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2021.09.26鉄道北陸新幹線のおすすめの座席はここ!東京から金沢までの停車駅や列車ごとの違いを鉄道ジャーナリストが紹介

北陸新幹線の疑問に鉄道ジャーナリストがお答えします

「新幹線に乗ろうと思って時刻を調べたはいいけれど、どの列車のどの席を選べばいいか分からない」と迷ってしまうことはありませんか?

全国の新幹線を、車窓を中心に10年以上観察・研究してきた鉄道ジャーナリストの栗原景さんが、知っていると便利なことや、誰かに話したくなる新幹線ならではの車窓の楽しみ方などをご紹介します。

この記事を読むと分かること

  • 使用されている車両、特徴、コンセントの有無
  • 「かがやき」「はくたか」「あさま」「つるぎ」の違い
  • それぞれの列車の停車駅
  • 座席選びのポイント
  • 車窓の楽しみ方
  • おトクに乗車する方法、予約について
  • 車内販売の有無、最高速度などの基本情報

北陸新幹線ってどんな路線?

北陸新幹線は、首都圏と、富山・石川両県がある北陸地方を結ぶ新幹線です。

路線としては高崎駅〜金沢駅間ですが、東京駅〜大宮駅間は東北新幹線、大宮駅〜高崎駅間は上越新幹線に乗り入れて、運行系統としては東京駅〜金沢駅間で運行されています。

最高速度こそ260km/hに抑えられていますが、東京駅〜金沢駅間の所要時間は、金沢開業前の3時間47分(上越新幹線越後湯沢経由)から現在は、最速2時間27分と劇的に短縮され、北陸地方と首都圏の時間的・心理的距離を大きく縮めました。

福井市を経由して敦賀までの延伸工事が進められています。

北陸新幹線の車両たち

北陸新幹線の車両は、すべてE7系及びW7系に統一されています。E7系はJR東日本、W7系はJR西日本が所有する車両ですが、ロゴマークと車両番号、編成番号以外に違いはありません。

E7系(W7系)

E2系をベースにブラッシュアップ

北陸新幹線長野駅〜金沢駅間開業の約1年前に、「あさま」用として先行投入された、JR東日本・JR西日本共同開発の車両です。

12両編成で普通車のほかグリーン車とグランクラスを連結し、12両中10両に主電動機(モーター)を搭載しています。北陸新幹線は、全国新幹線鉄道整備法に基づいて建設された路線で、最高速度が法令によって260km/hと決まっているため、320km/h運転を行なうE5系やE6系ほどの走行性能・騒音対策を必要としません。

そこでE7・W7系は、JR東日本の新幹線の標準型車両だったE2系をベースに設計されました。先頭車両のノーズ部は「ワンモーションライン」と呼ばれる比較的シンプルな形状で、長さも9.2mでE2系と同じとなっています。


E7系 かがやき 外観 E6系から引き続き工業デザイナーの奥山清行氏がデザインを担当し、JR東日本の新幹線車両としては久々に「目」を感じさせる前照灯を搭載。雪をかき分けるスノープラウは目立たない形になった

また、建設時の想定最高速度を超える速度で運行しているE5系やN700Sなどと異なり、最初から施設が275km/h運転に対応した設計で建設されているため、車体傾斜装置のようなカーブを高速で通過するための機構も非搭載。架空線(上空に張られた電線)から電力を取り入れるための装置であるパンタグラフは軽量・低騒音タイプで、防音カバーが省略されています。


E7系 パンタグラフ 小型軽量のシングルアームパンタグラフ。最高速度が260km/hとそれほど速くないため、左右の防音カバーは省略された

また北陸新幹線は、高崎駅〜軽井沢駅間と上越妙高駅〜糸魚川駅間は交流50Hz、軽井沢駅〜上越妙高駅・糸魚川駅〜金沢駅間は交流60Hzを採用しているため、E7・W7系には両方の周波数に対応した電動機が搭載されています。

デザインは、「和の未来」をコンセプトとして、大人の琴線に触れる洗練さと心と体のゆとり・解放感を表現。鮮やかな車体カラーは、アイボリーホワイトをベースに、銅器や象嵌の色である銅色と、沿線の空を表す空色を組み合わせています。車体を磨く技術も高く、デビューから7年が経過した今も、まるで鏡のような光沢を備えています。


E7系 かがやき 外観 極めて洗練された工作技術で、美しい曲線を描く先頭部

進化した座席でトップクラスの座りごこちを実現!普通車も全席コンセント装備

車内は、壁面の色を従来の白系からブラウン系にして落ち着きある空間に。普通車はE5系から引き続いて可動式枕や折り畳み式ドリンクホルダーを搭載しています。


E7系 車内 普通車 E5系からさらに進化した普通車。リクライニングの角度も研究されてグリーン車並みの快適さ

E7・W7系はグランクラスばかりが注目されがちですが、グリーン車も人気です。落ち着いたブルーの座席は身体全体を包み込むような形状で、背もたれを傾けると座面も連動して最適な姿勢になるクレイドル方式。座りごこちはグランクラスに負けていません。


E7系 グリーン車

新幹線のファーストクラスと呼ばれる特別車両グランクラス。シートはE5系の仕様を受け継ぎつつ、より身体を包み込むような構造に改良されました。このシートはトヨタグループのトヨタ紡織が開発したもので、自動車用シート分野で培った乗り心地の知見を活かし、長時間の移動でも快適に過ごせるように配慮されています。


E7系 車内 グランクラス E7系 グランクラス

普通車を含めた全座席にコンセントを装備したのもE7・W7系が初めてです。なお、E7系は現在北陸新幹線のほか上越新幹線でも使用されています。

「かがやき」「はくたか」「あさま」「つるぎ」の違いは?

北陸新幹線の列車は、速達タイプの「かがやき」、停車駅とスピードのバランスがとれた「はくたか」、東京駅〜長野駅間で運行される「あさま」、富山駅〜金沢駅間のシャトル便である「つるぎ」の4種類です。

かがやき

高崎も通過する首都圏北陸直行列車


E7系 かがやき 外観 12両編成で924席を備えるE7系。これからのJR東日本の標準型車両だ (新高岡駅〜金沢駅)

上野駅(一部列車は通過)、大宮駅、長野駅、富山駅だけに停車する最速列車で、午前中と夕方以降に運行されています。全席指定席で、自由席はありません。東海道・山陽・九州新幹線における「のぞみ」「みずほ」的な存在ですが、「フルムーン夫婦グリーンパス」のような割引きっぷの利用も可能です。全列車アテンダントによる軽食・ドリンクサービス付きのグランクラスを営業しています。

【使用車両】
E7系、W7系

【かがやきの停車駅】
東京駅・上野駅(一部列車は通過)・大宮駅・長野駅・富山駅・金沢駅

【座席の種類】
普通車(指定席のみ)/グリーン車(指定席のみ)/グランクラス(指定席のみ)

【コンセントの有無】
全席

【車内販売】
あり

  • 一部の列車は車内販売を行なっていません
  • グランクラスでのアルコール類の提供は9月14日現在休止中です

はくたか

旅客需要にフレキシブルに対応する主力列車


W7系 かがやき 外観

おおむね毎時1本ずつ運行されている、北陸新幹線の主力列車です。愛称の「はくたか」は、北陸新幹線金沢駅開業まで、上越新幹線に接続して越後湯沢駅〜金沢駅間で運行されていた特急列車の名称。北陸の人にはなじみ深い列車です。

車両は「かがやき」と同じE7系(W7系)ですが、東京寄りの1〜4号車に自由席が設定されています。停車パターンが多彩で、中には「かがやき」並みに高崎駅を通過する列車も。一部の列車は、長野駅で「かがやき」に追い抜かれるため9〜11分停車するほか、上越妙高駅で「かがやき」の通過待ちを行なう列車もあります。全列車グランクラスが営業しており、一部区間運転の列車を除きアテンダントによる軽食・ドリンクサービスも実施しています。

【使用車両】
E7系、W7系

【はくたかの停車駅】
東京駅・上野駅・大宮駅・高崎駅(一部列車)・軽井沢駅(一部列車)・佐久平駅(一部列車)・上田駅(一部列車)・長野駅・飯山駅(一部列車)・上越妙高駅・糸魚川駅・黒部宇奈月温泉駅・富山駅・新高岡駅・金沢駅

【座席の種類】
普通車(自由席・指定席)/グリーン車(指定席のみ)/グランクラス(指定席のみ)

【コンセントの有無】
全席

【車内販売】
あり

  • 一部の列車は車内販売を行なっていません
  • グランクラスでのアルコール類の提供は9月14日現在休止中です

あさま

北陸新幹線の大先輩は通勤輸送にも活躍


北陸新幹線 あさま 外観

東京駅〜長野駅間で区間運転を行なう列車です。「あさま」は、在来線時代から上野駅〜長野駅間の特急列車として親しまれ、1997(平成9)年に北陸新幹線高崎駅〜長野駅間が開業してからは「長野行新幹線」または「長野新幹線」の列車として活躍してきました。

現在も、長野県へ向かう人にとってはお馴染みの列車であるほか、埼玉県北部や群馬県から首都圏への長距離通勤輸送も担っています。安中榛名駅周辺には、JR東日本グループが分譲住宅地を開発していますが、これは「あさま」で首都圏に通勤することを想定した住宅です。グランクラスは、アテンダントが乗務せず料金が若干割安になります。

【使用車両】
E7系、W7系

【あさまの停車駅】
東京駅・上野駅・大宮駅・熊谷駅(一部列車)・本庄早稲田駅(一部列車)・高崎駅・安中榛名駅(一部列車)・軽井沢駅・佐久平駅(一部列車)・上田駅(一部列車)・長野駅

【座席の種類】
普通車(自由席・指定席)、グリーン車(指定席のみ)、グランクラス(指定席のみ)

【コンセントの有無】
全席

【車内販売】
なし

つるぎ

富山駅〜金沢駅間のシャトル輸送を担当


E7系 かがやき 外観

富山駅〜新高岡駅〜金沢駅間の短距離輸送を行なう列車で、ほとんどの列車が大阪方面からの特急「サンダーバード」、名古屋方面からの特急「しらさぎ」に接続しています。グランクラスは営業しておらず、乗車できるのは1〜7号車(一部8号車)と11号車のグリーン車のみです。

【使用車両】
E7系、W7系

【つるぎの停車駅】
富山駅・新高岡駅・金沢駅

【座席の種類】
普通車(自由席・指定席)、グリーン車(指定席のみ)

【コンセントの有無】
全席

【車内販売】
なし

停車駅一覧

    かがやき はくたか あさま つるぎ




東京  
上野  
大宮  




熊谷 - -  
本庄早稲田 - -  
高崎 -  




安中榛名 - -  
軽井沢 -  
佐久平 -  
上田 -  
長野  
飯山 -    
上越妙高 -    
糸魚川 -    
黒部宇奈月温泉 -    
富山  
新高岡 -  
金沢  

○:停車 ▲:一部停車 -:通過

  • 一部運行区間が異なる列車があります

座席の選び方

車窓風景はE席側がおすすめ

北陸新幹線のハイライトは、なんといっても糸魚川駅〜黒部宇奈月温泉駅間の後立山連峰と、黒部宇奈月温泉駅〜富山駅間で見える立山連峰。いずれも、金沢に向かって左側、E席側に見えます。もっともA席側も、糸魚川付近で日本海、黒部宇奈月温泉駅〜富山駅間で遠くに富山湾を見晴らすなど、捨てがたいものがあります。

問題は時間帯で、新幹線から立山連峰を眺める場合、南を向く形になるので、多くの時間帯が逆光になってしまいます。立山連峰が見える区間は、西北から南東方向を見晴らすので、午後であれば順光に近い状態で眺めることができます。雪のある時期がおすすめですが、真冬は悪天候が多いので、10〜11月か4〜5月の13〜14時頃がベストでしょう。

北陸新幹線の見どころ 

4分間のハイライトを見逃すな!

近年開業する新幹線は、大部分の区間がトンネルということが増えています。これは、山岳地帯を走ることもありますが、無理に地上を走るよりもトンネルにしてしまった方が土地を取得しやすく、ルート設定や勾配の自由度も増し、建設も一定のペースで進められるから。レールなどの施設が雨風にさらされないので、メンテナンスコストをも含めるとトンネルにした方がリーズナブルともいわれています。

北陸新幹線も、特に高崎駅〜長野駅間ではその傾向があり車窓風景はあまり見えません。一方、2015(平成27)年に開業した長野駅〜金沢駅間は、北アルプスの火山帯を避けたこともあり、特に黒部宇奈月温泉駅〜富山駅間で地上区間が多く、立山連峰などの景色を存分に味わうことができます。

浅間山

じつは高崎からも見える活火山


北陸新幹線 車窓 浅間山 軽井沢駅〜佐久平駅間で悠然とした姿を見せる浅間山。やはり春や秋の朝方が美しい

長野新幹線区間のハイライトといえば、やはり日本を代表する活火山、浅間山です。下り列車で軽井沢駅を出てまもなく右手A席側に、遮るものもなく浅間山の全体を見通せます。

浅間山は、標高2568m、十万年以上前から活発に噴火活動を行なっている活火山で、現在もしばしば水蒸気噴火や小規模なマグマ噴火を起こしています。北陸新幹線の車窓で、浅間山が最もよく見えるのは軽井沢駅付近ですが、じつは高崎駅の前後でも晴れていれば山頂付近が見えます。高崎駅からは、隣の妙義山と並んで見え、曲線的な浅間山と切り立った妙義山の山容の違いを観察できます。


北陸新幹線 車窓 浅間山 高崎発車直後の関東平野からも浅間山(右)は見える。左の妙義山との対比が面白い

半過岩鼻(はんがいわばな)

千曲川(ちくまがわ)が削った奇岩


北陸新幹線 車窓 半過岩鼻 巨大な洞穴のように見える半過岩鼻。地形の変化を観察できるのも新幹線の楽しみの一つ

上田駅〜長野駅間の、上田市と坂城町(さかきまち)の境界付近でE席側に見える、自然が作りだした奇妙な大岩が半過岩鼻です。西の冠着山(かむりきやま)から延びてきた山が、千曲川の手前で急にぷっつりと切れ、そこだけ草木が生えず岩がむき出しになっています。これは、千曲川の流れが山を浸食してできたといわれる奇岩。石英角閃石ひん岩という岩脈でできており、中央に千曲川の水が掘ったとされる巨大な穴が開いているのが特徴です。

新幹線からは見えませんが、手前側にも塩尻岩鼻(しおじりいわばな)と呼ばれる奇岩がありこちらは火山灰が固まった緑色凝灰岩。向き合った2つの岩鼻の岩質が異なることから、ここに千曲川断層があるといわれています。半過岩鼻のてっぺんには千曲公園があり、北陸新幹線と上田盆地を一望できます。

長野新幹線車両センター

豪雨災害で壊滅的な被害を受けるも完全復旧間近


北陸新幹線 車窓 長野新幹線車両センター 日中の長野新幹線車両センターは車両が出払っていることが多い。これは水害前の写真

長野新幹線の時代から使用されている新幹線の車両基地です。車両の検査・点検を行なう検修設備を備えていましたが、2019年10月13日の台風19号による水害で、10編成120両が冠水する被害を受けました。冠水した車両はその後すべて廃車となり、車両基地も検修機能を失っていましたが、現在完全復旧に向けて修繕が続けられています。

車両を一時的に留置する施設としては現在も使用されていますが、日中はほとんど車両がいません。車両が並んでいる姿が見えたら、ラッキーといえるでしょう。

日本海

本州を縦断した新幹線が初めて出合う


北陸新幹線 車窓 日本海 糸魚川で日本海に出合う。数年前大火に遭った糸魚川の町は順調に復興が進む

糸魚川付近で、A席側から市街地越しに日本海を見晴らすことができます。全国約3000kmの新幹線路線網の中で、車窓から日本海が見られるのは北陸新幹線だけ。線路の北側にあるので、晴れた日中であれば青く美しい海を楽しめるでしょう。海上保安庁の巡視船が見られることも多いです。

デンカ青海工場

セメント生産のすべてを一瞬で見られる?


北陸新幹線 車窓 デンカ青海工場 背後の山から石灰石を採掘し、貨物列車で運んでセメントを作るデンカ青海工場。北陸新幹線沿線屈指の工場萌え

下り列車で糸魚川駅を発車し、最初のトンネルを抜けると、E席側に化学肥料の石灰窒素やセメントを生産するデンカ青海工場が見えます。工場の背後にある黒姫山(くろひめやま)から石灰石を採掘し、工場専用鉄道で輸送して工場で生産します。この工場専用鉄道は、かつては北陸本線に線路がつながっていて、生産品を貨物列車で出荷していました。現在は廃止され、工場内のみで完結する珍しい専用鉄道となっています。

後立山連峰・立山連峰

北陸新幹線のハイライトは雪のある季節に


北陸新幹線 車窓 後立山連峰・立山連峰 黒部宇奈月温泉駅〜富山駅間で見晴らせる立山連峰。中央のギザギザした山が剱岳で、その右に剣御前、奥大日岳、大日岳などが連なる

糸魚川駅から黒部宇奈月温泉駅に向かう途中、親不知海岸のトンネルを抜けると、E席側に秀麗な山々が見えてきます。あれは、後立山連峰。飛驒山脈(北アルプス)のうち、黒部川の東側にある山脈で、朝日岳(2417m)や清水岳(2603m)などが見えます。黒部宇奈月温泉駅を過ぎトンネルを抜けると、今度は立山連峰。空気の澄んだ晴れた日には、剱岳(2999m)や大日岳(2501m)、大汝山(3015m)、弥陀ヶ原などをたっぷりと見られます。ハイライトは、早月川から常願寺川までの約4分間です。

おトクなきっぷ

北陸新幹線にはおトクなきっぷがあまりありません。東北・北海道新幹線で設定されている、通常のほぼ半額で乗車できる「お先にトクだ値スペシャル」も北陸新幹線には設定されておらず、最大でも13日前までに購入すると30%オフになる「お先にトクだ値」のみ。それも、普通車のみの設定です(あさまのみグリーン車も利用可能)。

大人の休日倶楽部会員限定 北陸フリーきっぷ

往復するだけで元が取れる!ほぼ通年使えるきっぷ

もしあなたが満50歳以上であれば、JR東日本の「大人の休日倶楽部」への入会がおすすめです。

年会費2624円(初年度無料)のクレジットカードですが、JR東日本とJR北海道の運賃・料金がいつでも5%割引になるほか、ほぼ通年販売している「北陸フリーきっぷ」を利用できます。これは、首都圏からの北陸新幹線往復と、北陸地方のJR・IRいしかわ鉄道・あいの風とやま鉄道のフリーエリアに4日間乗り放題のきっぷがセットになったフリーきっぷで、フリーエリアでは追加料金なしで新幹線を含む特急列車にも乗車できます。

東京都区内発着の値段は2万2410円で、なんと通常のきっぷで東京駅〜金沢駅間を往復する場合(通常期2万8760円)よりも安く済みます。鉄道旅が好きなシニアに文句なしにおすすめの商品です。

フリーエリア
JR西日本
北陸新幹線(黒部宇奈月温泉〜金沢)北陸本線(金沢〜敦賀)、高山本線(富山〜猪谷)、氷見線、城端線、七尾線(津幡〜和倉温泉)、越美北線、小浜線(敦賀〜小浜)
IRいしかわ鉄道(全線)
あいの風とやま鉄道(倶利伽羅〜黒部)

有効期間
連続する4日間

販売期間(利用開始日の1カ月前から前日までに購入)
(2022年度)2023年3月30日まで
(2023年度)2023年3月1日~2024年3月30日まで
利用期間
(2022年度)2023年4月3日まで
(2023年度)2023年4月1日~2024年4月3日

販売価格
東京都区内発 2万2410円
川口・戸田公園〜大宮発 2万1390円

  • 大型連休、お盆、年末年始には使えない期間あり

北陸乗り放題きっぷ

北陸新幹線の美味しいところが乗り放題

JR西日本の商品で、京都・大阪・神戸各市内からの特急列車での往復と、フリーエリア内の新幹線を含む特急・普通列車自由席に3日間乗り放題となるきっぷです。

「大人の休日倶楽部会員限定 北陸フリーきっぷ」と異なり年齢制限はなく、通年いつでも購入できます(利用開始の前日までに購入)が、2人以上で利用することが条件。プラス2000円するだけで、特急と新幹線のグリーン車が乗り放題となります。子ども用が安く抑えられているのも嬉しいところです。

フリーエリアは「大人の休日倶楽部会員限定 北陸フリーきっぷ」とほぼ同じ(あいの風とやま鉄道は倶利伽羅駅~越中宮崎駅間)で、北陸新幹線のいちばん車窓がよい区間が乗り放題となります。

※「北陸乗り放題きっぷ」は、2023年3月をもって発売を終了しました

北陸観光フリーきっぷ

使い勝手がよい東海地区発着のフリーきっぷ

JR東海が販売しているフリーきっぷです。

新幹線を含む特急・普通列車自由席に乗り放題となるフリー区間は「大人の休日倶楽部会員限定 北陸フリーきっぷ」とほぼ同じ(小浜線は対象外)で4日間有効、静岡、浜松、名古屋などからの往復乗車券と特急券がついていますが、このきっぷがユニークなのは、片道は米原経由の特急「しらさぎ」(米原まで新幹線利用可)、片道は高山本線「(ワイドビュー)ひだ」と、往復で別のルートを利用することが条件となっていることです。

ほぼ通年発売で出発当日購入可、1人でも利用でき、フリーエリア外の下呂・高山・飛驒古川でも途中下車できるなど、大変使い勝手のよいフリーきっぷです。

有効期間
4日間

販売期間
通年

販売価格(子ども半額、10円未満切り捨て)
名古屋市内発    1万6230円    
浜松発        1万8330円
静岡発        1万9360円

  • 大型連休、お盆、年末年始には使えない期間あり


【北陸新幹線】基本データ

営業区間:高崎駅〜金沢駅

営業キロ:345.5km
※参考:東京駅〜金沢駅間の実キロは454.1km
※※北陸新幹線の営業キロは、実際の距離(実キロ)と同じです

使用車両:E7系/W7系

最高速度:260km/h(東京〜上野間110km/h、上野〜大宮間130km/h、大宮〜高崎間240km/h)

最速列車の表定速度(停車時間を含めた平均速度)
かがやき509・514・516号    185.3km/h(東京〜金沢間)
はくたか560・561・562・563・564・565・566・567・568号    155.7km/h(東京〜金沢間)
あさま605号    144.3km/h
つるぎ    159.8km/h

座席の種類:普通車自由席、普通車指定席、グリーン車、グランクラス

 車内サービス

  車内販売  
かがやき ○*  
はくたか ○*  
あさま ×  
つるぎ ×  
※一部の「かがやき」「はくたか」は車内販売を行なっていません

トイレ:奇数号車金沢寄り

  車いす対応トイレ 女性専用トイレ 車いすスペース 多目的室
E7系・W7系 7・11号車 1・3・5・9・12号車 7・11号車 7号車
※多目的室は身体の不自由な人や気分の悪くなった人、授乳が必要な人などが車掌に申し出ると利用できます

 


著者紹介

栗原 景(くりはら かげり)

1971年、東京生まれ。鉄道と旅、韓国を主なテーマとするジャーナリスト。出版社勤務を経て2001年からフリー。小学3年生の頃から各地の鉄道を1人で乗り歩き、国鉄時代を直接知る最後の世代。東海道新幹線の車窓を中心に、新幹線の観察と研究を10年以上続けている。主な著書に「廃線跡巡りのすすめ」、「アニメと鉄道ビジネス」(ともに交通新聞社新書)、「東海道新幹線沿線の不思議と謎」(実業之日本社)、「東海道新幹線の車窓は、こんなに面白い!」(東洋経済新報社)ほか。

  • 写真/栗原景、交通新聞クリエイト
  • 本記事は2021年9月に公開いたしましたが、2023年3月13日にトレたび編集部により情報を更新いたしました。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。

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