トレたび JRグループ協力

2023.10.06鉄道特急「大雪(たいせつ)」 -大雪山系の山並みを車窓に映し、旭川と網走を結ぶ。旅のフィナーレは網走湖の美しい風景-(THE列車)

旭川駅と網走駅を結ぶ石北本線の特急列車

大雪山系の山並みや森林に囲まれた山深い風景を車窓に映し、道央から道東へと快走するのが旭川駅と網走駅を結ぶ特急「大雪」です。

札幌発着の特急「オホーツク」2往復と合わせ、1日4往復が同区間を結んでいます。列車はキハ283系3両編成で、多客期には増結して4・5両編成で運転されています。

また、旭川駅では札幌~旭川間の特急「ライラック」と接続しており、通しの特急券で利用することができます。

特急「大雪」の基本情報

札幌駅からの特急「ライラック」の到着を待って旭川駅を発車した列車は、次の新旭川駅まで宗谷本線の線路を走行。
新旭川駅から石北本線に入ると、上川盆地に広がる水田地帯を走り、右手車窓には大雪山系の山並みが映し出されます。そして、石狩川を何度か渡ると層雲峡方面への玄関口である上川駅に到着です。


上川駅を発車した列車は、やがて森閑とした山間の風景を眺めながら勾配を上り、上川・北見の国境で、石北本線で一番標高の高い海抜634mの上越信号場を通過。
今度は下り勾配となって石北本線で最も長い4329mの石北トンネルを通過し、林業の町として栄えた丸瀬布(まるせっぷ)駅などを過ぎると、列車は遠軽(えんがる)駅に到着します。

遠軽駅では列車の進行方向が変わるため、座席の向きを変えて出発。その後、列車は生田原駅、留辺蘂(るべしべ)駅に停車し、北見盆地の田園地帯を走り抜けて北見駅に到着。

美幌駅、女満別(めまんべつ)駅に停車し、網走湖が車窓に現われると、列車は間もなく終着の網走駅に到着です。

鉄道コンシェルジュ ミスターKのとっておき情報

キハ283系車両


石勝線・根室本線の高速化用として開発された特急形気動車で、現在はリニューアルして石北本線の特急列車として活躍しています。

車体は先頭部を除き軽量ステンレス製で、側面のドアは気密性の高いプラグドアとなっています。
愛称表示器と行先表示器は3色LEDが採用され、高運転台のスマートなデザインと合わせ、外観のカッコ良さが特徴です。また、徹底した低重心化が行われ、乗り心地が向上しています。

普通車指定席・自由席


3両編成の列車の1・2号車が普通車指定席、3号車は普通車自由席です。普通車指定席は座席幅を拡大し、上下可動式枕を備えたリクライニングシートのアップグレード座席を設置。

また、2号車の1A席は車いす対応座席です。多客時には中間に増結して4・5両編成で運転されますが、どちらも4号車が自由席となります。

車内サービス設備


車内トイレの様子

1・3号車におむつ交換台付き洋式トイレ、男子トイレ、洗面所、2号車に車いす対応の大型トイレ、男子トイレ、多目的室が設置されています。
多目的室は、気分が優れない場合や赤ちゃんに授乳する場合などに、車掌に申し出て利用することが可能です。

このほか、1号車の客室内に荷物置場が設置されています。

先頭部のラッピング


「大雪」先頭部のラッピング写真

先頭車両の先頭部側面には、停車駅が所在する7自治体のそれぞれの名所などをイメージしたデザイン(旭川市:旭橋、上川町:大雪山国立公園、遠軽町:瞰望岩(がんぼういわ)、北見市:カーリング、美幌町:美幌峠、大空町:芝桜、網走市:能取岬)をラッピングしています。

さらに、7つのデザインをまとめた特別デザインがあります。どのデザインのラッピング車両が来るのかは当日のお楽しみです。

「ラベンダー」編成と「はまなす」編成


ラベンダー編成(左)とはまなす編成(右)

北海道の多目的特急車両として「ラベンダー」編成と「はまなす」編成の2編成があり、期間・曜日を限定して特急「大雪」にも使用されます。

列車は5両編成(増1号車のフリースペース+1~3号車の普通車指定席+4号車の普通車自由席)で、全車両Wi-Fi完備・全座席コンセント利用可能というビジネス・観光に最適な車両です。
フリースペースの増1号車には大型テーブル付きの4人ボックス席と窓側向きテーブル付きの1・2人席があり、移動時間をゆったりと楽しく過ごせます。

  • 「大雪」に使用される日は「JR時刻表」などに掲載されます。

「指定席券売機」「みどりの窓口」で買えるおトクなきっぷ

自由席往復割引きっぷ(Sきっぷ)/指定席往復割引きっぷ(Rきっぷ)

旭川~北見間および旭川~網走間を特急列車の自由席で往復する場合、自由席特急券+普通乗車券を往復購入するよりもおトクな「自由席往復割引きっぷ(Sきっぷ)」があります。
旭川~北見間はおとな11,670円・こども5,830円、旭川~網走間はおとな14,070円・こども7,030円で、有効期間は6日間です。

このほか、札幌(市内)~遠軽・北見・網走間を特急列車の指定席で往復するのにおトクな「指定席往復割引きっぷ(Rきっぷ)」もあります。



「えきねっと」限定のおトクなきっぷ

えきねっとトクだ値(乗車券つき)の設定もございます。

特急大雪号
旭川~遠軽2,340円(えきねっとトクだ値55)
旭川~北見3,240円(えきねっとトクだ値55)
旭川~網走4,270円(えきねっとトクだ値50)

特急オホーツク号
札幌(市内)~網走7,360円(えきねっとトクだ値30)
札幌(市内)~遠軽5,550円(えきねっとトクだ値35)
札幌(市内)~北見6,270円(えきねっとトクだ値35)

  • 大人1名、乗車券+指定席特急券の片道価格です(こども価格の設定もあります)。
  • 列車・席数・区間限定、インターネット予約限定となります。
  • 2023年9月現在の情報です。

  • 「えきねっと」JRきっぷ申込サービスは、JR東日本が提供する全国の新幹線・JRの特急列車等がインターネットで予約できる便利でおトクなサービスです(会員登録無料)。

列車情報

運転日 毎日運転 ※ご利用の少ない日に運転を取り止めております。JR北海道ホームページをご確認ください
運転区間 宗谷本線・石北本線 旭川駅~網走駅間
運転時刻 【1号】旭川駅12:41発→網走駅16:34着
【3号】旭川駅17:07発→網走駅20:44着

【2号】網走駅8:05発→旭川駅11:43着
【4号】網走駅12:37発→旭川駅16:16着

「大雪」HPはこちら


著者紹介

ミスターK(結解喜幸)

1953年、東京都出身。出版社勤務を経て旅行写真作家に。鉄道や時刻表のたのしさを知り尽くした鉄道の達人。現在は地酒とつまみを追い求める「飲み鉄」にはまっている。

  • 文/ミスターK(結解喜幸)
  • 写真/(株)交通新聞クリエイト
  • 掲載されているデータは2023年10月1日現在のものです。
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