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2024.03.19鉄道特急「かわせみ やませみ」 -スイッチバックが特徴的な熊本駅と宮地駅を結ぶ阿蘇高原線のD&S列車(THE列車)

雄大な阿蘇外輪山の風景を車窓に走るD&S列車

熊本駅と人吉駅を結ぶ肥薩線の観光列車として誕生したのが、乗り込んだ瞬間から心が躍る、ヒノキの香り漂う特急「かわせみ やませみ」です。列車名の由来は、球磨川に生息する鮮やかな色彩の小鳥「かわせみ(翡翠)」「やませみ(山蝉)」で、急流・球磨川に寄り添って伸びる肥薩線の観光列車として活躍してきました。
「令和2年7月豪雨」による被災で肥薩線が不通となり、2022年9月から阿蘇高原線(豊肥本線)の熊本駅と宮地駅を結ぶ観光特急列車として運行中です。阿蘇高原線において球磨の自然を模した和モダンな列車での旅を楽しむことができます。

鉄道コンシェルジュ ミスターKのとっておき情報

キハ47形車両2両編成


球磨川に生息する鳥の名前から名付けられた特急「かわせみ やませみ」は、キハ47形気動車を改造した2両編成のD&S(デザイン&ストーリー)列車。1号車の「かわせみ」は渓流・球磨川の青色、2号車の「やませみ」は球磨地方の森をイメージした緑色を基調にしたデザインで、車両前面と側面にかわせみ(翡翠)、やませみ(山蝉)の姿が再現されています。
車内は、人吉球磨産のスギが床に、ヒノキがカウンターやテーブルに、八代産のイ草が暖簾に使われるなど、自然の温もりを全身で感じられるようになっています。

1号車・かわせみ車両


宮地駅寄りの1号車は青色の車体の「かわせみ車両」で、2人掛けリクライニングシート席、4人掛けテーブル席、窓向きカウンター席が配置。窓向きカウンター席にはフリースペースのキッズエリア3席が設置されています。座席モケットは車体色に合わせた青色に統一。
天井まで木のぬくもり溢れる空間で、球磨や阿蘇の自然の中にいるような心地よい時間を過ごすことができます。

2号車・やませみ車両


熊本駅寄りの2号車は緑色の車体の「やませみ車両」で、2人掛けリクライニングシート席、4人掛けテーブル席、2人掛けテーブル席、窓向きカウンター席、ソファー席のほか、窓向きカウンターの特別席「やませみベンチシート」が配置されています。座席モケットは車体色に合わせた緑色に統一。
「かわせみ車両」と同じく人吉球磨産のヒノキや杉、八代産のイ草の自然の香りを感じながら、ラグジュアリーで温かい時間を過ごすことができます。

車内サービス設備


1号車の車端部に多目的トイレのほか、展望コーナーが設置されています。360度映像で球磨・人吉の自然を体感できるVR動画体験をしたり、「バードウォッチング窓」から車窓を眺めてみたり、列車旅を満喫できる仕掛けがあります。
2号車の車端部にはビュッフェカウンターがあり、沿線のおいしい食とドリンクを楽しむことができます。

オリジナル商品が揃った車内販売


2号車のビュッフェでは、阿蘇の食材にこだわった「農家のおにぎり のっぺ汁セット」や鹿と猪のカレーを使用した「阿蘇ジビエカレーのホットサンド」をはじめ、阿蘇牧場の搾りたて牛乳を使用した「阿部牧場のミルクアイスフローズンヨーグルト」などの阿蘇にこだわった商品を用意。
左党の方には、白川水源水と原料の一部に南阿蘇のお米を使用したクラフトビール「阿蘇ブロンドエール」や人吉と阿蘇にちなんだ球磨焼酎3種類があります。このほか、オリジナルグッズやお土産品なども取り揃えています。

立野駅~赤水駅間のスイッチバック


熊本方面から来た列車は、南阿蘇鉄道の接続する立野駅から進行方向を変えて急坂を登っていきます。ポイントを渡って平らなところにある折り返し線に到着後、再び進行方向を変えて阿蘇方面へ出発。急勾配を克服するために考え出された三段式スイッチバックで、この急勾配を越えると列車は阿蘇外輪山の火口原へと進んでいきます。
車窓に阿蘇五岳の雄大な風景が広がると、列車は間もなく阿蘇駅に到着です。


列車情報

運転日 土曜・休日を中心に運転
運転区間 豊肥本線(阿蘇高原線)熊本駅~宮地駅間
運転時刻 【下り】熊本駅10:32発→宮地駅12:09着
【上り】宮地駅15:47発→熊本駅17:08着

特急「かわせみ やませみ」の詳しい情報はこちら

  • 文/ミスターK(結解喜幸)
  • 写真/交通新聞クリエイト
  • ※掲載されているデータは2024年3月1日現在のものです。
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