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2019.05.10鉄道草津―温泉に行こう! 大型リクライニングシートのグリーン車指定席、車窓の風景が楽しめる普通車指定席・自由席も魅力(THE列車)

首都圏と吾妻線沿線の温泉地を結ぶ特急列車

首都圏と吾妻線沿線に点在する温泉地を結ぶのが、スタイリッシュな651系1000番台を使用した特急「草津」です。上野~長野原草津口を結ぶ定期列車2往復(週末は増発)が設定されています。列車の愛称は長野原草津口駅が最寄り駅となる草津温泉に由来するもので、1960(昭和35)年6月1日に運転を開始した臨時準急「草津」がそのはじまりです。

上野駅を発車した列車は、途中の赤羽駅、浦和駅、大宮駅に停車。大宮駅から高崎線に入ると熊谷駅、高崎駅の2駅、上越線に入ると新前橋駅のみに停車して上州路を快走します。そして渋川駅を発車した列車は上越線と分岐して左手に進み、単線の吾妻線を走ります。上越新幹線の高架橋をくぐり抜けて田園風景の中を走り、吾妻川の鉄橋を渡ると左手車窓に川の流れが沿うようになります。四万温泉や沢渡温泉の玄関口となる中之条駅を発車し、岩島駅を通過すると八ッ場ダム建設のために付け替えられた新しい路線に入り、吾妻線で最長となるJR八ッ場トンネル(4582メートル)をくぐり抜け、間もなく終着の長野原草津口駅に到着します。

鉄道コンシェルジュ ミスターKのとっておき情報

スタイリッシュな651系特急形電車


草津1

特急「草津」に使用されている651系1000番台7両編成は、常磐線の特急「スーパーひたち」用として開発された651系をリニューアルした車両です。登場時のキャッチコピーは「タキシードボディのすごいヤツ」でしたが、今もスタイリッシュな車両として人気があります。なお、「草津」用の651系1000番台は、新たにオレンジ色のラインを客室窓の下に配置したお洒落な外観となっています。

大型リクライニングシートのグリーン車指定席


草津2

7両編成の中間の4号車に連結されるのが、2+1席配置の大型リクライニングシートを装備したグリーン車指定席です。シートピッチは1160ミリメートルとゆったりしており、足を伸ばしてくつろぐことができます。片側が1席配置となっているため、ひとり旅でも自分だけの空間を楽しむことができます。各座席に読書灯が設置されているので、手元を明るく照らすことができます。

車窓の風景が楽しめる普通車指定席・自由席


草津3

7両編成の上野寄りの1・2号車が普通車自由席、3・5~7号車の4両は普通車指定席となります。車内は2+2席配置のフリーストップタイプのリクライニングシートを配置。シートピッチは970ミリメートルで、家族・グループ旅行では座席を回転させて向かい合わせの4人席にできます。また、ワイドな客室窓からは吾妻線沿線の山河の美しい車窓風景を楽しむことができます。

車椅子対応設備がある3号車の普通車指定席


草津4

3号車の普通車指定席には、車椅子対応の一人用座席が2席配置されています。座席は4号車寄り車端にあり、デッキには車椅子対応の大型トイレが設置されています。乗車2日前までJR東日本の乗車する駅のみどりの窓口や、電話にて利用の受付を行なっています。また、授乳などで利用できる多目的室も3号車に設置されており、乗車後に車掌に申し出て利用することができます。

長野原草津口駅からJRバスで草津温泉へ


草津温泉

特急「草津」の終着となる長野原草津口駅からJRバスに乗り継げば、最速22分で草津温泉バスターミナルに到着します。日本三名泉のひとつに数えられる草津温泉は万病に吉とも謳われ、古くから湯治場としても知られています。温泉街中央の湯畑を中心に日本情緒豊かな温泉宿、周囲にはリゾートホテルや日帰りの温泉関連施設があり、大勢の観光客や湯治客で賑わっています。

【もっと先まで】普通列車に乗り継いでローカル線旅情を満喫


吾妻線

1971(昭和46)年3月7日、長野原駅(現長野原草津口)~大前駅間が延伸開業され、路線名が長野原線から吾妻線に変更されました。現在、長野原草津口駅から先は普通列車のみの運転となり、ローカル線旅情を楽しむことができます。途中の万座・鹿沢口駅の駅名は「・」が入るという珍しいもので、JRの駅名としては唯一です。また、終着の大前駅は1日下り4本・上り5本の普通列車のみが発着するローカル駅です。


列車情報

運転日 毎日運転
運転区間 東北本線・高崎線・上越線・吾妻線 上野駅~長野原草津口駅間
運転時刻 【下り】
1号:上野駅10:00発→長野原草津口駅12:18着
3号:上野駅12:12発→長野原草津口駅14:34着
【上り】
2号:長野原草津口駅13:07発→上野駅15:26着
4号:長野原草津口駅15:43発→上野駅18:09着

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著者紹介

ミスターK(結解喜幸)

1953年、東京都出身。出版社勤務を経て旅行写真作家に。鉄道や時刻表のたのしさを知り尽くした鉄道の達人。現在は地酒とつまみを追い求める「飲み鉄」にはまっている。

  • 写真/SONIC RAIL GARDEN、交通新聞クリエイト
  • 掲載されているデータは2019年5月現在のものです。
  • 運転日・運転区間等は変更となる場合があります。
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