2024.04.23ジパング俱楽部初めての熊野古道におすすめ!中辺路の日帰り人気ルートを歩く|モデルコース
和歌山県田辺市
2024年に世界遺産登録20周年を迎える「熊野古道」を中心に、古道歩きが注目されています。編集部では、日本各地にある古道のなかから、気軽に歩ける古道歩きのモデルコースを紹介します。
ウォーキングで心身ともにリフレッシュしましょう。
ここでは、熊野古道の5つの道のなかでももっとも多くの人が訪れており、初心者にもおすすめの中辺路(なかへち)を紹介します。
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熊野古道中辺路とは?
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」こと「熊野古道」は、各地から熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社の「熊野三山」へ至る巡礼の道を指し、身分や性別を問わず多くの人が行き交いました。
なかでも、平安時代から皇族や貴族に盛んに利用されたルートが、和歌山県西海岸の紀伊田辺から東の山岳部へと分け入る中辺路です。全体の踏破は容易でないものの、終盤の発心門(ほっしんもん)王子から熊野本宮大社を目指すコースなら緩やかな下りが中心で、山歩きの初心者でも無理がありません。
今回歩くコースの基本データ 発心門王子~熊野本宮大社
歩行距離 | 約7キロ |
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歩行時間 | 約3時間 |
問い合わせ | 0735-42-0735(熊野本宮観光協会) |
スタート地点までのアクセス | 紀勢本線紀伊田辺駅から発心門王子行き龍神バス約2時間20分の終点下車すぐ |
URL | https://www.hongu.jp/kumanokodo/ |
※要予約で熊野本宮語り部の会によるガイドあり
- ※歩行距離・歩行時間は目安です。拝観、休憩時間などは含みません。
最寄り駅は、紀勢本線紀伊田辺駅
大阪駅から特急「くろしお」で2時間20分あまり。田辺市中心部に位置する紀南エリアの交通の要衝で、駅前からは熊野古道中辺路方面をはじめ、各方面への路線バスや高速バスが出ています。
隣には「田辺市観光センター」も。
発心門王子からスタート!
熊野本宮大社の聖域へと入る玄関口
熊野権現(ごんげん)の御子神(みこがみ)を祀(まつ)った王子社(おうじしゃ)のなかでも、とくに格式の高い五体王子のひとつ。仏の道に帰依(きえ)しようという心が発する場所の意味を持ち、熊野の聖域の入口になっています。小さな社殿が復元されているほか、ここを訪れた感動を詠(よ)んだ藤原定家の歌碑(かひ)も近くに設置。バス停のそばにはトイレや自動販売機があります。
歯痛地蔵。少し手前の子安地蔵、少し先の腰痛(こしいた)地蔵とともに、医療が行き届かなかった時代に安産や病気の快癒を祈願しました。
水呑(みずのみ)王子
一緒に祀られている腰痛地蔵も要注目
平安時代末期に祀られたとされる古い王子社で、当初は「内水飲(うちみずのみ)」と呼ばれていました。小学校の分校跡地の片隅に、紀州藩主が江戸時代に寄進したと伝わる緑泥片岩(りょくでいへんがん)の石碑とともに、腰痛地蔵が祀られています。トイレと休憩所も設置。ここから熊野古道らしい雰囲気が感じられる地道(舗装されていない道)へと入っていきます。
丸太でつくられた「森のベッド」の少し先に現れるのが道休禅門地蔵。道中を行く参詣者たちを静かに見守ります。
伏拝(ふしおがみ)王子
高台から旧社地や熊野の風景を一望
長い道のりを歩いてきた参詣者が、かつて大斎原にあった熊野本宮大社を初めて拝んだ場所。感動のあまりひれ伏したことが名前の由来です。現在も高台からその旧社地を一望。周辺は音無茶(おとなしちゃ)の産地で、5月頃には茶摘(つ)みが見られます。トイレ、休憩所、自動販売機があり、春から秋にかけては茶屋が営業します。
関所の建物を再現した三軒茶屋跡。小辺路(こへち)との合流点にあたります。ここにもトイレと休憩所を設置。
古道から少し脇へそれて「ちょっとよりみち展望台」へ。日本最大といわれる大斎原の大鳥居などが一望できます。
熊野本宮大社
2000年以上の歴史を受け継ぐ聖地
全国4700社以上とされる熊野神社の総本宮が、紀元前33(崇神天皇65)年の創建と伝わる熊野本宮大社です。
以前は熊野川沿いの大斎原にありましたが、1889(明治22)年の大水害後、倒壊を免れた上四社(3棟)が現在の高台に遷座(せんざ)されました。主祭神が祀られた第三殿に続いて、第二殿、第一殿、第四殿の順に参拝後、徒歩約10分の大斎原にもお参りするのがおすすめです。
熊野本宮大社
問い合わせ先 | 0735-42-0009 |
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時間 | 7時~17時(社務所8時~) |
定休日 | なし |
交通アクセス | 紀勢本線紀伊田辺駅から新宮駅行き明光バス約1時間35分の本宮大社前下車、徒歩約3分。または本宮大社前行き龍神バス約2時間5分の終点下車、徒歩約3分。 |
値段 | 参拝無料 |
本宮大社前バス停ゴール!
お疲れ様でした!
紀伊田辺駅
熊野古道中辺路を歩いたら立ち寄りたい! 編集部おすすめスポット
めはり本舗 三軒茶屋 八咫烏長屋店
熊野地方の郷土料理「めはり寿し」のセットが人気
家庭的な雰囲気の小さな食事処。名物の「めはり寿し」は、塩漬けした高菜とポン酢ベースの自家製タレがごはんとやさしく調和します。そのほか「日替わり弁当」600円や、要予約で古道歩き用の「特製 古道弁当」800円も販売。
問い合わせ先 | 0735-42-1888 |
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時間 | 8時30分~16時 |
定休日 | 木曜(月末は水・木曜連休) |
交通アクセス | 紀勢本線紀伊田辺駅から新宮駅行き明光バス約1時間35分の本宮大社前下車、徒歩約3分。または本宮大社前行き龍神バス約2時間5分の終点下車、徒歩約3分。 |
湯の峰温泉 つぼ湯
世界文化遺産の温泉を貸し切って入浴できる
約1800年前に発見されたと伝わる湯の峰温泉のシンボル。聖地巡礼のために身を清める「湯垢離場(ゆごりば)」として利用され、熊野参詣道の一部として世界文化遺産に登録されています。入浴は湯の峰温泉公衆浴場で申し込み、30分の交代制。
問い合わせ先 | 0735-42-0074(湯の峰温泉公衆浴場) |
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時間 | 6時~20時30分(受付終了) |
定休日 | なし |
交通アクセス | 紀勢本線紀伊田辺駅から発心門王子または道の駅奥熊野行き龍神バス約1時間49分の湯の峰温泉下車、徒歩約3分 |
値段 | 800円 ※湯の峰温泉公衆浴場の「一般湯」または「くすり湯」にも1回入浴可 |
泉質 | 炭酸水素塩泉 |
紹介スポット一覧マップ
- ※実際に歩く際には登山地図等のご用意をおすすめします。
文・写真/笹木博幸
写真提供(熊野古道)/熊野本宮観光協会
- ※記事中の情報は2024年4月時点のものです。
- ※列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
- ※花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
- ※店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
- ※同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。
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