2024.07.19鉄道JR東日本 寝台特急「カシオペア」25周年記念キャンペーン など【今週の交通新聞より】
2024年7月16日~7月19日の交通新聞から注目のニュースをご紹介!
交通新聞に掲載のニュースの中から、特に注目のニュースをトレたび編集室がピックアップしてご紹介します。
【今週注目のニュースはこちら】
・JR東日本 「えきねっとQチケ」10月1日開始 東北エリアから
・JR東日本 寝台特急「カシオペア」25周年記念キャンペーン
・JR東日本・JR東海・JR西日本 「Japanese Beauty Hokurikuキャンペーン」25年1月から展開
・JR北海道 常設メタバース「バーチャル札幌駅JRタワー さつえき.world」開設
7月16日 火曜日
JR東日本 「えきねっとQチケ」10月1日開始 東北エリアから
26年度末に管内全域拡大
JR東日本は11日、乗車用QRコードがきっぷの代わりとなり、Suicaエリア外でもチケットレスで同社線を利用できるサービス「えきねっとQチケ」を10月1日から東北エリアで開始すると発表した。あらかじめ「えきねっと」できっぷを申し込み、発行されたQRコードで自動改札機を利用。スマートフォン一つでシームレスに乗車できる。東北エリア導入後は、段階的にサービス提供エリアを拡大し、2026年度末には管内全域で利用できるようにする予定。
同サービスは、スマートフォンの乗車用QRコードだけで乗り降りでき、みどりの窓口や券売機でのきっぷの受け取りは不要。同社の新幹線・在来線も一つの乗車用QRコードで利用できる。
このため、Suicaエリア外を利用する人や、新幹線・在来線をまたがって利用する人、きっぷを受け取るために遠くの駅まで行かなければいけない人にとって、利便性が大幅に向上する。
購入できる商品は、乗車券、新幹線の特急券(普通車自由席、同指定席、グリーン車、グランクラス)、在来線の特急券(普通車指定席、グリーン車)。特急券は乗車券とセットの場合に限り購入可能で、特急券のみは不可。大人の休日倶楽部割引、株主優待割引は利用可能。在来線の特急券では、チケットレス特急券、同(トク割)を申し込める。
利用には「えきねっとアプリ」(8月から「えきねっとチケットレスアプリ」に名称変更)が必要。申し込みはえきねっと、または同アプリから行う。駅では、同アプリで乗車用QRコードを表示し、QRコード対応の自動改札機にかざして通る。
自動改札機がない駅(駅係員不在の駅を含む)では、利用者自身で同アプリ上で利用開始の操作(セルフチェックイン)を行い、駅係員・乗務員などへ提示することで利用できる。
サービス開始時期は10月1日乗車分から。申し込みは乗車日1カ月前の10時から、「えきねっと事前受付」も可能。サービスエリアは東北エリアの新幹線・在来線。ただし、JR東日本BRT(バス高速輸送システム)、気仙沼線前谷地―柳津間を除く。北海道新幹線区間を含む場合は予約できない。
JRE POINTの付与率は、新幹線が特急料金・グリーン料金などに対し2%。在来線特急は特急料金・グリーン料金などに対し5%。乗車券部分、新幹線の自由席利用は付与対象外。支払い方法は、えきねっと上でのクレジットカード決済のみ。複数人で旅行する場合は、申し込んだ本人を含む必要がある。
東北エリア導入後は、25年度下期に東京都区内エリアと東北新幹線(東京―郡山間)、26年度下期に上信越エリアと上越・北陸新幹線(大宮―新潟間、高崎―上越妙高間)を追加。26年度末には管内全域で利用可能にする予定。
7月17日 水曜日
JR東日本 寝台特急「カシオペア」25周年記念キャンペーン
特設サイトや記念グッズ
JR東日本は16日から、寝台特急「カシオペア」が同日に運転開始25周年を迎えたことを記念して、特別プロモーションを展開している。四半世紀の愛顧に感謝し、特設ウェブサイトの開設や上野駅でのオリジナル動画放映、記念グッズの販売、通販ウェブサイト「JRE MALL」と連動した「JRE POINTプレゼントキャンペーン」などの多彩な企画を行い、カシオペアに対するさらなる周知促進を図っていく。
寝台特急カシオペアは1999年7月16日に、上野-札幌間でデビュー。同社初のオール2階建て寝台客車で、寝台車10両、食堂車1両、ラウンジ車1両の12両編成。2016年3月に寝台特急としての定期運行を終了したが、その後も旅行商品向け団体専用臨時列車「カシオペア紀行」として活躍している。
今夏の「カシオペア紀行」は、8月17、22、30日に上野―仙台間で催行。旅行商品はJR東日本びゅうツーリズム&セールス(VTS)が今月19日12時以降、順次販売する。
特設サイトは16日10時から順次公開。かつての寝台特急時代に関するコンテンツや、今後の企画、プロモーションなどの情報を発信する。上野駅では、上野広小路口のビジョンと、13番線ホームの「PLATFORM13」壁面で、今後のカシオペアの運行日などに合わせてオリジナル動画を放映する。
運転開始25周年を記念したカシオペアグッズは、チョコレートブラウニー「25周年限定仕様カシオペア笹川流れの塩ブラウニー」を販売。10個入り3000円。商品ラインアップは今後も増やしていく予定。
JRE POINTプレゼントキャンペーンは、9月30日までの期間中にJRE MALLショッピングの対象ショップでカシオペアグッズを含む2500円以上(送料を除く)を購入すると、抽選で25人に同ポイント2万5000ポイントを進呈する。エントリー制。10月以降にはオリジナル列車カードをプレゼントするキャンペーンを実施する。
このほか、各旅行会社が販売する「カシオペア紀行」商品に加えて、JRE MALLチケットでカシオペアを利用したさまざまな体験型商品を販売する。内容や発売時期は特設サイトで案内する。
7月18日 木曜日
JR東日本・JR東海・JR西日本 「Japanese Beauty Hokurikuキャンペーン」25年1月から展開
新幹線延伸効果を定着化 DCに続けて開催
JR東日本、JR東海、JR西日本と、北陸三県誘客促進連携協議会(石川県、福井県、富山県、北陸経済連合会、JR西日本金沢支社などで構成)、北陸観光協会は16日、北陸の魅力を存分に楽しめる観光キャンペーン「Japanese Beauty Hokurikuキャンペーン~日本の美は、北陸にあり。~」を来年1月1日から3月31日まで実施すると発表した。今回は今年10~12月に開催される「北陸デスティネーションキャンペーン」(北陸DC)に続けて開催。今年3月の北陸新幹線金沢―敦賀間延伸開業で盛り上がりをみせる北陸へ、さらなる誘客促進を図る。
同キャンペーンは2004年に開始。今年で20回目の開催となる。同協議会が、北陸の魅力である食や温泉、伝統工芸体験などの観光素材を整備。JR3社が共同で首都圏、中京圏、関西圏から北陸3県へ集中的に送客を図り、北陸観光の定着化につなげる。
期間中、北陸DCのテーマでもある「美観」「美食」「美技」「美湯」「美心」の五つの美のコンセプトの下、北陸の古き良き魅力や、時代に合わせて広がる新たな楽しみ方を提案する。
「美食」では、「富山湾鮨セットクーポン」や新湊漁港(富山県射水市)の昼セリ見学プラン、加賀会席を楽しむプラン、「金沢かにグルメ」「若狭ふぐ大満足コース」などを用意。「美観」では、新湊内川の観光船ナイトクルーズ、北陸最古のウイスキー蒸留所「三郎丸蒸留所」(富山県砺波市)、電池推進遊覧船による三方五湖周遊(福井県美浜町、若狭町)などにスポットを当てる。
このほか、「美技」は瑞泉寺ナイトミュージアム(富山県南砺市)、鋳物工場の砂型製作体験(金沢市)、「美湯」は芸妓(げいぎ)ガイドによる山中座舞台裏ツアー・プライベート公演(石川県加賀市)、「美心」は国宝・勝興寺の特別写経体験(富山県高岡市)、着地型観光バスツアー「はぴバス」(福井県)などのメニューをそろえる。
同日は、5者などによる「北陸誘客促進会議」が富山県高岡市内で開催され、沢登正行JR東日本マーケティング本部くらしづくり・地方創生部門長、榊原篤JR東海執行役員・営業本部長、岡田学JR西日本理事・マーケティング本部鉄道マーケティング部長、石原利信同執行役員・金沢支社長、竹沢淳一同協議会会長(石川県文化観光スポーツ部長)ら関係者が出席。
竹沢会長のあいさつに続き、3社を代表して岡田部長がキャンペーンへの抱負を述べた後、JR金沢支社の社員が地元の観光素材の説明を行った。
7月19日 金曜日
JR北海道 常設メタバース「バーチャル札幌駅JRタワー さつえき.world」開設
新たな体験価値を提供 リアルな情報発信や仮想空間イベントなど
JR北海道の綿貫泰之社長は17日の定例会見で、インターネット上に「バーチャル札幌駅JRタワー さつえき.world」(さつえきドットワールド)をあす20日にオープンすると発表した。札幌駅の顔、駅南口広場などを表現した常設の入場無料メタバースで、利用者にアバター(分身)を通して新たな体験価値を提供する。現実世界となるJRタワー施設の情報発信や、仮想空間上でのイベント開催、広告枠販売などのコンテンツを用意。本年度目標はアクセス数20万人を掲げる。
4月から始まった3カ年のグループ新中期経営計画にも掲げた、開発・関連事業の「新たな事業領域への挑戦」の取り組みの一つ。今後さらに拡大が見込まれるメタバース市場へ参入することで、新たなビジネスチャンスの獲得を図る。
狙うのは、JRタワー施設の札幌ステラプレイス、アピアで展開するリアル事業のショッピングセンター(SC)事業との相乗効果。若い女性が主な客層となる2施設に、男性ユーザーが多いとされる同市場を組み合わせることで、新たな客層の獲得を目指す。
制作には、スマートフォンやパソコンのウェブブラウザ上で楽しめる仮想空間が構築できる開発エンジンで、メタバース関連事業者のHIKKY(東京都渋谷区)が提供する「Vket cloud」を用いた。運営は、同SC2施設を所管するグループの札幌駅総合開発が担当する。
さつえきドットワールドでは二つの空間を用意する。牧歌的な雰囲気をコンセプトに、北海道の豊かな自然と駅前広場を組み合わせた空間「札幌駅南口広場」では、JRタワー情報発信のほか、開業時には網走市、北見市が参画する自治体連携PRブース、「推し活」ニーズの取り込みを図る一般販売向け広告枠などのコンテンツを提供。北海道新幹線コラボレーション企画も準備する。
もう一つの空間「水の広場」は、イベントなども行われて市民に親しまれた旧パセオの広場をイメージした世界とした。往年の再現へ、VTuber(バーチャルユーチューバー)のライブやトークショーのステージイベントを計 画している。
利用は無料。今後は有料コンテンツなども随時追加していく予定。
このほか、メタバース事業の一環として、20日~8月4日にオンライン上で開催される世界最大級のバーチャルイベント「バーチャルマーケット2024 Summer」(HIKKY主催)に初出展。JRタワーや北海道新幹線の迫力を体験できるVR(仮想現実)ゴーグルなどの専用コンテンツ、さつえきドットワールドをPRするウェブブラウザコンテンツの展開にチャレンジする。
綿貫社長はメタバース内での収入について、「アクセス数をしっかりと増やし、空間内の広告販売収入やスペースに出店してもらう賃貸収入、アバターアイテムの販売といったものを狙っていきたい」と述べた。
交通新聞
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