旭川駅と網走駅を結ぶ石北本線の特別快速列車
大雪山系の山並みや森林に囲まれた山深い風景を車窓に映し、旭川駅と網走駅を結ぶのが、JR北海道の特別快速「大雪」です。
札幌発着の特急「オホーツク」2往復、旭川発着の快速「きたみ」と合わせ、1日5往復が同区間を結んでいます。列車はH100形2両編成です。
また、旭川駅では札幌~旭川間の特急「ライラック」と接続しており、同一ホームで乗り換えることができます。
特別快速「大雪」の基本情報
札幌駅からの特急「ライラック」の到着を待って旭川駅を発車した列車は、新旭川駅までは宗谷本線の線路を走行。
新旭川駅から石北本線に入ると、上川盆地に広がる水田地帯を走り、右手車窓には大雪山系の山並みが映し出されます。そして、石狩川を何度か渡ると層雲峡方面への玄関口である上川駅に到着です。
上川駅を発車した列車は、やがて森閑とした山間の風景を眺めながら勾配を上り、上川・北見の国境で、石北本線で一番標高の高い海抜634mの上越信号場を通過。
今度は下り勾配となって石北本線で最も長い4329mの石北トンネルを通過し、林業の町として栄えた丸瀬布(まるせっぷ)駅などを過ぎると、列車は遠軽(えんがる)駅に到着します。
遠軽駅では列車の進行方向が変わるため、座席の向きを変えて出発。その後、列車は生田原駅、留辺蘂(るべしべ)駅に停車し、北見盆地の田園地帯を走り抜けて北見駅に到着。
美幌駅、女満別(めまんべつ)駅に停車し、網走湖が車窓に現われると、列車は間もなく終着の網走駅に到着です。
H100形で運転される「大雪」、気になる車内は?
H100形車両
2025年3月のダイヤ改正以降、「大雪」はH100形2両で運転しています。H100形は、2018年にローカル線向けの車両としてデビュー。エンジンで発電した電力によりモーターで走行する電気式気動車で、老朽化が進むキハ40形に置き換わる車両です。
愛称は「Diesel Electric Car with Motors」から頭文字をとって「DECMO(デクモ)」と名付けられています。
先頭形状はシャープな印象で、イエローがポイント。側面のグリーンとホワイトのラインは、北海道らしい、自然との調和を表現しています。
全席自由席で、バリアフリー対応設備もあり
ボックスシート
ロングシート
特別快速「大雪」はすべて自由席で特急料金は不要です。旭川駅~網走駅間の所有時間は約4時間となります。
座席はボックスシートとロングシートの2種類。「大雪」で使用するH100形については、2025年度以降、長距離移動の快適性向上のため、座席数の増加と座り心地の改善を行っていくことが発表されています。
車内トイレの様子
このほか、車いすスペースや車いす対応の洋式トイレ、おむつ交換台も備えられており、長距離移動でも安心できる設備となっています。
「大雪」に乗って見に行きたい『能取湖サンゴ草群落地』
(一社)網走市観光協会
終点の網走駅からバスで約20分のところにある能取湖は日本一のサンゴ草群落地として有名です。
秋になると能取湖の一部が紅色のサンゴ草でおおわれ、紅葉とは異なる趣を見せてくれます。能取湖サンゴ草群落地では木製の遊歩道が設置され、一面にひろがるサンゴ草の中ほどまで歩くことが可能です。
例年、最も赤く色づく9月中旬に『能取湖さんご草まつり』が開催されます。
列車情報
運転日 | 毎日運転 ※JR北海道ホームページをご確認ください |
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運転区間 | 宗谷本線・石北本線 旭川駅~網走駅間 |
運転時刻 |
旭川駅12:38発→網走駅16:32着 旭川駅19:05発→網走駅22:54着 網走駅8:04発→旭川駅11:51着 網走駅17:49発→旭川駅21:44着 |
- ※トレたび編集室/編
- ※写真/(株)交通新聞クリエイト、(一社)網走市観光協会
- ※掲載されているデータは2025年5月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。