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2023.11.22ジパング俱楽部三女神を祀る世界遺産の島を訪ねて。「宗像大社」の三宮をめぐる旅へ|モデルコース

福岡県宗像市

今までの感謝を伝えたり、御利益を願ったり。年末年始や節目の時には、今まで多くの人たちが祈りを捧げてきた神社を訪れてみるのはいかがでしょう。

ここでは数ある神社のうち、日本神話にゆかりのある、はるばる詣でたい神社を紹介します。

九州本土の辺津宮、大島の中津宮、沖ノ島の沖津宮の三宮で構成される宗像大社。九州本土から約60キロの沖合に浮かぶ沖ノ島では、古代から国家祭祀(さいし)が行なわれ、現代に至るまで神聖な場所とされてきました。

2017年に「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」として世界遺産に登録されて話題に。新鮮な海の幸を使った大島グルメも味わえる、宗像大社の三宮をめぐる旅に出かけてみましょう。


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「ジパング倶楽部」ならこれだけおトク!

新大阪駅~東郷駅の例)

新大阪駅→小倉駅=山陽新幹線「さくら」で約2時間19分
小倉駅→東郷駅=鹿児島本線で約51分


通常=1万5030円  3割引=1万510円 4520円おトク!
  • 金額は一例です。前後の行程等により金額が異なる場合があります。
  • 通常期の普通車指定席利用の場合です。
  • 入会して最初のご利用から3回目までは運賃・料金は2割引、4回目からは3割引となります。


  モデルコース概要  

「宗像大社」ってどんな神社?

宗像大社では、アマテラスオオミカミ(天照大神)の三女神を祀っています。

沖津宮(沖ノ島)  タゴリヒメノカミ(田心姫神)
中津宮(大島)  タギツヒメノカミ(湍津姫神)
辺津宮(本土)  イチキシマヒメノカミ(市杵島姫神)

【宗像三女神の誕生】

神話では、アマテラスオオミカミがスサノオノミコト(素盞鳴尊)の剣をかみ砕いて三女神を吹き出しました。


鹿児島本線東郷駅からスタート!


↓ 神湊(こうのみなと)波止場または光陽台六丁目行き西鉄バス約10分の宗像大社前下車、徒歩3分

海の道むなかた館

まずは世界遺産について学ぼう

世界遺産「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」のガイダンス施設。一般の立ち入りが禁じられている沖ノ島の古代祭祀遺跡を中心に、遺産群について学ぶことができます。


展示の写真。常設展示室では宗像の歴史や文化を紹介 常設展示室では宗像の歴史や文化を紹介


外観。宗像大社(辺津宮)に隣接しています 宗像大社(辺津宮)に隣接しています

なかでも、最新のCGと実写映像を駆使して沖ノ島を紹介する大型スクリーンは必見。VRゴーグルを装着して古代祭祀遺跡が残る巨岩群や島内の自然などの映像を視聴すると、実際に沖ノ島を訪れたかのような臨場感を味わえます。

このほか、世界遺産の構成資産である「新原・奴山古墳群」のジオラマや国宝である沖ノ島の奉献品のレプリカなども展示されています。


海の道むなかた館

問い合わせ先 0940-62-2600
時間 9~18時
定休日 月曜(祝日の場合は翌平日)、年末年始
交通アクセス 鹿児島本線東郷駅から神湊波止場または光陽台六丁目行き西鉄バス約10分の宗像大社前下車、徒歩約3分
値段 無料 ※特別展示などの場合は、有料となることがあります。
URL https://searoad.city.munakata.lg.jp/

↓ 徒歩約4分

宗像大社 辺津宮

宗像三女神を祀る、全国約6200社の総本宮

宗像大社では、アマテラスオオミカミの三女神を祀っています。


三宮で唯一九州本土にあり、多くの参拝者が訪れます 三宮で唯一九州本土にあり、多くの参拝者が訪れます


本殿 本殿

拝殿 拝殿

九州本土にある辺津宮に祀られているのは、イチキシマヒメノカミです。

創建年は不明ですが、12世紀には存在したとされる社殿は焼失などを繰り返し、現在の本殿は1578(天正6)年に第80代大宮司・宗像氏貞が再建。その12年後、毛利元就の三男・小早川隆景により拝殿が再建されました。

特徴的な五間社流造(ごけんしゃながれづくり)の本殿と、福岡藩主が奉納した扁額を掲げる拝殿は、ともに国の重要文化財に指定されています。

高宮祭場

古代から国家祭祀が行なわれていた神聖な場所


下高宮祭祀遺跡の一部である古代祭場 下高宮祭祀遺跡の一部である古代祭場

玄界灘を望む宗像山の中腹に位置し、辺津宮の祭神・イチキシマヒメノカミの降臨の地と伝わる神域。社殿が創建される前は、この地で沖ノ島と共通する祭祀が執り行なわれました。

社殿が構築される前の祭祀形態であり、神籬(ひもろぎ)や磐座(いわくら)など自然をはじめとする万物に神々が宿るという自然崇拝を今に伝える貴重な場所です。

現在も毎月1日・15日の月次祭(つきなみさい)や春秋の大祭など、社殿を用いない祭祀が定期的に行なわれています。


宗像大社 辺津宮・高宮祭場

問い合わせ先 0940-62-1311
時間 10~3月は6~17時、4~9月は6~18時
定休日 なし
交通アクセス 鹿児島本線東郷駅から神湊波止場または光陽台六丁目行き西鉄バス約10分の宗像大社前下車すぐ
URL https://munakata-taisha.or.jp/about_hetsu.html

宗像大社 神宝館

沖ノ島で発見された約8万点の国宝を収蔵・展示

宗像大社(辺津宮)の境内にあり、沖ノ島で発見された奉献品を中心に収蔵・展示する施設。約8万点におよぶ奉献品は、すべて国宝に指定されています。


国宝「金銅製香炉状品」 国宝「金銅製香炉状品」


国宝「金銅製龍頭 一対」 国宝「金銅製龍頭 一対」

奉献品のなかには朝鮮半島や中国大陸、さらにはペルシア(現・イラン)など海外からもたらされた品々も多く、海外との交流が島国である日本の文化形成に重要な役割を果たしたことがうかがえます。

奉献品のほかにも、中世の古文書や狛犬などの国指定重要文化財をはじめ、宗像大社の歴史を伝える神宝を数多く展示しています。


宗像大社 神宝館

問い合わせ先 0940-62-1311(宗像大社 辺津宮)
時間 9~16時
定休日 なし
値段 800円 ※満65歳以上(シルバー手帳等を提示)は、200円引となります。
URL https://munakata-taisha.or.jp/about_hetsu.html#page_content4

↓ 神湊波止場または光陽台六丁目行き西鉄バス約10分の神湊波止場下車、徒歩約2分

神湊港渡船ターミナル

旅客船で大島へ


旅客船しおかぜで片道約15分のミニ船旅を満喫。

大小の島が浮かぶ玄界灘を見渡しながら潮風を感じていると、あっという間に大島へ。大島港に近づくと、正面に宗像大社 中津宮の鳥居が見えてきます。

小型でスピードが速い旅客船しおかぜは、波が高い時はかなり揺れるので、船酔いしやすい人はご注意を。



↓ 「旅客船しおかぜ」約15分もしくは「フェリーおおしま」約25分

大島港

↓ 徒歩約4分

壽や(ことぶきや) 三郎

新鮮でボリューム満点の海鮮丼が名物

かつて福岡市博多区で寿司・割烹料理店を営んでいた店主がひとりで切り盛りする海鮮料理店。

魚の目利きと熟練の技術に定評があり、大島に通う釣り人や地元客も多く訪れます。


「特別海鮮丼」2500円(小鉢、味噌汁付き) 「特別海鮮丼」2500円(小鉢、味噌汁付き)


看板犬のトラ 看板犬のトラ

一番人気は、新鮮な海の幸が丼からはみ出すほどたっぷり盛られた「特別海鮮丼」。イサキやアコウ(キジハタ)、タイ、ヤズ(ブリの若魚)など、近海で水揚げされる旬の魚を堪能できます。一部の魚は“炙(あぶ)り”で提供され、生とは異なる旨みや食感を楽しめるのも魅力です。

ほかに「寿司定食」3000円、「刺身定食」2000円、「煮魚定食」1650円もあります。


壽や 三郎

問い合わせ先 080-3280-9593
時間 11時頃~17時30分頃(ネタがなくなり次第終了)
定休日 不定休
交通アクセス 鹿児島本線東郷駅から神湊波止場または光陽台六丁目行き西鉄バス約20分の神湊波止場下車後、「フェリーおおしま」に乗り換え約25分もしくは「旅客船しおかぜ」約15分の大島港で下船。大島港から徒歩約4分
URL https://www.muna-tabi.jp/k006/100/010/222/20220812141538.html

↓ 徒歩約5分

宗像大社 中津宮

境内に天の川が流れる七夕伝説発祥の地


鳥居の横には御嶽山(みたけさん)を源とする天の川が流れています 鳥居の横には御嶽山(みたけさん)を源とする天の川が流れています


60段の石段を上がると拝殿や本殿があります 60段の石段を上がると拝殿や本殿があります


高台にある境内から玄界灘を一望 高台にある境内から玄界灘を一望

大島にあり、宗像大社を構成する三宮のひとつ。 宗像三女神のタギツヒメノカミを祀っています。

大島の最高峰・御嶽山山頂にある御嶽山祭祀遺跡が中津宮の起源。7世紀後半から9世紀末頃にかけて国家祭祀が行なわれ、沖ノ島の祭祀遺跡と共通する奉献品が出土しています。

境内には天の川が流れ、末社である牽牛(けんぎゅう)社と織女(しょくじょ)社が天の川を挟んで鎮座。七夕伝説発祥の地といわれ、毎年8月7日に七夕祭が開催されます。

また、天の川に注ぐ湧き水・天ノ真名井(あまのまない)は、宗像三女神が誕生する際にアマテラスオオミカミが用いた水が湧く場所。延命招福の御利益があるといわれています。


宗像大社 中津宮

問い合わせ先 0940-72-2007
時間 参拝自由
交通アクセス 鹿児島本線東郷駅から神湊波止場または光陽台六丁目行き西鉄バス約20分の神湊波止場下車後、「フェリーおおしま」に乗り換え約25分もしくは「旅客船しおかぜ」約15分の大島港で下船。大島港から徒歩約5分

↓ 車5分

宗像大社 沖津宮遙拝所

立ち入り禁止の沖ノ島を拝むための場所

大島の北岸に位置し、神職以外の渡島が制限されている沖ノ島を拝むための場所。


沖ノ島の方角を向いて立つ社殿 沖ノ島の方角を向いて立つ社殿


大島北岸の高台に位置 大島北岸の高台に位置

境内には「寛延弐年」(1749年)と刻まれた石碑があり、18世紀中頃までにはこの地に遙拝所があったとされています。 沖ノ島に容易に近づけないため、江戸時代には通常はこの場所で沖ノ島にある沖津宮の神事が執り行なわれていました。

現在の社殿は1933(昭和8)年に建てられたもの。沖ノ島の方角を向いて立ち、沖ノ島を本殿と見立てた拝殿の役割を担っています。


宗像大社 沖津宮遙拝所

問い合わせ先 0940-72-2007(宗像大社 中津宮)
時間 参拝自由
交通アクセス 鹿児島本線東郷駅から神湊波止場または光陽台六丁目行き西鉄バス約20分の神湊波止場下車後、「フェリーおおしま」に乗り換え約25分もしくは「旅客船しおかぜ」約15分の大島港で下船。大島港から車約5分

↓ 車で約5分

大島港

↓ 「フェリーおおしま」約25分もしくは「旅客船しおかぜ」約15分

神湊港渡船ターミナル

↓ 神湊波止場からJR東郷駅行き西鉄バス約19分

東郷駅ゴール!


ひと足延ばして


新原・奴山(しんばる・ぬやま)古墳群

古墳群のある台地上から、当時海だった田園と玄界灘を一望。

海域を行き交う船からも古墳が見えるよう、海を意識して築造されたと考えられています。 世界遺産「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」を構成する資産のひとつで、沖ノ島での国家的な祭祀を担い、中国大陸や朝鮮半島と海を越えた交流を行った古代豪族・宗像氏の墳墓群で、5世紀から6世紀にかけて築かれた41基が現存しています。

宗像大社(辺津宮)から車で約8分


福津市カメリアステージ歴史資料館

「新原・奴山古墳群」について、展示パネルやCG映像、古墳の復元模型などで分かりやすく紹介する施設。

特別展示室では、銅鏡や短甲など、津屋崎古墳群を中心に福津市内の遺跡から出土した貴重な文化財を展示。宗像地域を治め、大小多くの古墳を築いた宗像氏の存在を物語っています。

鹿児島本線福間駅から西鉄バスで約10分の福津市文化会館前下車すぐ。
10〜20時、火曜・最終水曜(いずれも祝日の場合は翌平日)・年末年始休

紹介スポット一覧マップ

文/佐藤 史 写真/玉村恵理子