パワーアップした月曜日ルートを詳しく解説!
西九州新幹線開業に、新D&S列車「ふたつ星4047」デビューと盛り上がりを見せる西九州。実は2020年10月に誕生した、九州をぐるりと走っているあの大人気D&S列車にも大きな変化がありました!
九州をぐるりと巡る観光列車「36ぷらす3」
そのD&S列車とは「九州のすべてが、ぎゅーっと詰まった”走る九州“といえる列車」がコンセプトの「36ぷらす3」。真っ黒なボディに金色のエンブレムがきらりと輝く観光列車です。
曜日ごとに運行ルートが変化し、木曜日から月曜日まで5日間かけて九州全県をぐるりと周ります。6両編成の車内はリクライニングタイプのグリーン席のほか、1名〜6名定員のバラエティ豊かなグリーン個室、こだわりのドリンクや温かい軽食が楽しめるビュッフェ、そして乗客なら誰もが自由に使え、車内での体験イベントなども実施される「マルチカー」と、この列車だからこそ楽しめる、列車旅の魅力とロマンたくさん詰まった観光列車です。
なお、きっぷ類は5日間ひとくくりではなく、曜日ごとに発売されます。
そんな「36ぷらす3」ですが、これまで月曜日には「金の路」として博多〜長崎間を走行していました。これが2022年10月より一部ルートを一新!これまで走行していた長崎本線だけでなく、新たに佐世保線を走行し、走行区間も博多〜佐世保にチェンジ。
また、これまで長崎発博多行で運行されていたディナープランについては佐世保発博多行となり、5号車、6号車のグリーン車のみ販売する食事なしのプランにリニューアル。車内の飲食はビュッフェのメニューで楽しむシンプルなプランとなり、また新たなスタイルとして「36ぷらす3」のルートに仲間入りしました。
リニューアルされた月曜日ルートとは?
今回は博多〜佐世保を走る、新しくなった月曜日ルート「金の路」の魅力をご紹介します!
唯一の夜間走行と、シンプルな申込プラン
九州各県を5日間にわたって走る36ぷらす3のルートのうち、月曜日に運行される「金の路」。
この月曜日ルートは他ルートとちょっと異なっていて、博多駅を11時22分に出発する昼間の佐世保行き(往路便)とその折り返しとなる、17時31分に佐世保駅を出発し、博多駅を目指す夜の便(復路便)の2便が運行されるちょっと変わったコースになっています。なお、夜間を走行するのはこの月曜日ルートだけ!
往路便は座席のみが用意されている「グリーン席プラン」のほか、個室と座席で異なるランチメニューが用意されたランチプランが設定されています。一方で、復路便は5、6号車の「グリーン席プラン」のみが発売されるシンプルなプランが大きな特徴。食事プランはありませんが、復路便でも3号車のビュッフェは通常通り営業しているので、「36ぷらす3」ならではの魅力を楽しむことができます。
そんな2つの月曜日ルートのうち、今回は佐世保行きの往路便に乗車してきました!
個室と座席、それぞれ魅力的なランチをぜひ
博多駅に停車しているときから圧倒的な存在感を放つ「36ぷらす3」。たくさんの人にお見送りしていただきながら博多駅を出発すると、しばらくして、さっそくお楽しみのランチタイム!往路便では座席・個室それぞれにこの列車でしか味わえない食事が楽しめる「ランチプラン」が設定されています。
個室のランチは「日本料理ながおか」提供の「“博多から西九州へ ご馳走御膳”」、座席のランチは「Nishimura Takahito La cuisine créativité」提供の「西九州を旅するフュージョンランチ」が用意されており、個室プランでは食事に加えて1ドリンクと汁物がついてきます。
この日の個室ランチメニュー「“博多から西九州へ ご馳走御膳”」では、沿線の食材に加え、レモンステーキなど佐世保の名物料理まで入った思わず笑顔になってしまうような内容!3号車ビュッフェで購入できるこだわりのドリンクと合わせつつ、ゆっくりと楽しみたい品々がつまっています!
なおランチプランの場合、博多駅もしくは佐賀駅から乗車する必要があります。
リニューアル後の新たなルートを堪能しよう
- ※個室を1名利用(3号車のみ可)する場合は追加料金がかかります。
食事を楽しみつつ、長崎本線を経由して、まずは肥前浜駅へ。
ここでは地域の方の熱いおもてなしが乗客を待っています。こちらでは以前の月曜日ルートでも大好評だった、肥前浜の街並み散策や名酒が多い肥前浜らしい日本酒の利き酒体験、全国的にも珍しい駅舎内にある日本酒BAR「HAMA BAR」への立ち寄りなどが楽しめます。
さて、以前の月曜日ルートではここから長崎本線をさらに南下しましたが、新ルートでは来た線路を一旦引き返し、再び江北駅へ。この駅も2022年9月23日に大きな節目を迎えた駅で、駅名がこれまでの「肥前山口」から「江北」という名前に生まれ変わりました。江北駅からまたもや進行方向を変えて今度は佐世保線へ。ここから先が今回新規に設定されたルートになります。
ほどなくして西九州新幹線との接続駅である武雄温泉駅に到着です。ここで「36ぷらす3」を途中下車し、14時56分発のかもめ33号に乗りつげば、長崎へは15時24分に着くことができます。うーんさすがは新幹線!やっぱり早くて、速い!
また、武雄温泉は九州を代表する美肌の湯!駅から徒歩20分程度で武雄温泉のシンボルである、国指定重要文化財「楼門」や明治9年に建築された「武雄温泉元湯」に行くことも可能です。
3時間程度武雄の街を散策すれば、今度は博多行きの「36ぷらす3」が武雄温泉駅に戻ってきます。こちらで博多に戻ったり、西九州新幹線「かもめ」でお隣の嬉野温泉に湯めぐりしてみたりと、新ルートによってより深く佐賀、長崎の旅を楽しむことができるようになりました。
車内で楽しめる、オリジナルのワークショップ
武雄温泉を出発すると、4号車マルチカーでは車内体験メニューがスタートします。
各ルートごとにその日走行する沿線の文化を体験できるこちらのイベント、月曜日ルートでは西九州のやきもの文化に着目した陶片を使用するコースターづくりが楽しめます。ちょうど次の停車駅は上有田と、この付近の車窓には窯元の煙突がちらほら。やきものの街である、有田らしい光景が広がります。
参加には乗車後に3号車ビュッフェにて申し込みをしましょう。
D&S列車といえば! 温かい“おもてなし”
続いて停まる上有田駅では約15分程度の停車時間。こちらでも地域の方々の温かな歓迎が行われています。こうした地域の皆さんとつながることができるのが、JR九州のD&S列車が多くの人に愛され続ける理由のひとつなのかもしれませんね。
出かけよう。西九州の旅へ
さらにその先へ、乗り換えで楽しさ無限大
上有田駅を出発するとほどなくして列車は終着の佐世保駅へ到着します。
ここから長崎方面を目指すなら大村線に乗り換えて、大村線へ。長崎へ先を急ぐのであれば一つ手前の停車駅である早岐駅で大村線へ乗り換えるのもお勧めです。この乗り継ぎはシーズンによっては大村湾に沈みゆく夕日を見ながら、長崎へ向かうことができる絶景コース。そして長崎は夜景の街。「36ぷらす3」の旅に大村湾の夕景、そして長崎の夜景と西九州の見どころを一度に楽しめちゃうのがこの月曜日ルートのもう一つの魅力です!
どこで予約できるの?
西九州方面に向かう「36ぷらす3」金の路は毎週月曜日に運行されます。博多~佐世保間をそれぞれ往路便、復路便として運行し、往路便では座席のみ利用の「グリーン席プラン」のほか、食事が付く「ランチプラン」が設定されています。復路便は「グリーン席プラン」のみの販売です。
予約はJR九州「36ぷらす3」サイトで可能で、「ランチプラン」の予約は出発日の5日前まで。グリーン席プランは、通常のグリーン席と同様の扱いのため、全国のみどりの窓口やJR九州のインターネット列車予約などでも予約可能。空席がある限り、乗車駅の出発時間まで購入可能です。
なお、JR九州のインターネット列車予約はオンラインで決済済みでも、駅の指定席券売機、みどりの窓口で発券する必要があるので、券売機の有無や窓口の営業時間を確認し、時間にゆとりをもって駅に到着するようにすると万全です!
西九州新幹線「かもめ」に「ふたつ星 4047」、そして「36ぷらす3」の新しい月曜日ルート。今度の旅の行先は、元気で美味しく、あったかい西九州へぜひどうぞ!
「36ぷらす3」についてもっとくわしく
著者紹介
- ※取材・撮影・文=村上悠太
- ※掲載されているデータは2022年10月現在のものです。