2025.07.01ジパング俱楽部駅から約2キロ。参道歩きが楽しい武蔵一宮 氷川神社へ|現地発!おすすめ旅ネタ情報
現地発・おすすめ旅ネタ情報
このコーナーでは、旅好きライター・観光ナビゲーターが、ご当地ならではのおすすめスポットや旅ネタ情報をお届けします。
今回紹介するのは、埼玉県さいたま市にある「武蔵一宮 氷川神社」についてです。
“日本一長い”参道を散策しながらお参りへ
埼玉県さいたま市
大宮駅から歩いて約18分という都会の真ん中に鎮座する、武蔵一宮(むさしいちのみや) 氷川神社。
楼門前の紅葉(もみじ)が真っ赤に色づく秋や、神社に隣接する大宮公園の桜が満開になる春の時期の参拝が人気ですが、氷川参道や境内に生い茂る緑が美しい夏もおすすめなんです。
そこで今回は、アクセス便利な大宮駅からではなく、参道入口の最寄り駅・さいたま新都心駅から、直線距離では日本一長いといわれる見どころいっぱいの参道と参拝ルートを紹介します。
拝殿。奥に本殿があり、スサノオノミコト、イナダヒメノミコト、オオナムチノミコトが祀(まつ)られています
2028年に鎮座2500年を迎える格式の高い神社
氷川神社について、どこまでご存知でしょうか?
初詣の参拝者数ランキングで全国ベスト10に入っているので首都圏の方にとってなじみの深い神社だと感じますが、まずはその歴史に少し触れておきたいと思います。
関東を中心に約280社あるという氷川神社の総本社で、社記によると創建は紀元前473(孝昭天皇3)年。古くはヤマトタケルノミコトが東夷鎮定を祈願し、約1200年前の聖武天皇の時代には武蔵国(現在の東京都、埼玉県、神奈川県川崎市・横浜市を含む地域)でもっとも社格の高い「武蔵一宮」とされていたと伝わります。
また大宮という地名は、古来より人々がこの神社を「大いなる宮居(みやい)」と崇(あが)めたことに由来しているそうです。
近代では1868(明治元)年、即位なさって間もない明治天皇が同社を「勅祭の社(やしろ)」にお定めになり、行幸。御みずから祭儀を執り行なわれました。今でも毎年8月1日の例祭の日には、天皇陛下のお使いの勅使が参向されています。
“日本一長い” 参道を散策しながらお参りへ
氷川参道の入口に立つ一の鳥居。左隣の標石は1722(享保7)年に奉納されたもの
さいたま新都心駅から駅前の中山道沿いに7分ほど歩くと、まず一の鳥居が現れます。氷川参道には3本の鳥居があり、ここから境内手前にある三の鳥居まで、平坦で真っすぐな道がおよそ2キロ続きます。
道標として1丁(約109メートル)ごとに「丁石」が置かれているので、これを目印に歩いていきましょう。
「丁石」は参道の東側に配されています
ときどき聞こえてくる鳥のさえずりも心地よいです
参道の両脇にはケヤキをはじめとした20余種の樹木が600本以上並び、思わず深呼吸したくなるような美しい景色が広がっています。
次の二の鳥居までは約1.5キロと長いので、疲れたら無理をせず早めに休憩を取りましょう。
参道沿いのコーヒー専門店やオープンカフェなどに立ち寄ったり、テイクアウトしたドリンクや軽食を参道のベンチに座ってゆっくり味わうのもよいかもしれません。
参道沿いには本格的なコーヒーが味わえる店やおしゃれなカフェが点在
参道の中ほどにはベンチが設置されています
進んでいくと、いよいよ二の鳥居が現れます。木製としては関東最大級の大きさを誇るという高さ約13メートルの鳥居の前では、足を止めて写真を撮影する観光客の方が多いです。
二の鳥居と三の鳥居の間には、江戸時代に奉納された石燈籠が残っているのでこちらにも注目を。
1976(昭和51)年に明治神宮より移築された二の鳥居
石燈籠は一対になっていますが奉納された年が異なり、写真のものは1817(文化14)年に奉納
三の鳥居の手前には明治天皇行幸の様子を描いた「氷川神社行幸絵巻」を模したパネルが展示されており、当時の様子をうかがい知ることができます。
ウォーキングやジョギングコースとして地元の方々にも親しまれています
「氷川神社行幸絵巻」のパネルには、明治天皇が詠まれた和歌12首も掲載
三の鳥居に到着すれば、ここから先は境内。
お参りをする前にもうひと休憩したいなら、三の鳥居前のトイレ付き休憩施設「氷川の社 ゆうすいてらす」や、三の鳥居をくぐった右側にあるカフェ「氷川茶庭(さてい)」を利用してみてはいかがでしょうか。どちらも神社の鎮座2500年に向けた記念事業で誕生した新スポットです。
無料で使える「氷川の社 ゆうすいてらす」。多目的トイレも設置されています
境内にあった額殿(がくでん)を改装してオープンした「氷川茶庭」。抹茶やカフェラテ、和菓子などがいただけます
「氷川らびもちドリンク(抹茶)」700円。中に小さなわらびもちが入っています
境内の必見スポットはパワーを感じるクスノキや神秘的な「蛇の池」
神橋の先に楼門が見えます。門の両脇にはスロープがあり、車いすもOK
三の鳥居の先に見える朱色の神橋(しんきょう)を渡って楼門をくぐったら、いざ拝殿へ。
境内のクスノキといえば「氷川茶庭」近くに佇(たたず)む御神木の「夫婦楠(めおとくす)」が有名ですが、拝殿前の舞殿(ぶでん)の周りにそびえ立つクスノキの大木も立派で、その生命力に圧倒されます。
舞殿を取り囲むように立つクスノキの巨木
目にとまるのはクスノキだけではありません。
色とりどりの「ふくろ絵馬」の納め所は、写真映えすると評判。願いごとを書いた絵馬を折りたたみ巾着袋に入れて奉納する、プライバシーに配慮された点も話題になっています。
運勢が14種類もあるおみくじもユニークなので運だめしにいかが?「平(たいら)」や「吉凶末分(きっきょうまつぶん)」など珍しい運勢を引き当てるかもしれませんよ。
カラフルな「ふくろ絵馬」。願いは“10人10色”にちなみ、全10色あります
氷川神社発祥の地といわれる「蛇の池」
参拝を終えたら、手水舎の裏手の奥まった所にある「蛇(じゃ)の池」へ向かいましょう。以前は一般人が足を踏み入れることができない禁足地でしたが、現在は道が整備されて近くまで行けるようになっています。
こちらの湧水が神社の鎮座に影響したとも伝わり、池の名前は御祭神のスサノオノミコトが八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した神話と深く結びついているのだとか。
静寂の中でこんこんと湧き出す涼やかな水の音に耳をすませば、心が洗われるような気分になります。
武蔵一宮 氷川神社
問い合わせ先 | 048-641-0137 |
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時間 | 5~18時(時期で変動) |
交通アクセス | 京浜東北線さいたま新都心駅から徒歩約7分(氷川参道入口) |
URL | https://musashiichinomiya-hikawa.or.jp |
この記事を書いた人
- ※記事中の情報は2025年7月時点のものです。
- ※写真はすべてイメージです。
- ※列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
- ※花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
- ※店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
- ※同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。