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2024.01.24ジパング俱楽部1300年の歴史をもつ日本三大和紙・美濃和紙の魅力に触れる岐阜の旅|モデルコース

岐阜県美濃(みの)市

経済産業省が指定する「伝統的工芸品」をはじめ、日本各地には今も手仕事でつくられている伝統工芸品があります。ここでは職人技を間近で見学したり体験したりできる、店や施設をめぐるモデルコースを紹介します。

岐阜県の代表的な伝統工芸品のひとつが「美濃和紙」。きめ細やかな風合いが美しくかつ丈夫で、「岐阜提灯」や「岐阜和傘」など県内のほかの伝統工芸品にも使用されています。今回は、「美濃和紙」の紙すき体験ができたり、「美濃和紙」を使用した製品を展示・販売したりする施設や店をめぐります。周辺には国の伝統的建造物群保存地区「うだつの上がる町並み」もあります。


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ジパング倶楽部割引きっぷ

「ジパング倶楽部」ならこれだけおトク!

東京駅~美濃太田駅の例)

東京駅→名古屋駅=新幹線「ひかり」で約1時間41分(ひかり637号の場合)
名古屋駅→美濃太田駅=特急「ひだ」で約42分(ひだ9号の場合)


通常=1万2720円  3割引=9150円 3570円おトク!
  • 金額は一例です。前後の行程等により金額が異なる場合があります。
  • 通常期の普通車指定席利用の場合です。
  • 入会して最初のご利用から3回目までは運賃・料金は2割引、4回目からは3割引となります。


美濃和紙とは?


限られた職人だけが手掛ける「本美濃紙」 限られた職人だけが手掛ける「本美濃紙」

岐阜県美濃市を中心におよそ1300年前からつくられてきた和紙のことで、機械すきも含めた和紙全般が「美濃和紙」に含まれます。

特徴は繊細でやわらかな風合いと、薄いのに強くて丈夫なこと。加工にも向いており、古くから和傘や提灯などの材料としても重宝されてきました。

手すき和紙のなかでも原料や製法の厳密な規定を満たしたものはとくに「本美濃紙(ほんみのし)」と称され、国指定重要無形文化財およびユネスコ無形文化遺産になっています。

高山本線美濃太田駅からスタート!


中山道(なかせんどう)太田宿の町並みへは駅から徒歩約10分 中山道(なかせんどう)太田宿の町並みへは駅から徒歩約10分

街道が交わる交通の要衝として古くから発展した町の玄関口で、高山本線、太多線、長良川鉄道が集まる岐阜県中南部のターミナルです。

ここで長良川鉄道に乗り換えて、のんびり列車に揺られて美濃市を目指します。


↓ 長良川鉄道約30分の美濃市駅下車後、美濃市乗り合わせタクシー「のり愛くん」(※)で約20分の美濃和紙の里会館下車すぐ

  • 美濃市乗り合わせタクシー「のり愛くん」は0575-33-1231(予約センター)に要予約。1週間前から予約可能で、受付時間は8時~17時30分(ただし8時~8時30分の利用の受付は前日まで)。一度に予約できる人数は4人まで。

美濃和紙の里会館

和紙の歴史と工法を学ぶ


和紙を使った製品を紹介するコーナー 和紙を使った製品を紹介するコーナー

かつての製造工程を模型で再現 かつての製造工程を模型で再現

最初に訪ねるのは、市街地の「うだつの上がる町並み」から9キロほど離れた山間の里にある「美濃和紙の里会館」。施設があるのは手すき和紙作りの中心地で、館の前を流れる板取(いたどり)川では、冬場に原料の楮(こうぞ)を水に浸(つ)けて漂白する「川晒し」の工程が行なわれていました。

ここでは、美濃和紙の歴史や製造工程が、豊富な資料や映像で紹介されています。伝統的な手すき和紙作りは、原料である楮の皮を川に晒したあと、大きな釜で煮て灰汁(あく)を除去し、叩いてほぐしてから薄くすき、さらにそれを板に張り付けて天日で乾燥させるという、大変手間のかかる工程です。工房で実際の作業を見学することはなかなかできないので、ここで流れを学んでおくといいでしょう。

伝統の和紙づくりに挑戦!


うまくできるか、緊張の一瞬 うまくできるか、緊張の一瞬


型を置いて模様をつければオリジナル作品に 型を置いて模様をつければオリジナル作品に

みごと完成!額に入れて部屋に飾るもよし みごと完成!額に入れて部屋に飾るもよし

ここでぜひやってみたいのが紙すき体験。楮100パーセントの原料と職人が使う本物の道具を使って、和紙作りでもっとも重要な「すき」の工程を体験することができます。

「漉舟(すきぶね)」にたっぷり入った紙料(原料を溶解した液)を、「簀桁(すけた)」という道具ですくいあげ、縦や横に揺らして繊維を重ね、紙の形に整えていく作業です。「十文字すき」と呼ばれる美濃和紙の特殊な技法で、縦に揺らすだけでなく横にも揺らさなければならず、上手にすくにはコツがいりますが、ていねいにレクチャーしてくれるので初めての人でも大丈夫。

所要時間は約30分。乾燥までしてくれるので、自分で作った和紙を旅の記念に持ち帰ることができます。

大人にもこどもにも人気の体験コースなので、家族で一緒にチャレンジしてみても楽しいでしょう。


美濃和紙の里会館

問い合わせ先 0575-34-8111
時間 9時~16時30分
定休日 火曜(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日(土・日曜の場合は開館)、年末年始
交通アクセス 高山本線美濃太田駅から長良川鉄道約30分の美濃市駅下車後、乗り合わせタクシーで約20分の美濃和紙の里会館下車すぐ。または美濃市駅から車で約15分
値段 500円(「美濃和紙あかりアート館」「旧今井家住宅」との共通券800円) 、紙すき体験500円~
URL https://www.city.mino.gifu.jp/minogami/

↓ 美濃市乗り合わせタクシー「のり愛くん」(※)で約13分のうだつの町並み通り下車

うだつの上がる町並み

和紙の集散地として栄えた情緒溢れる町

美濃市の中心部に戻ったら町並みをひと歩き。長良川(ながらがわ)のほとりの高台にあり、整然と目の字型に区切られたこの町は、古くは小倉山(おぐらやま)城の城下町として、また、川湊を通じて輸送される和紙の集散地として発展しました。


うだつを見比べて歩くのも楽しそう うだつを見比べて歩くのも楽しそう


「旧今井家住宅」に上がる立派なうだつ 「旧今井家住宅」に上がる立派なうだつ

2本の目抜き通り沿いには、風格ある古い町家建築が軒を連ねています。多くの建物の屋根には、両端を一段高くした「うだつ」が見られます。

これはもともと、火事の延焼を防ぐためのものですが、裕福な家しかつくることができなかったため、富の象徴でもありました。

かつて当地最大級の紙問屋だった「旧今井家住宅」、今も酒蔵を営む「小坂家住宅」など、中を見ることができる旧家も点在しています。


うだつの上がる町並み

問い合わせ先 0575-35-3660(美濃市観光協会)
交通アクセス 高山本線美濃太田駅から長良川鉄道約30分の美濃市駅下車、徒歩約15分
URL https://minokanko.com/seeing/category/history-culture/p5973/

↓ 「うだつの上がる町並み」の美濃市観光案内所から徒歩約4分

そば切り まる伍

明治の町家で味わう絶品手打ちそば

 時間はちょうどお昼時。昼食は、「うだつの上がる町並み」の中にあるそば店「まる伍(ご)」がおすすめです。


「桜えびの小かきあげ野菜天とせいろ」1830円 「桜えびの小かきあげ野菜天とせいろ」1830円


そば切り まる伍 外観 ここでもうだつが見られる

店の建物は、明治初期に建てられた重厚なつくりの「古川家住宅」で、屋根にはうだつが上がっています。

暖簾(のれん)をくぐると、店内は往時の雰囲気を残してリノベーションした心地よい和の空間で、窓際の席からは庭も眺められます。椅子席が用意されているのは、シニアに嬉しいポイント。

厳選した旬の素材を使い、毎朝石臼(うす)でひいたそば粉を手打ちしたそばは品のよい木箱に盛られており、風味がよくコシもある逸品。ほんのり甘辛いつゆとの相性も抜群です。


そば切り まる伍

問い合わせ先 0575-33-3905
時間 11時50分~売り切れ次第終了
定休日 火曜(祝日の場合は営業)、臨時休業あり
交通アクセス 高山本線美濃太田駅から長良川鉄道約30分の美濃市駅下車、徒歩約13分
URL https://minokanko.com/eat/category/%E5%92%8C%E9%A3%9F/p6844/

↓ 徒歩約3分

美濃和紙あかりアート館

和紙の魅力を倍増させる驚きの作品たち

「うだつの上がる町並み」では毎年秋に、美濃和紙を材料にしたあかりアート作品を屋外展示する一大イベント「美濃和紙あかりアート展」が開催され、多くの人で賑わいます。そこに出品された作品が常設展示されているのが、市街地の一角にあるこの施設です。


和紙でこんな表現ができるのかと驚嘆必至 和紙でこんな表現ができるのかと驚嘆必至


手頃な商品が並ぶミュージアムショップ 手頃な商品が並ぶミュージアムショップ

1941(昭和16)年頃に建てられた「旧美濃町産業会館」を活用した館内には、これまでの入賞作品が100以上も並んでいます。

どれも美濃和紙の風合いや質感を生かした細かな造形で、その美しさには目を見張るばかり。 1階ではあかりアート製品も販売されているので、家のインテリアに取り入れてみてはいかがでしょうか。


美濃和紙あかりアート館

問い合わせ先 0575-33-3772
時間 9時~15時45分(4~9月は~16時15分)
定休日 火曜 (祝日の場合は翌平日)、祝日の翌日、年末年始
交通アクセス 高山本線美濃太田駅から長良川鉄道約30分の美濃市駅下車、徒歩約15分
値段 200円(「美濃和紙の里会館」「旧今井家住宅」との共通券800円)
URL https://minokanko.com/seeing/category/townscape-architecture/p5976/

↓ 徒歩約4分

和紙の店 紙遊

思わず顔がほころぶ素敵な和紙雑貨


店内にはカフェスペースもあります 店内にはカフェスペースもあります


「そえぶみ箋」と「遊び箋」は、ともに各363円 「そえぶみ箋」と「遊び箋」は、ともに各363円

散策の最後はおみやげの和紙雑貨を探しに、「うだつの上がる町並み」にある「和紙の店 紙遊」へ。運営しているのは、1835(天保6)年創業という美濃きっての老舗(しにせ)紙製品メーカー「古川紙工」。かつて紙の倉庫だった建物を改装しており、レトロな店内に多彩な雑貨がずらりと並んでいます。 かわいいデザインのオリジナル製品が充実しており、なかでも人気は、封筒が付いた手のひらサイズのミニレター「そえぶみ箋」と、遊び心溢れる罫線が楽しい便箋「遊び箋」。うだつ、あかりアート展、長良川の鮎など、美濃市の名所や名物のイラストがあしらわれています。和紙の絵葉書を購入して、旅の便りを家族や友人にここから出すのもいいかもしれません。


和紙の店 紙遊

問い合わせ先 0575-31-2023
時間 10~17時
定休日 火・水曜(祝日は営業)、年末年始
交通アクセス 高山本線美濃太田駅から長良川鉄道約30分の美濃市駅下車、徒歩約13分
URL https://www.shiyu.co.jp/shiyu/

↓ 徒歩約13分の美濃市駅から長良川鉄道約30分

美濃太田駅ゴール!


HC85系「ナノミュージアム」

2022年から特急「ひだ」に投入されたハイブリッド車両HC85系のデッキには、沿線の伝統工芸品を鑑賞できるスペース「ナノミュージアム」が設置されています。

「美濃和紙」をはじめ、「岐阜団扇(うちわ)」や「飛騨一位一刀彫」など、さまざまな名品が車内で楽しめます。

※写真はHC85系車内に展示されている「美濃和紙」

紹介スポット一覧マップ

文/内藤昌康

  • 記事中の情報は2024年1月時点のものです。
  • 列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
  • 花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
  • 店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
  • 同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。
  • 新型コロナウイルス感染症等の影響により、掲載している内容が変更となる可能性があります。お出かけの際は事前にご確認ください。