福井駅を降りてから、どうする?
北陸新幹線金沢〜敦賀延伸開業を目前に控え、沿線地域の盛り上がりも最高潮!中でも福井では最新技術を使った“あるバス”が2024年6月に登場予定。
新幹線を降りてから「一乗谷」や「恐竜博物館」への二次交通として注目されています。
そのお披露目の様子を、鉄道写真家・村上悠太がレポートします。記事の最後には動画も! ぜひご覧ください。
福井駅からの移動は「XRバス」に決まり
2024年3月16日に延伸開業する北陸新幹線。これにより、東京〜福井間が最速の「かがやき」に乗車すると2時間51分で結ばれ、金沢駅で在来線特急に乗り継いでいる現状に比べて、36分の短縮になります。
開業を目指して延伸区間の試運転を続けるW7系北陸新幹線
新設された北陸新幹線福井駅。西口広場には恐竜のすがたも
そんな中、福井駅と福井を代表する観光地を結ぶバスに最新のVR技術などを使用し、バスに乗車しながら福井の魅力を体験することができる、XRバス「WOW RIDE いこっさ!福井号」が誕生します。運行開始は2024年6月1日で、予約受付は3月1日から「はぴバス」Webサイト(https://happybus.jp/wowride/)にて行われます。
6月1日に登場する「WOW RIDE いこっさ!福井号」。青いラインの愛称は「FUKちゃん」
ピンクラインが「UIちゃん」の愛称
2月9日には福井駅前のハピテラスにてお披露目式が実施され、2台のXRバスである、「FUK(ふく)ちゃん」・「UI(うい)ちゃん」が公開されました。
こちらのバスには福井の名産や景勝地、XRバス内で展開されるコンテンツの登場キャラクターなどがラッピングされ、かなりキャチーなデザインになっています。
式にはスペシャルゲストとして上映コンテンツのうち、恐竜をテーマにしたコンテンツに出演されている今井翼さんと、ラッピングのイラストを担当した福井県出身の中村サトルさんも参加しました。
お披露目式に登場した今井翼さんとイラスト担当の中村サトルさん
杉本達治福井県知事らも参加し行われた除幕イベント
ところで聞きなれないこの「XRバス」という名前。一体どのようなバスなのでしょうか。
XRとはクロスリアリティという意味で、現実世界と仮想世界(VR)を融合し、現実にはない世界を体感できる技術を指すことばで、その名のとおりXRバスはまさに現実と仮想を行き来する、次世代の乗り物なのです!
XRバスの車内。たくさんのモニターが乗客たちを囲む
外装からもわかる通り、XRバスの客室窓は全て塞がれており、車内に入るとそこにはたくさんのモニターが並んでいます。
そんな車内空間はどこかプラネタリウムにも似ていて、乗客は車内で上映される映像や音を駆使したコンテンツを通して、福井の魅力やこれから向かう目的地に関連した風景や伝統文化、歴史、恐竜の迫力などまさに体感しながら移動することができるのです。
空や光、そして福井にちなんだ様々なコンテンツが展開
忘れてはならない恐竜も!
映像の総合演出を手掛けたのは映画「20世紀少年」シリーズや「TRICK」シリーズを手掛けてきた堤 幸彦氏。
バスの運行ルートに合わせて上映されるコンテンツは変化し、たとえば、恐竜をテーマにしたコンテンツでは「福井に恐竜が出現した!」という一報を聞いた「恐竜大好き化石ハンター・インディ」(今井翼さん)が、その恐竜たちと対峙するストーリーが展開されます。
他コンテンツでは温水洋一さん(俳優)、細谷佳正さん(声優)など豪華出演陣がラインナップ。かねてからの課題であった、福井駅から各観光地までの二次交通をエンターテイメント化し、その道中をも楽しめる新しい交通手段として注目されるほか、往路はXRバスを、復路は鉄道や他の交通機関を使うことで交通機関同士の新たな回遊性にも期待が寄せられています。
カメラを通して屋外の様子もリアルタイムで表示可能
車内の様子をちょこっと動画でどうぞ!
運行開始は2024年6月1日から! 公式サイトもチェック
運行開始となる6月1日から9月末まではJR福井駅を起点に、福井県立恐竜博物館・一乗谷朝倉氏遺跡博物館をつなぐ往復コースのほか、えちぜん鉄道あわら湯のまち駅までの片道コース、あわら湯のまちを起点としたあわら温泉周遊コースの4コースが設定されます。
各コースの運行時期や料金は公式Webサイト(https://happybus.jp/wowride/)を確認してください。
著者紹介
- ※取材・撮影・文=村上悠太
- ※掲載されているデータは2024年2月現在のものです。