安全性と快適性の向上や環境負荷の軽減を実現した新型車両HC85系の特急「ひだ」。車両や車内設備、予約方法について知りたいという方は多いでしょう。
特急ひだは4両編成か2両編成の列車で、内装・設備が異なるグリーン車か普通車のどちらかの席を選択できます。バリアフリーの座席や設備、ナノミュージアムなどのユニークな仕掛けが特徴です。予約はJRのみどりの窓口やインターネット予約の「e5489」「えきねっと」、主な旅行会社で予約ができます。
また、お得なきっぷを購入すれば、特急ひだでコスパよく列車旅を満喫できますよ。
この記事を読めば、特急ひだの特徴や運転区間、料金体系、予約方法、さらには特急ひだに乗車できるお得なきっぷについて知った上で、列車旅を楽しめるようになります。
1.特急ひだは新型のHC85系車両！ 2つの車両タイプ
HC85系（左）とキハ85系（右）
特急ひだは車窓から日本の古い街並みや四季の景色を楽しめる観光列車です。2023年3月18日からすべての定期列車が、キハ85系気動車から環境に優しいハイブリッド車両HC85系にリニューアル。
国内ハイブリッド車では初めての最高速度120キロを実現し、快適な列車旅を提供しています。
特急ひだには4両編成と2両編成があり、4両編成の列車はグリーン車と普通車、2両編成の列車は普通車の車両があります。デッキ部分には伝統工芸品を展示するナノミュージアムがあり、列車に居ながら飛騨・南紀地区の伝統工芸を鑑賞できます。
1-1.グリーン車
特急ひだのグリーン車は、4両編成の列車に入っている車両です。座席は新緑や清流、夕暮れ時の空をイメージしたデザイン。内壁は濃い茶色で木のぬくもりを感じさせます。
座席にはスライド式テーブルや荷物をかけられるフック、フットレスト、読書灯がついており、深くゆったりと腰かけられるリクライニング機能も魅力的です。
1-2.普通車
特急ひだの普通車の座席には、沿線の秋の紅葉や祭り、花火をイメージした明るいオレンジ色のデザインがあしらわれています。多目的テーブルやコンセント、フックなどの基本的な設備がそろっているのが特徴です。また、座席の背もたれが高く設計されているので、プライベート空間も確保されています。
一部の普通車には車椅子スペースや多機能トイレ、車椅子対応の洗面所がありますよ。
車椅子スペース
多機能トイレ
2.特急ひだの予約に必要な4つの情報
特急ひだを予約するためには、以下の情報を確認しておく必要があります。
この章では、特急ひだの予約に必要な基本情報を見ていきましょう。
2-1.主な運転区間
特急ひだの運転区間は名古屋駅〜高山駅、名古屋駅〜富山駅、名古屋駅〜飛驒古川（ひだふるかわ）駅、大阪駅〜飛驒古川駅、大阪駅〜高山駅の5パターンです。
2-2.運転日・時刻表
特急ひだは毎日運行しており、各運行パターンの初電の時刻表は以下のとおりです。
【下り（大阪・名古屋→高山・飛驒古川・富山）】
- ひだ1号（名古屋駅→高山駅）：7:43発、10:16着
- ひだ3号（名古屋駅→富山駅）：8:43発、12:32着
- ひだ5号・25号（大阪駅→飛驒古川駅）平日 7:58発・土日祝 8:02発、12:35着
ひだ25号は岐阜駅でひだ5号と連結して6両になります。名古屋駅→高山駅は1日6本程度、名古屋駅→富山駅は1日4本程度の運行があります。詳しい時刻はJR東海HP名古屋駅発駅時刻表（東海道線下り）を確認してください。
【上り（富山・飛驒古川・高山→名古屋・大阪）】
- ひだ2号（高山駅→名古屋駅）：6:46発、9:12着
- ひだ6号（富山駅→名古屋駅）：7:58発、12:04着
- ひだ12号（飛驒古川駅→名古屋駅）：13:13発、16:09着
- ひだ36号（高山駅→大阪駅）：15:34発、19:50着
ひだ36号は岐阜駅までひだ16号と連結しています。ひだ16号は岐阜駅を17:42に出発し、18:06に終着駅の名古屋駅に到着します。
その一方で、ひだ36号は岐阜駅を17:44に出発し、名古屋駅は通らずに19:50に終着駅の大阪駅に到着する運行スケジュールになっています。
高山駅→名古屋駅は1日6本程度、富山駅→名古屋駅は1日4本程度の運行があります。詳しい時刻はJR東海HP高山駅発駅時刻表（高山線上り）・JRおでかけネット富山駅発駅時刻表（高山本線）を確認してください。
2-3.料金体系
特急ひだには自由席と指定席があります。乗車券が必須で、自由席に乗る場合は自由席特急券、指定席に乗る場合は指定席特急券が必要です。また、グリーン車に乗る場合は乗車券・特急券・グリーン券が必要です。具体的な料金体系は以下のとおりです。
| 通常期 | 普通車自由席 | 普通車指定席 | グリーン車 |
|---|---|---|---|
| 名古屋駅～高山駅 | 5,610円 | 6,140円 | 8,410円 |
| 名古屋駅〜富山駅 | 7,260円 | 7,790円 | 10,060円※ |
| 高山駅〜大阪駅 | 7.920円 | 8,450円 | 10,720円※ |
- ※大阪駅～岐阜駅間、高山駅～富山駅間ではグリーン車はありません。みどりの窓口での購入となります。
指定席特急券はシーズンによって料金が変わります。閑散期は通常期の200円引き、繁忙期は200円増し、最繁忙期は400円増しに設定されています。
区間や利用する座席・車両の種類によって、運賃が変わる点に注意しましょう。
指定席特急券のシーズンの詳細については、JR東海の公式ホームページで確認できます。
2-4.予約方法
特急ひだはJRのみどりの窓口や主な旅行代理店、指定席券売機、インターネット予約システム「e5489」「えきねっと」などで乗車日1ヶ月前の午前10時から予約できます。
3.特急ひだの予約に使えるお得なきっぷ
特急ひだの予約には、複数の路線で使えるお得なきっぷを活用するのもおすすめです。ここでは、特急ひだの乗車に使える以下のきっぷについて紹介します。
各きっぷは一年を通してきっぷを購入できますが、4月27日〜5月6日、8月10日〜19日、12月28日〜1月6日の期間は利用できません。
各きっぷの基本情報と特徴についてチェックしてみましょう。
3-1.飛騨エリアフリーきっぷ
飛騨エリアフリーきっぷは、発車駅から飛騨地域の往復に利用できるお得なきっぷです。以下のいずれかの特典を利用できるのが魅力です。
- バスコース：白川郷線のバス往復乗車券か、高山＆新穂高フリー乗車券
- お食事コース：食べ歩きミニクーポンか、下呂温泉素肌美人スイーツクーポン
名古屋市内や岐阜、大垣などの発駅から飛騨地区の往復に特急ひだ号の普通車指定席が利用でき、飛驒金山駅〜飛驒古川駅間では特急列車、および快速・普通列車の普通車自由席が乗り降り自由なきっぷとなっています。
有効期間は3日間で、一年を通して発券可能です。ただし、往路の特急ひだの普通車指定席が予約可能な場合に限られます。
| 運転区間 バス・お食事コース共通 |
発売額 大人・子ども共通 |
|---|---|
| 名古屋市内〜飛騨フリーエリア | 12,370円 |
| 岐阜〜飛騨フリーエリア | 12,370円 |
| 大垣〜飛騨フリーエリア | 12,780円 |
きっぷうりばがある駅、もしくはサポートつき指定席券売機がある一部の駅で購入するか、JR西日本のインターネット予約サービス「e5489」で予約することができます。
飛騨エリアフリーきっぷの詳細に関しては、JR東海の公式ホームページをチェックしましょう。
3-2.北陸観光フリーきっぷ
北陸観光フリーきっぷは、名古屋駅・浜松駅・静岡駅から北陸地域間を「特急ひだ」と「特急しらさぎ」で周遊できるお得なきっぷです。名古屋駅・浜松駅・静岡駅から米原駅間は、東海道新幹線の普通車指定席に乗車できます。有効期限は4日間です。
| 運転区間 | 大人 | 子ども |
|---|---|---|
| 名古屋〜北陸エリア | 16,230円 | 8,110円 |
| 浜松〜北陸エリア | 18,330円 | 9,160円 |
| 静岡〜北陸エリア | 19,360円 | 9,680円 |
往路と復路で特急ひだと特急しらさぎ、別々の特急列車を使う必要がある点に注意です。
きっぷうりばがある駅、もしくはサポートつき指定席券売機がある一部の駅で購入するか、主な旅行代理店で予約することができます。
北陸観光フリーきっぷの詳細に関しては、JR東海の公式ホームページをチェックしましょう。
3-3.ひだ号富山往復割引きっぷ
ひだ号富山往復割引きっぷは、名古屋駅・岐阜駅から富山駅までの往復に、特急ひだの普通車指定席を使うことができるお得なきっぷです。有効期限は6日間です。
| 運転区間 | 大人 | 子ども |
|---|---|---|
| 名古屋駅〜富山駅 | 13,040円 | 6,520円 |
| 岐阜駅～富山駅 | 12,590円 | 6,290円 |
きっぷうりばがある駅、もしくはサポートつき指定席券売機がある一部の駅で購入するか、主な旅行代理店で予約することができます。
ひだ号富山往復割引きっぷの詳細に関しては、JR東海の公式ホームページをチェックしましょう。
4.まとめ
この記事では、特急ひだの普通車両やグリーン車両の特徴や予約に必要な4つの知識、特急ひだの乗車にも使えるお得なきっぷについて紹介しました。
特急ひだは4両編成と2両編成で、区間によって列車や車両数が変わります。普通車には自由席と指定席があります。4両車両の区間では、普通車に加えてグリーン車があり、より快適な列車旅を満喫できますよ。
乗車券は乗車日1ヶ月前の午前10時からJRのみどりの窓口や主な旅行代理店、インターネット予約システム「e5489」「えきねっと」などで席を予約できます。
また、お得なきっぷも活用すれば、特急ひだに乗車できるだけでなく、観光地へのバス往復乗車券や食べ歩き券などがついてくるので、さらに旅行を充実させられます。
特急ひだの車両設備や予約方法をチェックして、列車旅を満喫しましょう。
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