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2020.10.09鉄道黒い787「36ぷらす3」―フシギな名前の由来は、「感謝」の輪! 列車とは思えない超豪華な個室を覗いてみましょう(THE列車)

九州のすべてがぎゅーっと詰まった観光特急

JR九州の新たなD&S列車として誕生した黒い787「36ぷらす3」。黒い車体の787系6両編成で、1992年デビューの787系電車の面影を残しつつ、全車両がゆったりと列車旅を楽しめるグリーン席(4号車はマルチカーの共有スペース)となっています。世界で36番目に大きな島、九州全県を巡る5つのルートに、九州を楽しむ35のエピソードを詰め込み、コンセプトである「九州のすべてが、ぎゅーっと詰まった“走る九州”といえる列車」を体現しています。「36ぷらす3」という列車名は「全ルートを楽しんでお客さまご自身で“36番目のエピソード”を語っていただきたい」という想いを込めて名付けられました。さらに、この列車で驚き・感動・幸せを届け、「乗客、地域の方々、JR九州」でひとつになって「36+3=39(サンキュー!)」=「感謝」の輪を広げるという意味も込められています。

九州を旅すると、自然や食、文化の中に、生命力あふれる多彩な「色」が見つかることから、5つのルートで「色」を決め、木曜日は「赤の路」、金曜日は「黒の路」、土曜日は「緑の路」、日曜日は「青の路」、月曜日は「金の路」のエピソードを乗せて大きな輪を描くように九州を一周します。各ルートでは地域の食材を手間ひまかけて丁寧に調理した食事付きの旅行プランを利用することができます。

鉄道コンシェルジュ ミスターKのとっておき情報

グリーン個室(1~3号車)


1号車グリーン個室


3号車グリーン個室

6両編成の列車の1~3号車には、クラシックな雰囲気で落ち着いた色調を取り入れたグリーン個室が設置されています。1号車は既存のグリーン個室1室のほか、パーテーションの高さを抑え、明るく開放的な空間を目指した定員4席の個室3室を新設しました。2号車は4~6名で利用できる個室3室と車いす対応の定員2席の個室1室、3号車には1~2名用(1名利用時は追加料金が必要)の個室6室が用意されています。

グリーン車(5・6号車)


5号車グリーン席


6号車グリーン席

6両編成の列車の5・6号車には、食事付きの「ランチプラン・ディナープラン」のほか、「グリーン席プラン(きっぷ):普通運賃+B特急料金+36ぷらす3グリーン料金」でも乗車できるグリーン席が設置されています。座席配置はゆったりとした2+1席で、大型のリクライニングシートが装備されています。なお、5号車は10列の30席、6号車には9列の27席が用意されています。

ビュッフェ(3号車)


3号車カウンター

6両編成の列車の3号車の半室には、ビュッフェが設置されています。モダンで近代的なイメージのビュッフェ中央に存在感抜群のカウンターが配置され、九州の魅力的な飲み物や食べ物を販売します。鋼板を多用したモダンな空間として17年ぶりに復活しました。

マルチカー(4号車)


4号車フリースペース

6両編成の列車の4号車には、くつろぎの時間を提供するフリースペースのマルチカーが連結されています。カウンターでタイムリーな商品や特別な飲料の販売など、ライブ感あるサービスの提供を予定。各ルートの車内で各種イベントが開催されるほか、「梅酒づくり」や「九州産茶葉のオリジナルブレンド茶づくり」などの体験メニュー(有料)が実施されています。

郷土の味覚を楽しむプラン


お食事イメージ(座席)

お食事イメージ(個室)

この列車の乗車には「JR券(片道)」+「食事」をセットにした「ランチプラン」と「ディナープラン(月曜日の長崎発のみ)」があり、“走る九州”を食事で表現した和食・洋食を味わうことができます。個室と座席では、基本的に食事の提供店や食事の内容が異なり、5コースで計13種類の食事が用意されています。いずれも各店が心を込めて作った逸品で、四季折々の味覚を満喫することができます。

定員より少ない人数でも利用できる


2号車グリーン個室

個室で「ランチプラン」を楽しみたいのだが、個室の定員よりも少ない人数の場合は座席利用しかできないのだろうか。という心配がありますが、1号車個室は3~4名、2号車個室は4~6名、3号車個室は1~2名の定員よりも少ない人数での利用が可能です。3人グループや5人グループでも個室を利用した旅が楽しめます。(3号車に限り、1名で利用可能です。1名利用の場合はコースにより10,000円~19,000円の追加料金が必要)


列車情報

運転日 2020年10月16日からの毎週木曜日~月曜日に運転(車両検査などで運転しない週がある)
運転区間 鹿児島本線・肥薩おれんじ鉄道・日豊本線・日南線・宮崎空港線・長崎本線・佐世保線 博多駅→熊本駅→鹿児島中央駅(木曜日)、鹿児島中央駅→宮崎駅(金曜日)、宮崎空港駅・宮崎駅→大分駅・別府駅(土曜日)、大分駅・別府駅→小倉駅・博多駅(日曜日)、博多駅→佐世保駅/佐世保駅→博多駅間(月曜日)
運転時刻 【木曜日】博多駅10:00発→鹿児島中央駅16:26着
【金曜日】鹿児島中央駅12:17発→宮崎駅15:46着
【土曜日】宮崎空港駅11:37発→別府駅17:05着
【日曜日】大分駅10:48発→博多駅16:42着
【月曜日】博多駅11:22発→佐世保駅16:13着/佐世保駅17:31発→博多駅20:06着
※2022年10月3日以降の新・月曜日(午後便)ルートは肥前浜駅を経由せず「佐世保→博多駅間」を運行します
※2022年9月23日時点での運行ダイヤとなります。

黒い787「36ぷらす3」公式サイト


著者紹介

ミスターK(結解喜幸)

1953年、東京都出身。出版社勤務を経て旅行写真作家に。鉄道や時刻表のたのしさを知り尽くした鉄道の達人。現在は地酒とつまみを追い求める「飲み鉄」にはまっている。

  • 写真/JR九州
  • 掲載されているデータは2020年10月現在のものです。
  • 運転日・運転区間等は変更となる場合があります。

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