JR東日本に聞いてみました!
『JR時刻表』編集部がJR各社に鉄道にまつわるさまざまな疑問をQ&A方式で聞いていく連載です。
今回は……
Q. グリーン車について教えて!
中央線快速・青梅線のグリーン車について、JR東日本に聞いてみました!
A. 通勤・通学などの日常使いのみならず、幅広いシーンでご利用ください!
中央線快速・青梅線のグリーン車ならではの工夫
中央線快速・青梅線ではお客さまの着席ニーズにお応えするため、JR東日本の他路線(東海道本線や東北本線[宇都宮線]・高崎線など)でご好評をいただいている普通列車グリーン車を導入しました。特急列車が停車しない駅をご利用のお客さまを含め、すべての時間帯で幅広く着席ニーズにお応えできるほか、普通車のみの10両編成にグリーン車2両を新たに追加した12両編成とすることで、混雑緩和にもつながると考えています。
中央線快速・青梅線のグリーン車運転区間図 ※主な停車駅(画像=JR東日本提供)
中央線快速・青梅線のグリーン車は、広いデッキとスムーズな乗降が可能となる両開きドアを採用しつつ、他路線の2階建てグリーン車と同等の座席数(2両で180席)を確保するため、台車中心間距離(自動車でいうホイールベース)を長くしたり、座席と座席の間隔を微調整するなどの工夫をしました。
さらに、2階建てグリーン車としては初めて自動回転式のリクライニングシートを導入。
両開きドアや自動回転式リクライニングシートは、東京駅での短い折り返し時間の中で、グリーン車を効率よく清掃することにもつながっています。
(写真=JR東日本提供)
12両編成の導入に伴い最も困難だったのは、線路やホームの改修、それに合わせた信号装置の移設です。ホームの延伸だけでなく、線路配線や分岐器(ポイント)の位置を変更しなければならない駅もあり、列車を運休して工事を実施したこともありました。
無料のお試し期間中には、お客さまから多くの反響が寄せられました
2024年10月より、グリーン車2両の組み込みを開始しましたが、車両の編成数が多く、サービス開始直前までの5ヶ月間を要しました。この間、今までの10両編成とグリーン車を連結した12両編成が混在し、お客さまにとってもどの列車がグリーン車付きであるかがわかりづらいため、「グリーン車お試し期間」を設定。お客さまに快適性をご体感いただいたところ、「素晴らしい乗り心地だった」「2階からの景色はこれまで見ていた景色と違った」「疲れて座りたい時には助かる」など、多くの反響をいただきました。
普通車と同じ両開きドアを採用したことで、普通車との区別がつきにくいという課題もありましたが、リーフレット等の宣伝物の追加作成に加え、主要駅では案内係員を配置することでグリーン車乗降口であることをご案内しています。
通勤・通学やお買い物など日常のお出かけにとどまらず、高尾山や奥多摩、富士山方面といった自然を満喫できる観光地でのレジャーやハイキングなど、さまざまなシーンでグリーン車をご利用いただければと考えております。グリーン車からご覧いただける、普段とは違った沿線の風景をお楽しみください。
グリーン券のお買い求めは、券売機に並ぶ必要がなくスマートフォンで購入でき、おトクなSuicaグリーン料金も適用される「モバイルSuica」をぜひご利用ください。
通常料金とモバイルSuicaグリーン料金の比較図(画像=JR東日本提供)
- ※『JR時刻表』2025年5月号掲載時点の内容です。
- ※写真=交通新聞クリエイト(特記以外)
- ※構成=時刻表編集部