球磨川(くまがわ)の流れを車窓に楽しめる観光列車
肥薩線の球磨川沿いの風景を車窓に映して走る観光列車が、JR九州11番目のD&S(デザイン&ストーリー)列車として登場した特急「かわせみ やませみ」です。列車名は球磨川流域に生息する小鳥から名付けられたもので、かわせみ(翡翠)の漢字表記は輝く水面の色を想起させるものとなっています。2両編成の列車の外観は、1号車の「かわせみ」が球磨川の水面のブルー、2号車の「やませみ」は球磨山麓の森の濃いグリーンをベースとして、小鳥の絵柄を入れたロゴが随所に配置されています。
また、車内のカウンター・テーブル・ショーケースに人吉(ひとよし)球磨産の「ヒノキ」、床材に人吉球磨産の「杉」、のれんに八代産の「い草」を使用して、地元の車両であることをアピールしています。
なお、1・2号車ともリクライニングシート席やボックス席、窓向きのカウンター席が配置され、1号車の「かわせみ」車両はブルー、2号車の「やませみ」車両はグリーンを基調としたオンリーワンの空間となっています。
鉄道コンシェルジュ ミスターKのとっておき情報
球磨川のブルーを基調とした1号車の「かわせみ」車両
球磨川のブルーを基調とした1号車の「かわせみ」車両には、窓向きのカウンター席やリクライニングシート席、ボックス席、ソファ席が配置されているほか、球磨焼酎のPRイベント(不定期で実施)が行われるサービスカウンターや多目的トイレがあります。また、記念乗車スタンプや「展望コーナー」もあります。
森の濃いグリーンを基調とした2号車の「やませみ」車両
森のグリーンを基調とした2号車の「やませみ」車両には、窓向きのやませみベンチシート2席(指定席特急料金+210円)やリクライニングシート席、ボックス席、ソファ席が配置されているほか、軽食や球磨焼酎を提供するビュッフェや沿線の特産品を展示するショーケースがあります。なお、「かわせみ やませみ1・2号」の2号車(やませみ)は自由席となります。
2号車のビュッフェでは「こだわりの車内販売」実施
2号車のビュッフェでは、土曜・日曜・祝日限定で「こだわりの車内販売」(2~6号・数量限定)を実施しています。人吉球磨地方の食文化が楽しめる「球磨の四季彩弁当と郷土料理つぼん汁セット」や人吉球磨特産のフルーツを味わえる「くまのスイーツボックス」、球磨焼酎のおつまみセット「くまの宝箱セット」など、「食」と「旬」を堪能することができます。
※車内販売は1号と平日2号では実施していません。
500年の伝統・歴史・文化 車内で「球磨焼酎」を楽しめる
500年の伝統・歴史・文化を誇る「球磨焼酎」は、製造方法と貯蔵方法の違いから「減圧蒸留酒」「常圧蒸留酒」「樽熟成酒」の3種類に分けられますが、2号車のビュッフェでは28蔵元の中からこの3種類の球磨焼酎を四季ごとに銘柄を替えて販売しています(1杯400円)。なお、客室乗務員の中には「球磨焼酎案内人」の有資格者もいますので、おすすめの焼酎が提供されています。
※車内販売は1号と平日2号では実施していません。
坂本駅・一勝地駅では地元の「おもてなし」を体感!
途中停車駅の坂本駅および一勝地(いっしょうち)駅では、土曜・休日を中心に「かわせみ やませみ3・4号」の到着にあわせ、地元の方による人吉球磨の「おもてなし」を実施しています。坂本駅では4号到着時(5分停車)に特産品の販売、一勝地駅では3号到着時(7分停車)に旬の特産品を販売しています。地元の人のあたたかさに触れ、文化や歴史を感じる旅を楽しむことができます。
片道・新幹線が利用できる「肥薩線のんびりきっぷ」
鹿児島本線熊本駅~八代駅・鹿児島駅~鹿児島中央駅間および肥薩線全線、日豊本線霧島神宮駅~鹿児島駅間が、3日間乗り降り自由のフリー区間となる「肥薩線のんびりきっぷ」。フリー区間内では特急列車の普通車指定席が利用でき、「ゆき」「かえり」どちらかの片道が新幹線、片道は肥薩線経由となります。
※有効期間 3日間。
※「やませみベンチシート」の指定席に乗車の場合は、「指定料金券」が必要。
列車情報
運転日 | 毎日 |
---|---|
運転区間 | 鹿児島本線・肥薩線 熊本駅~人吉駅間 |
運転時刻 |
【下り】 1号 熊本駅07:12発 → 人吉駅08:44着 3号 熊本駅11:23発 → 人吉駅13:01着 5号 熊本駅15:24発 → 人吉駅16:58着 【上り】 2号 人吉駅09:30発 → 熊本駅10:59着 4号 人吉駅13:20発 → 熊本駅15:01着 6号 人吉駅17:25発 → 熊本駅18:55着 |
著者紹介
- ※文・写真/ミスターK(結解喜幸)
- ※掲載されているデータは2017年5月現在のものです。
- ※運転日・運転区間等は変更となる場合があります。