JR最北端の稚内駅と札幌駅を結ぶ特急列車
JR最北端となる稚内駅と札幌駅を結ぶ特急列車が、キハ261系特急形気動車で運転されている特急「宗谷」です。2017年3月4日のダイヤ改正で札幌駅~稚内駅間の1往復が特急「宗谷」、旭川駅~稚内駅間の2往復が特急「サロベツ」となり、全列車に261系の4両編成が使用されています。車両のデザインはデンマーク国鉄との共同制作で、北欧らしい木の温もりを感じられる車内空間となっています。
函館本線旭川駅から宗谷本線に入った列車は、大雪山系の山並みを車窓に映して名寄(なよろ)駅を過ぎ、天塩川の流れに沿って快走すると音威子府(おといねっぷ)駅に到着。かつて天北線が分岐した交通の要衝で、駅舎内には天北線資料室と名物の駅そば店があります。幌延(ほろのべ)駅からはサロベツ原野を走り抜け、左手前方に利尻山の雄姿が見えれば、列車は北緯45度25分03秒に位置するJR最北端の終着駅・稚内駅に到着します。
鉄道コンシェルジュ ミスターKのとっておき情報
デンマーク国鉄との共同制作 独特なデザインのキハ261系
JR北海道と姉妹鉄道提携をしているデンマーク国鉄と共同で制作した独特なデザインの特急形気動車。外観はコバルトブルーを基調にライトグリーンとイエローを配したもので、車体側面はステンレス地が生かされています。内装には木の温もりを感じられる北欧デザインが随所に採用されており、落ち着いた空間で車窓風景を楽しめます。
1号車のグリーン車指定席は定員9名のリラックス空間
1号車には1列+2列でリクライニングシートを配置した定員9名のグリーン車指定席が設置されており、人気のリラックス空間になっています。車内はデンマーク国鉄との共同デザインが生かされ、青い革張りシートと木を組み合わせた座席など北欧の家具を感じる仕様となっています。なお、窓側席にパソコン用コンセントが設置されています。
ゆったり座って旅するには指定席がおすすめ!
4両編成の列車は1号車の半室と2・3号車が普通車指定席となります。自由席は4号車のみですので、ゆったりと座って車窓の風景を楽しみたい場合は指定席がおすすめ。普通車の車内は2列+2列の配置でリクライニングシートが並び、号車ごとにブルー・レッド・グリーンの3色のモケットが使用され、往復で号車を変えると雰囲気の異なる空間を楽しめます。
途中下車して味わいたい音威子府駅の黒い「駅そば」
古くから音威子府駅の名物として人気が高いのが、駅舎内に店舗がある常盤軒の「駅そば」です。地元の畠山製麺が選りすぐりの北海道産の玄そばを仕入れて自家製粉し、秘伝のそば粉の配合比率で打ち上げた麺を使用。ソバの甘皮まで一緒に挽いているので、色が黒いのが特徴です。コシが強く、香りが際立つ風味豊かなそばを味わえます。
※音威子府駅の常盤軒は、2021年2月に閉店しました
札幌駅~旭川駅間を結ぶ特急「ライラック」が登場
平成29年3月4日のダイヤ改正から札幌駅~旭川駅間を結ぶ特急「ライラック」(写真)が登場しました。旭川駅で宗谷本線旭川駅~稚内駅間の特急「サロベツ」2往復と約10分の乗り換え時間で接続しています。旭川駅の改札を出ないで札幌駅~稚内駅間の特急列車を乗り継ぐ場合は、直通の特急列車と同じ料金で利用することができます。
道内の特急列車を利用できる「北海道フリーパス」
JR北海道内の在来線特急列車の普通車自由席およびジェイ・アール北海道バス(札幌~旭川・帯広・紋別・えりも・広尾間の都市間バスや臨時バスを除く)が、7日間乗り降り自由となる「北海道フリーパス」(27430円)。あらかじめ指定席の交付を受ければ特急列車の普通車指定席を6回まで利用できるので便利です。
列車情報
運転日 | 毎日 |
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運転区間 | 函館本線・宗谷本線 札幌駅~稚内駅間 |
運転時刻 |
【下り】 札幌駅07:30発 → 稚内駅12:42着 【上り】 稚内駅17:44発 → 札幌駅22:56着 |
著者紹介
- ※文・写真/ミスターK(結解喜幸)
- ※掲載されているデータは2017年3月現在のものです。