四季折々のふるさとの原風景を楽しむ列車
春は桜並木や太陽の光にきらめく水田、夏は青田と抜けるような青空のコントラスト、秋は燃えるような紅葉や黄金色に輝く稲穂、冬は静かでモノトーンな一面の雪景色。
四季折々の表情を見せる自然の風景を大きな車窓から眺めることのできる北東北の新たな観光列車が、HB-E300系ディーゼルハイブリッド車両を使用した「ひなび（陽旅）」です。
列車名の「ひなび（陽旅）」は、この列車に乗って岩手・青森の自然を車窓から感じ「ぬくもりのあるゆったりとした旅」をしてほしいという想いから名付けられました。
「ひなび（陽旅）」の基本情報
2023年12月30日から2024年2月25日までは、東北本線・釜石線の盛岡駅～花巻駅～遠野駅～釜石駅間で運転。
AパターンとBパターンの運転時刻があり、運転日により各駅の発着時刻が異なります。列車は2両編成で、1号車はグリーン車指定席、2号車は普通車指定席になります。
また、事前予約制でお弁当の販売があり、車窓の風景を楽しみながら釜石線沿線各地の味覚を満喫できます。
なお、釜石線以外の岩手県・青森県の各線区での運転を予定していますので、異なるエリアの列車旅でも快適な「ひなび（陽旅）」が利用できます。
鉄道コンシェルジュ ミスターKのとっておき情報
HB-E300系車両
発電用のエンジンを搭載し、発電機からの電力と蓄電池の電力でモーターを駆動するハイブリッドシステムを採用した気動車。
最新のIGBT素子（高性能の半導体スイッチ）を使用したVVVFインバータ制御（電圧・周波数などを制御する装置）や回生・発電ブレーキ併用電気指令式ブレーキを装備し、電車と同様の走行性能を誇る次世代のディーゼルハイブリット車両として活躍中です。
HB-E300系車両は、ＪＲ東日本の観光列車「リゾートしらかみ」の橅編成や青池編成をはじめ「リゾートビューふるさと」「海里」に導入されています。
「ひなび（陽旅）」は「リゾートあすなろ」を改造して誕生しました。
エクステリアデザイン
ＪＲ東日本盛岡支社管内の気動車に広く用いられた通称「盛岡色」と呼ばれる「白地に赤ライン」の配色を採用。横のラインを「紐」に見立て、先頭に水引の結びである「梅結び」を入れたデザインで、地域と地域を結ぶ列車をイメージしています。
また、2両編成の中央に山を連想させ、波や川の模様、花吹雪などを配置し、北東北の豊かな自然が表現されています。
グリーン車指定席（1号車）
2両編成の1号車は、グループ旅行にも最適な4人掛けボックスシート3組と2人掛けボックスシート5組、窓向きの1人掛けシートが3席を配置されたグリーン車指定席です。
運転台の後ろはフリースペースの展望室で、広々とした空間には展望腰掛やソファーが設置されています。
また、側面は一般の車両よりも天地が広い大型窓が採用され、ゆっくりと沿線の景観を楽しむことができます。
普通車指定席（2号車）
2両編成の2号車は、2人掛けのリクライニングシートが8列配置された普通車指定席です。運転台の後ろはフリースペースの広々とした空間で、前方の流れゆく車窓を楽しむことができます。1号車寄りの客室に車いす対応座席2席、デッキには車いす対応の大型トイレや洗面所が配置されています。また、側面はグリーン車と同様に大型窓が採用され、四季折々の景観を車窓から楽しめます。
スマートフォン専用の事前予約サービス「うけとりっぷ」で、沿線の味覚を味わおう
スマートフォン専用の事前予約サービス「うけとりっぷ」を使って、釜石線沿線の美しい車窓の風景とともに沿線各地の味覚を楽しむことができます。
下記のお弁当は「うけとりっぷ」から乗車日の5日前まで予約可能です。
【盛岡駅】ホテルメトロポリタン盛岡の味をもっと近くに
盛岡駅では、ホテルメトロポリタン盛岡の料理人が仕上げた、四季折々の食材を使用した季節の味覚を愉しむお弁当「特製松花堂弁当」（1,700円、税込）を味わうことができます。
【遠野駅】遠野名物が味わえる「おむすびBOX」
遠野駅では、地元食材を具に使用した岩手県遠野市ならではの“おむすび”を製造販売している「とおの結屋」のおむすび2個と、遠野市で製造されたもろみ漬（民話漬）、日替わりおかず、サラダ、飲み物をセットにした「おむすびBOX」（1,200円、税込）をご用意しています。
- ※なお、「おむすびBOX」の受け取りは上下列車とも遠野駅となります。
【釜石駅】宮沢賢治の夢の国、イーハトーヴの花壇・お花畑をイメージしたお弁当
釜石駅では、岩手郷土の味でほんのり甘く、もち米本来の食感、風味、美味しさを味わえる赤飯を使用した「イーハトーヴ 金時赤飯弁当」（1,450円、税込）をはじめ、他にも様々なラインナップをご用意しています。
沿線の多彩な見どころ
「宮沢賢治童話村」
釜石線の沿線には多彩な見どころが揃っています。
新花巻駅→宮沢賢治の世界観がわかる「宮沢賢治記念館」・「宮沢賢治童話村」
遠野駅→懐かしい農村を再現した「遠野ふるさと村」・「伝承園」、「カッパ淵」
上有住駅→洞窟内にある滝としては日本屈指の大きさを誇る「滝観洞」
釜石駅→魚のまち釜石を発信する飲食・イベント施設「魚河岸テラス」、現存する日本最古の洋式高炉跡がある「橋野鉄鉱山」
など、地域の自然や歴史が存分に感じられるスポットばかりです。
ぜひ往路または復路に「ひなび（陽旅）」を利用し、ゆっくり滞在してみてはいかがでしょうか。
列車情報
| 運転日 | 不定期の臨時列車 |
|---|---|
| 運転区間 | 東北本線・釜石線 盛岡駅～釜石駅間 |
| 運転時刻 |
Aパターン（2024年1月3・6・7・20・27日と2月17・23・24日運転） 【下り】盛岡駅10:40発→遠野駅12:07着→釜石駅13:26着 【上り】釜石駅16:28発→遠野駅17:55発→盛岡駅19:39着 Bパターン（下記列車は2024年1月8・21・28日と2月18・25日運転） 【下り】盛岡駅9:45発→遠野駅11:41着→釜石駅13:26着 【上り】釜石駅14:48発→遠野駅16:06発→盛岡駅17:45着 |
- ※文／ミスターＫ（結解喜幸）
- ※画像提供／一般社団法人花巻観光協会
- ※掲載されているデータは2024年1月現在のものです。
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