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2024.09.17ジパング俱楽部神社とお寺の違いは?お守りはおみやげにしていい?神社でモヤモヤしないための参拝作法|解決! 60代からのお悩みごと

知れば参拝がもっと楽しくなる!

何気なく訪れることも多い神社やお寺。訪れた先で、この作法で大丈夫かな……?とそわそわしてしまったことはありませんか。

基本的な参拝作法を確認しつつ、おみくじを結ぶか迷う、一度に複数の神社に行っていいものなのかしら……など、素朴な疑問にお答えします。

せっかく行くからには、心置きなく参拝を楽しみたいもの。基本的な参拝作法や知識を知っているだけで、楽しみ方も全然違ってきますよ。


教えてくれた人

「ホトカミ」運営メンバー
立崎理恵さん

慶応義塾大学文学部(国文学専攻)卒。2017年より「ホトカミ」の運営に携わる。 御朱印・神社お寺の検索サイト「ホトカミ」は現役神主と僧侶を含む9名で運営する、お参りの感想や写真を投稿できるアプリ・WEBサービス。全国15万件以上の神社寺院の基本情報と2万件以上の御朱印の情報を掲載し、毎月の限定御朱印も特集しています。

御朱印・神社お寺の検索サイト【ホトカミ】

 

  目次  

1.神社と寺院の違いは?

神道の神様を祀るのが神社、仏様を祀ったりお経をあげたりと、仏教のために建てられた施設が寺院です。

ただ江戸時代以前は、神様と仏様は同一視され、両者を同じところに祀り信仰されていました。神社と寺院が明確に区別されるようになったのは明治政府の神仏分離政策によるものです。
今でも昔の名残として、鳥居のある寺院や、仏様を祀る神社が存在します。

神様仏様には御利益があり、人間にお恵みや幸運を与えてくださいます。たとえば、菅原道真公を祀る天満宮は学業成就・合格祈願の神社として有名ですが、神社・寺院によって御利益はさまざま。
お参りする時にどんな神様仏様が祀られているのかを事前に調べて知っておくと、旅をより楽しめるでしょう。

2.お参りの作法

1. 鳥居を通る前に一礼する


神社に入る時は、鳥居や門の前で一礼してから入ります。

鳥居や門は、私たちの世界(俗世)と神様の世界(神域)を分けているともいわれます。

神様の世界に「お邪魔します」というあいさつをして通りましょう。 帰る時も鳥居を出たら、社殿に向かって礼をします。

2. 手水舎でお清めをする


手水舎(てみずや、ちょうずしゃなど)では、ひしゃくで水をすくい、左手→右手→左手の順にすすぎます。すすいだ左手に水をため、口の中もすすぎます。

口につけた左手をもう一度すすぎます。

ひしゃくを両手で縦に持ち、柄の部分を水で流したら、もとの位置に戻します。 ひしゃくがない場合は、流水で両手・口の順にすすぎましょう。

3. 社殿の賽銭箱の前に立って一礼する


参道を歩いて社殿まで行きます。真ん中は正中(せいちゅう)といい、神様の通り道とされているので、左右どちらかを通るとよいでしょう。

賽銭箱の前まできたら、最初に軽くお辞儀をします。

4. お賽銭を入れる


お賽銭の金額に決まりはありません。自分がふさわしいと思う金額を納めましょう。

勢いよく投げず、そっと入れるのが好ましいです。

5. 鈴を鳴らす


鈴は、お参りに来たことを神様に知らせるために鳴らすといわれています。

鈴の音は、悪い気をはらい、お参りにきた人を清める役割もあるそうです。

6. 二礼二拍手一礼(二拝二拍手一拝)


二回深めのお辞儀(二礼)をした後に二回手を叩き(二拍手)、心をこめてお祈りをします。

その後、もう一度深くお辞儀(一礼)をします。 拍手は「柏手(かしわで)」ともいい、手を打つことが神様への敬意を示す方法とされています。

なお、寺院では手を叩く「柏手」は行ないません。静かに手を合わせて祈りましょう。

7. 一礼して社殿を離れる


二礼二拍手一礼が終わったら、最後に軽くお辞儀をして離れましょう。

これらは一般的な作法ですので、神社や時期によって細かな違いがあります。
たとえば6月は神社の境内に茅の輪が設置され、「茅の輪くぐり」をしてから社殿に向かいます。


画像/ホトカミ 画像/ホトカミ

公式サイトや賽銭箱の近くなどに案内がある場合は、その指示に従いましょう。心置きなく参拝をするためには、事前に調べておくのがおすすめです。

3. 疑問に答えます!参拝のあれこれ

Q1. どういう時におみくじを結ぶの?

A1. おみくじを引いた時に最も大切なことは、吉凶の判断ではなく、そのおみくじの内容をこれからの生活の進むべき方向に生かすことです。

よく「凶は結んで帰る」といわれますが、凶のおみくじを持ち帰っても問題ありません。
おみくじを結ぶのは、神様との縁を結んだり悪い気を結んで留めおいたりするためなど諸説いわれていますが、その内容をしっかり受け止めて生活に生かすことが大切なので、そのために結ぶか持ち帰るか、自分の心に従って決めるのがよいでしょう。

Q2. 柏手の二拍手と四拍手の違いは何?

A2. 出雲大社やその系列の神社では、二礼四拍手一礼が正式な参拝方法とされています。
大切なお祭りである例祭では八拍手、日常的には半分の四拍手を作法としているようです。八拍手は「八」が末広がりで無限を意味する数字であることに由来します。

一般的には二礼二拍手一礼と覚えていれば問題ありません。
郷に入っては郷に従えともいうように、その場所での作法がある場合はそれに従うとよいでしょう。木札などに書いてあることもあります。

Q3. お守りをおみやげにしてもいい?

A3. お守りをおみやげとして人に渡しても大丈夫です。

旅先で家族や友人の健康・学業成就などを願ってお守りをいただく方もたくさんいらっしゃいます。
お守りとは、厄除けや招福のための縁起物なので、渡したい相手の福を願ってその人に合うものを選ぶといいでしょう。

Q4. 複数の神社をまわるのはよくない?

A4. 一度に複数の神社寺院をまわっても何の問題もありません。

むしろ「七福神めぐり」「東京十社めぐり」「四国八十八ヶ所霊場めぐり(お遍路)」など、たくさんの神社寺院をめぐることはよいこととされています。
神様同士が対立してしまうことはありませんし、一つひとつのお参りを軽んじていることになってしまうのでは?などと引け目に思う必要はありません。

Q5. 絵馬には何を書けばいい?

A5. 絵馬には主に願いごとを書きます。そのほか住所や名前、日付を書く欄がある絵馬もあります。

個人情報になるので、書ける範囲で書きましょう。たとえば住所は市区町村まで、名前はイニシャルなどでも問題ありません。書きたくない場合は空欄でも構いません。
縦書き・横書きなどの決まりもありません。大事なのは、願いごとを思いながら書くということです。

4.「御朱印」とは?


御朱印とは、神社や寺院にお参りした時に、証(あかし)として授けられる印のことです。

神社や寺院の名前、ご本尊のお名前、お参りした日付などが墨で書かれています。

神社や寺院の方が御朱印帳に直接書き入れてくださる場合もあれば、あらかじめ和紙に書いたもの、印刷したものをいただける場合もあります。

最近では季節の花や風物詩をデザインした期間限定の御朱印を頒布している神社寺院も増えています。
御朱印を通じて四季を感じたり、日本の伝統文化について学べたりするので、ぜひ注目してみてください。


三重県津市の四天王寺の御朱印。ひまわりは8月限定のデザイン(左)。紅葉は11月限定のデザイン(右) 三重県津市の四天王寺の御朱印。ひまわりは8月限定のデザイン(左)。紅葉は11月限定のデザイン(右)

5. 願いごとをする時に知っておきたいこと


「神様に願いごとをする時にこれを言うと叶いやすい」といった明確な決まりはありませんが、迷った時は「〜しますように」の形でお願いをするとよいでしょう。

「いのり」は、願いごとをする「祈り」だけでなく、自分の意思を宣言する「意宣り」とも書けるそうです。

「人事を尽くして天命を待つ」ということわざにもあるように、願いごとをして終わりではなく、叶えたい目標に向かってきちんと努力することが大切です。

訪れるなら朝がおすすめ

とくに観光地の神社寺院では多くの人がお参りに訪れます。
人混みを避けたい方は、朝の時間帯にお参りすると境内が比較的空いているのでおすすめです。
早起きして鎮守(ちんじゅ)の杜(もり)の空気を感じながらお参りすると気持ちいいですよ。鎮守の杜とは、神社の参道や拝殿を取り囲むようにしてある森のことをいいます。
お経を読み上げる「お勤め」や、「坐禅会」は朝に開催されることが多いので、公式情報を確認しておくとよいでしょう。

旅先で、お店が開く前の時間に近くの神社寺院にお参りしてみるなど、時間をうまく使って旅を楽しんではいかがでしょうか。
昔からその地に鎮座している場合が多い神社や寺院。訪れてみると、より深くその土地の歴史や魅力を知ることができますよ。


御朱印・神社お寺の検索サイト「ホトカミ」とは?

神社お寺の検索サイト「ホトカミ」では、全国15万件以上の神社寺院の基本情報と2万件以上の御朱印の情報を掲載。ユーザーがお参りした思い出や感想を写真とともに投稿し、お参りの記録を整理することができるアプリ・WEBサービスです。
マップ上で現在地から近くの神社寺院を探したり、御朱印をいただける神社寺院を絞り込んだりする機能もあります。

※お参りの際には、必ず公式サイトの情報もご確認ください。

文/立崎理恵

6. まとめ

いかがでしたか。

旅先などで何気なく訪れることの多い神社やお寺。お参りは気持ちが大切、というのはもちろんですが、一つひとつの作法の意味を学んでおくと、当地での心の持ち方がより明らかになり、心置きなく参拝を楽しめそうですね。