トレたび JRグループ協力

2024.11.25鉄道「SATONO」-南東北3県の豊かな風土を味わう観光列車(THE列車)

郷(さと)の人や食、文化を感じる列車旅

2023年夏まで青森エリアで活躍したHB-E300系ディーゼルハイブリッド車両の観光列車「リゾートあすなろ」をリニューアルし、2024年4月から南東北エリアで運行を開始したのが「SATONO(さとの)」です。
列車名には、ふるさとのように懐かしくて温かい東北の景色や食、文化、人とのふれあいをのんびりと味わいながら列車旅を楽しんでほしいという思いが込められています。

「SATONO」はどんな列車?

宮城・福島・山形の3県を中心に運行


SATONOが運行されているのは宮城・福島・山形の東北3県。季節によって列車名とルートが変わります。

2024年度は春から初夏にかけて「あいづSATONO」として磐越西線経由で郡山駅〜喜多方駅間を、秋には「いろどりSATONO」として紅葉が美しい仙山線経由で仙台駅〜山形駅間を運行。
そして冬からは、「だてSATONO」として石巻線などを経由して仙台駅〜女川駅間を走ります。

環境にも優しいハイブリッドシステム車

HB-E300系には、ディーゼルエンジンとリチウムイオン蓄電池を組み合わせたハイブリッドシステムを採用。
発車時は蓄電池の電力を、走行中はディーゼルエンジンと発電機で生み出した電力と、蓄電池の電力を使って加速します。

一方で、減速時はブレーキのエネルギーを電気に変換して蓄電池に充電。エンジンの動力で車輪を直接動かす従来のディーゼル車に比べ、燃費性能や環境性能、メンテナンス面でも優れています。

エクステリアデザイン


1号車と2号車で車体のカラーリングが異なり、それぞれの色合いで南東北の豊かな風土を表現しています。

1号車は緑色系のカラーリングで、草木の芽吹く様子を表した若葉色や、深い山々をイメージした濃い緑色で、東北地方の緑豊かな山々や田畑の実りを表現。
2号車は青色系のカラーリングで、清らかで雄大な川の流れや広い空を表す水色や、深い海をイメージした濃い青色で、東北地方の清らかで豊かな水や、透き通った空気を表現しています。

1号車 グリーン車指定席


グリーン車の1号車の配席は、食事を楽しむための大型テーブルがあるボックスシートが中心。

4人掛けボックスシートが3区画、2人掛けボックスシートが5区画のほか、窓向きの1人用カウンター席が3席の計25席です。
車窓風景をたっぷりと堪能できるよう、側面には大型窓が採用されています。

また、運転席後ろは展望フリースペースになっており、前面展望が楽しめる腰掛けも備わっています。

2号車 普通車指定席


普通車の2号車は「2-2」配列のリクライニングシートが計34席。1号車側デッキ寄りの1列分のみ、車椅子対応座席として「1-1」配列になっています。

1号車と同様に大型窓を採用し、どの席からでも季節ごとに変わる南東北の豊かな自然風景をゆったりと眺めることができます。運転席後ろはフリースペース。
腰掛けは設置されていませんが、広々とした空間で側面・前面展望を楽しめます。

「SATONO」はこう楽しむ!

「うけとりっぷ」で沿線名物を事前予約


「金華弁当」(上り列車限定)

「みやぎまるごと弁当」(下り列車限定)

「SATONO」では、スマートフォンでの事前予約・決済で、沿線のお弁当や地酒などを列車内で受け取れるサービス「うけとりっぷ」が利用可能。

12月から2025年2月にかけて仙台駅〜女川駅間で運転される「だてSATONO」では、金華山沖で育ったブランド銀鮭の金華銀鮭や牡蠣天ぷら、穴子錦焼などを盛り込んだ「金華弁当」(上り列車限定)、牛タン焼きやはらこ飯、笹かまぼこなどの宮城名物が詰まった「みやぎまるごと弁当」(下り列車限定)などを予約できます。

女川温泉ゆぽっぽ

12月から2025年2月にかけて運行される「だてSATONO」は、仙台駅と太平洋沿岸の女川駅との間を結びます。

震災後に移設・再建された女川駅の駅舎には、女川町営の温泉施設「女川温泉ゆぽっぽ」が合築されています。
ゆぽっぽの温泉はph8.8の低張性アルカリ性温泉で、皮脂を乳化して肌をすべすべにする効果があることから、美人の湯とも言われます。
駅舎前には無料の足湯もあり、電車の待ち時間などにも気軽に利用できます。


列車情報

運転日 12月7・8・14・15・21・22・28・29日、2025年1月4・5・11〜13・18・19・25・26、2月1・2・15・16・22〜24日
運転区間 「あいづSATONO」郡山駅〜喜多方駅間(磐越西線経由) 「いろどりSATONO」仙台駅〜山形駅間(仙山線経由) 「だてSATONO」仙台駅〜女川駅間(上り:石巻線、仙石東北ライン経由、下り:東北本線、石巻線経由)
運転時刻 【上り】女川駅14:16発→仙台駅16:28着
【下り】仙台駅9:57発→女川駅12:00着
備考 「だてSATONO」として運転

「SATONO」の詳しい情報はこちら!


著者紹介

佐藤正晃

1991(平成3)年、スーパートレイン全盛期生まれの旅行・交通ライター。青森県青森市出身。

撮影旅・乗車旅が好き。最近は吞み鉄にもハマっている。

親の転勤が多く、幼少期は盛岡市や東京都で過ごしたため、東日本エリアの鉄道には並々ならぬ思いがある。大学卒業後、旅行関連業界を経て、現在は取材のため各地を飛び回る日々。

  • 文/佐藤正晃
  • 写真/JR東日本
  • 掲載されているデータは2024年11月1日現在のものです。
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