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 寝台列車特急「北斗星」は、上野と札幌を結ぶ人気の寝台列車です。“ブルートレイン”と呼ばれる昔ながらの青いボディーの客車を連ね、途中、世界一の海底トンネルをくぐって、1000kmを超える夜汽車の旅が楽しめます。食堂車での豪華ディナーもぜひ体験したいですね!

流れ星が描かれた電気機関車を先頭に長大な編成で走る寝台列車特急「北斗星」は貫禄満点! 編成の中央付近に連結された屋根の高さが違う車両が食堂車「グランシャリオ」だ

流れゆく町の灯を眺めながらフランス料理に舌鼓……。7号車の食堂車「グランシャリオ」でのディナーは寝台列車特急「北斗星」の旅のメインイベント

北の大地を駆ける寝台列車特急「北斗星」。函館~札幌間は2両のディーゼル機関車で客車を牽引して走る

寝台列車「北斗星」の特急料金の内訳は……?

  寝台特急に乗るには、乗車券+特急券+寝台券が必要だと、前回の「サンライズ出雲・瀬戸」の紹介でご説明しました。東京~札幌間を結ぶ人気のブルートレイン、「北斗星」の場合も同じです。駅できっぷを購入すれば、これらが合計されて発券されますので、金額の内訳をとくに意識することもないかと思いますが、今回は特急券についてちょっとした豆知識をお届けしましょう。

 JRの特急列車に乗るためには、乗車券のほかに特急券が必要です。特急券は乗車券と同じように乗車する区間の距離によって料金が変わります。種類は大きく分けて、指定席特急券と自由席特急券の2つ。さらに指定席特急券では乗車日(通常期・繁忙期・閑散期)によって値段が変わります(通常期→±200円)。また、地域によってA特急料金とB特急料金があって、首都圏や関西圏、九州などの地域ではA特急料金よりも若干お安いB特急料金が適用されています(指定席・自由席とも)。このほか、区間によってはさらにお得な料金が設定されていたり、その日のうちに新幹線などと乗り継ぐと特急料金が半額になる乗継割引など、多彩なパターンがあります。

 さて、「北斗星」の特急料金を見てみましょう。たとえば、上野~札幌間を10月1日に利用するとします。上野~札幌間のJR線の運賃計算キロは1023.3キロで、「北斗星」は盛岡~青森間で第三セクター鉄道のIGRいわて銀河鉄道と青い森鉄道(合計203.9キロ)を通ります。このため、この区間を通る「北斗星」と「カシオペア」では、専用の特急料金(JR線内)が設定されていて、601キロ以上は1710円となっています。これにIGRいわて銀河鉄道の490円と青い森鉄道の740円の特急料金が加算されて、合計は2940円となり、これが上野~札幌間の「北斗星」の特急料金になります。

 さらに詳細に見ると、乗車日の10月1日は通常期にあたりますが、寝台特急の場合は特例として繁忙期・閑散期とも通常期の料金が適用されて料金の増減はありません。また、特急料金は寝台車・グリーン車利用時では、通常期の指定席特急料金から510円を割り引く規則もあって、上野~札幌間の合計2940円は510円が引かれた後の金額となっています。

 このように特急料金の計算は、色々な規則や特例があってやけに複雑に見えますが、いまではトレたびの「経路・時刻表」検索のような経路・料金検索を利用すれば、こうした規則を全く知らなくても正しく計算してくれますので便利です。
 まあ、1枚のきっぷにもこうした仕組みがあるのだな、ということで……。詳しく知りたい人は『JR時刻表』のピンクのページをご覧ください。

豪華個室から2段ベッドまで、寝台の種類もお好み次第

 では、寝台列車特急「北斗星」の寝台を選んでみましょう。

 昔ながらの青い車体の寝台客車によって運転されるこの列車は、豪華な1人用個室寝台から、2段ベッドが並ぶ懐かしい開放型寝台までの多彩なルームプランがあります。予算や利用人数にあわせて、どの寝台を選ぶかも楽しみのひとつですね。

A寝台「ロイヤル」(寝台料金:1万7180円)

 1人用個室寝台の最高峰といえる、まさに寝台列車特急「北斗星」を代表する寝台です。室内には幅800mmの広いベッドとテーブル・ソファはもちろん、洗面台、トイレにシャワールームまで完備。アメニティキット、バスタオル、フェイスタオルも備えられています。ウエルカムドリンク、モーニングコーヒー、朝刊サービス、食堂車からのルームサービスもOKです。

A寝台「ツインデラックス」(寝台料金:1室2万6700円)

 幅も広く天井高も十分確保された2段ベッドに、ライティングデスクを備えた2人用の個室A寝台です。下段ベッドはテーブル付きのソファにもなります。ビデオ放送、BGM放送、クローゼットなどの設備のほか、フェイスタオル、浴衣、スリッパも完備しています。

B寝台「ソロ」(寝台料金:6300円)

 2段式のB寝台と同じ料金で個室の旅が楽しめる1人用個室B寝台です。1階と2階の部屋があり、室内には簡単なテーブルもあります。個室のドアはロックもできます(偶数番号が2階/5号車のみ奇数番号が2階)。

B寝台「デュエット」(寝台料金:1室1万2600円)

 ホテルのツインルームのように2つのベッドが横に並んだ2人用個室B寝台です。まさに仲良し同士の旅にはぴったりで、気兼ねなくおしゃべりに花を咲かすことができます。部屋は1階と2階があり、2階では天井側にカーブした窓からの星空もきれいです(偶数部屋番号が2階)。

B寝台(寝台料金:6300円)

 昔ながらの2段ベッドが備えられた開放型の寝台です。といっても寝台の幅は700mmが確保され、天井高も余裕があります。1号車のB寝台は「Bコンパート」で、4人分の寝台がガラスドアで区切られた簡易個室になっています。4人で確保すればグループ旅行にも最適です。

軽食やお酒が楽しめるパブタイム(写真上)と洋食と和食が選べるモーニングタイム(写真左下・右下)。こうしたメニューが列車内で味わえるのは、まさに至福のひととき!

6号車にはロビーとシャワールームも。シャワーは310円のシャワーカードを購入すれば時間制で利用できる

世界一の海底トンネルを抜けて豪華なディナーを楽しもう!

 寝台列車特急「北斗星」は、下り列車が上野19時03分発→札幌11時15分着、上りが札幌17時12分発→上野9時38分着です。単純に東京~札幌間の移動として考えれば、飛行機を使った方が便利なのは明白ですが、「北斗星」に乗るのにそれをいうのは野暮というものです。「北斗星」には夜汽車の旅を素敵に演出してくれる魅力がいっぱいです。

 まずは運行経路。下り列車でいえば、上野を出ると東北本線を一路北上し、住宅が密集する東京の下町から、だんだんと町の灯りもまばらになっていきます。乗っていても気づくことではありませんが、黒磯駅を通過すると電化方式が直流から交流に変わってこれは函館まで続きます。23時30分発の仙台を過ぎれば、次の停車駅は北海道の函館。翌朝の5時過ぎには世界一長い海底トンネルである青函トンネルへと突入しますので、ちょっと眠いですが6号車のロビーでその瞬間を眺めてみるのもいいかもしれません。

 函館を出れば、列車の先頭に立っていた電気機関車は、2両連ねたディーゼル機関車へとかわって終点の札幌を目指します。明るくなった広大な大地の緑は、明らかに本州のそれとは色合いが違い、北海道へ来たことを実感できるでしょう。

 車内に目を向ければ、多彩な寝台プランはもちろん、6号車にはシャワールーム(シャワーカード:310円)がありますし、飲み物の自動販売機も完備です。

 そして、「北斗星」の一番の魅力といえば、7号車の食堂車「グランシャリオ」です。ここでは、ディナータイムにフランス料理コース(7800円)と懐石御膳(北斗星風)(5500円)を味わうことができます。どちらも予約制ですが、駅できっぷを購入するときに一緒に予約できます。グランシャリオでのディナーは人気ですので、ご予約はお早めに!

 また、予約をしていなくても、ディナータイムの終了時(21時頃~)からはパブタイムとして営業され、軽食やお酒を楽しむこともOK。翌朝(6時30分~)はモーニングタイムとして和・洋朝食(1600円)も予約なしで楽しめます。

 独特の煙突がある家並みが続いてくると、終点の札幌ももうすぐ。さあ、さわやかな北海道の旅の始まりです。

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文=坂本達也 写真協力=結解学
※掲載されているデータは平成23年9月現在のものです。

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