2022年から全車両キハ261系1000代に置き換え。十勝平野を横断する特急
広大な十勝平野を横断し、北の大都会・札幌駅と道東の釧路駅を約4時間~4時間半で結ぶ特急「おおぞら」。
かつては夜行便も存在していましたが、現在は昼行便が1日6往復走っています。
車両は2022年3月12日からキハ261系1000代に統一。基本編成は4両ですが、多客期は6〜7両に増結されることもあります。
「おおぞら」はどんな列車?
キハ261系1000代
キハ261系1000代はキハ183系の老朽取替として、2007年に「スーパーとかち」としてデビューした車両。「おおぞら」には2020年3月14日のダイヤ改正から投入されています。
前頭部はライトが横に並んだ0代とは異なり、同時期に製造された789系1000代に似た顔つきになっています。
北海道の雄大な大地を表現したエクステリアデザイン
車体カラーはホワイトを基調に、前面から側面にかけてパープルのラインをあしらい、「伸びやかなイメージ」や「雄大な大地」を表現。また、地上側からの視認性を向上させるため前面にイエローを配しています。
ベースカラーのホワイトは降り積もる雪や滑らかさ、誠実さ、ラインのパープルは北海道を代表する花のラベンダーやライラックをイメージ。前面のイエローは菜の花が咲き誇る北海道の春を思い起こさせます。
グリーン車(1号車)
グリーン車は1+2席の配列で計24席。編成によって本革シートと青地の不織布シートの2タイプがあり、パソコン用のコンセントが各座席の肘掛けまたは各列の壁側に備わっています。
デッキには多目的室や大型荷物スペースが設けられています。
普通車(2〜4号車)
普通車の配列は2+2席です。従来の普通車よりも座席幅が拡大し、背もたれも大型化。
座席の枕は上下に動かすことができ、頭をしっかりと支えてくれます。背面はチケットホルダーやドリンクホルダーも備わっています。
全車指定席化で利便性向上
2024年3月16日のダイヤ改正で、「おおぞら」は全車指定席に。
これにより、自由席を確保するために早くからホームで並ぶ必要がなくなり、始発駅に近いほど座れる確率が高いという不公平感も解消。車内改札も不要となり、車内でよりゆっくり過ごせるようになりました。
ネット予約サービスの「えきねっと」では、運賃+指定席特急料金がおトクに購入できる「特急トクだ値」が設定されています。
「おおぞら」はこう楽しむ!
レア車両のキハ261系5000代を狙う
通常はキハ261系1000代で運転されている「おおぞら」ですが、不定期的に多目的特急車両のキハ261系5000代が充当されることも。「はまなす編成」と「ラベンダー編成」があり、それぞれの花をイメージした鮮やかな外観が特徴です。
車内にはフリーWi-Fiやコンセントを完備。グリーン車はありませんが、大型テーブル付きのボックス席や、窓向きのカウンター席が設けられたフリースペース車両が付いています。
運用情報はホームページで公開されているので、お出かけ前にぜひチェックを。
釧路駅から「くしろ湿原ノロッコ号」に乗る
「おおぞら」の終着駅・釧路駅から乗れるのが、釧網本線を走る「くしろ湿原ノロッコ号」。
4月下旬から10月上旬にかけて釧路〜塘路駅間で運転される観光列車で、開放感のある車窓から釧路湿原の大自然を存分に楽しめます。車内では沿線の釧路町や標茶町などの特産品や、オリジナルグッズの販売も。
人気商品は地元レストラン特製の「ノロッコ号プリン」。濃厚な牛乳の旨味がやみつきです。
「くしろ湿原ノロッコ号」についてはこちらもチェック!
列車情報
運転日 | 毎日運転 |
---|---|
運転区間 | 札幌駅〜釧路駅間(函館本線、千歳線、石勝線、根室本線) |
運転時刻 |
【下り】 おおぞら1号:札幌駅6:48発→釧路駅10:56着 おおぞら11号:札幌駅19:39発→釧路駅23:52着 【上り】 おおぞら2号:釧路駅6:18発→札幌駅10:41着 おおぞら12号:釧路駅19:00発→札幌駅22:59着 |
備考 | ※始発・最終列車の時刻を掲載 |
特急「おおぞら」の詳しい情報はこちら!(JR北海道公式HP)
著者紹介
- ※文/佐藤正晃
- ※写真/交通新聞クリエイト
- ※掲載されているデータは2024年7月1日現在のものです。