com/stories/iwase_town |
ますのすし
緑の笹に映えるサクラマス
古くから、市内を流れる神通川で獲れるサクラマスを用いて作られてきた富山伝統の押し寿司。江戸時代には将軍家への献上品にもなっていました。市内には「ますのすし」を作っている店が20軒以上あり、マスの厚み、酢加減、酢飯の押し具合など、味やスタイルは店それぞれ。
なかでも「ますのすし」の名を全国に知らしめたのが「源(みなもと)」。1912(明治45)年に駅弁「ますのすし」を販売開始。一躍人気となり、富山を代表する食となりました。中央改札前に売店があり、帰路につく前におみやげとして購入することができます。
問い合わせ先 | 店舗により異なる(「源 中央改札前店」は076-431-2104) |
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時間 | 店舗により異なる(「源 中央改札前店」は7~21時) |
定休日 | 店舗により異なる(「源 中央改札前店」は無休) |
交通アクセス | 店舗により異なる(「源 中央改札前店」は北陸新幹線富山駅から徒歩すぐ) |
URL | http://www.toyama-masuzushi.or.jp/index.html |
富山駅ゴール!
紹介スポット一覧マップ
- スケジュールの一例
-
7:20発
東京駅
- 北陸新幹線「かがやき」
-
9:25着
富山駅
-
9:31発
富山駅
- 富山地方鉄道環状線
-
9:37着
国際会議場前電停
- 「富山城址公園」
-
10:37発
国際会議場前電停
- 富山地方鉄道環状線
-
11:00着
富山駅
- 「富山湾鮨」「富岩運河環水公園」
-
13:20発
富岩水上ライン乗降場
- 富岩水上ライン
-
14:20着
岩瀬カナル会館乗降場
- 「岩瀬の町並み」
-
16:33発
東岩瀬電停、富山地方鉄道富山港線
-
17:01着
富山駅
- 「ますのすし」
-
17:17発
富山駅
- 北陸新幹線「はくたか」
-
20:00着
東京駅
文/赤城はるな 写真/とやま観光推進機構・富山市観光協会
- ※記事中の情報は2024年10月時点のものです。
- ※列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
- ※花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
- ※店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
- ※同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。