2024.12.13鉄道JR東海 リニア・鉄道館 冬のイベント ドクターイエロー企画など【今週の交通新聞より】
2024年12月9日~12月13日の交通新聞から注目のニュースをご紹介!
交通新聞に掲載のニュースの中から、特に注目のニュースをトレたび編集室がピックアップしてご紹介します。
【今週注目のニュースはこちら】
・JR西日本 湖西線アートプロジェクト 第4弾
・JR九州 ラッピング特急「ピクミントレイン」運転開始
・JR西日本・JR東日本・JR東海 25年1~3月に「Japanese Beauty Hokurikuキャンペーン」
・JR東海 リニア・鉄道館 冬のイベント ドクターイエロー企画など
・JR東日本 ブロックチェーンを基盤 「企業共創プラットフォーム」スタート
12月9日 月曜日
JR西日本 湖西線アートプロジェクト 第4弾
ノベルゲーム、ラリーなど 成安造形大学と連携
JR西日本はあす10日から、成安造形大学(大津市)と連携して取り組む「湖西線アートプロジェクト」の第4弾を開始する。湖西線開通50周年をテーマに、「ノベルゲーム『駅恋』」「湖西線博物館」「湖西線スタンプラリー」の三つの企画を実施する。学生によるアート作品の展示だけでなく、実際に体験できる作品とともに、アート体験とスタンプラリーで巡る駅の物語を楽しんでもらう。来年7月20日まで。
「ノベルゲーム『駅恋』」は、大津京、おごと温泉、堅田、小野、志賀、比良、近江舞子、近江高島、近江今津、マキノの10駅で展開。駅構内の駅名看板と会話しながらストーリーを進める恋愛シミュレーションゲームで、駅構内に掲示するポスターの2次元コードを読み込むことでブラウザ上からプレーできる。
選択する回答によりエンディングが変化し、ゲームを進めると学生がデザインしたオリジナル擬人化キャラクターが出現する。駅との会話の中で駅の歴史や周辺情報も学べる。
「湖西線博物館」は、大津京、堅田、近江高島の3駅に、同線の歴史や沿線情報を紹介する情報ブースを設置する。駅構内の空きスペースを活用した取り組みで、電車の待ち時間を誰でも気 軽に楽しんでもらおうと、ルーレットやクイズなど遊びの要素も取り入れる。
「湖西線スタンプラリー」は、博物館と同じ3駅にリーフレットとスタンプを設置。全スタンプを集めて堅田駅に持参すると、「湖西線50周年クリア記念切符」をプレゼントする。なくなり次第終了。スタンプや記念きっぷのデザインは、同大学の学生が手掛けた。
12月10日 火曜日
JR九州 ラッピング特急「ピクミントレイン」運転開始
主要駅でイベント展開
JR九州は7日、任天堂のゲームソフト「ピクミン」シリーズとタイアップして展開する「PIKMIN×JR九州~魅惑の惑星キュウシュウを探索せよ~」プロジェクトのオープニング企画として、ラッピング特急「ピクミントレイン」(885系1編成6両)の出発式を博多駅3番のりばで開催した。同プロジェクトでは期間中、「ピクミン」をモチーフにしたデジタルスタンプラリーなど各種企画を展開し、にぎわいを創出する。来年6月30日まで。
管内の主要6駅で開催するイベント「ピクミンフェスタin九州」では、ゲームに登場するピクミンの宿敵を玉入れで倒す体験企画やグルメフェア、グッズショップなどを展開。7、8日に開催された大分駅会場は、多くの子ども連れなどでさっそくにぎわいを見せた。今後、長崎、鹿児島、熊本、宮崎、博多の5駅で順次実施していく。
このほか、九州各県に1駅ずつ設定した「ピクミン駅」オリジナル駅名標(筑前岩屋、虹ノ松原、大草、豊後森、宮地、日当山、子供の国)や、JR九州アプリから参加するデジタルスタンプラリー「オタカラコレクション」もスタートした。
「ピクミントレイン」は885系と787系で各1編成運行。885系は来年5月中旬まで「ソニック」「リレーかもめ」「みどり」「きらめき」「かささぎ」で、787系は2月1日~7月上旬に「にちりん」「ひゅうが」「きりしま」で走らせる。日田彦山線BRTひこぼしラインのバス3台にも今月14日から車内装飾を行う。
出発式は、ピクミントレインの初列車となった臨時特急「ピクミン号」(博多―大分間)の発車に合わせて行われ、加藤邦忠駅長と公募で選ばれた一日駅長の小学生3人が出席。
加藤駅長は「任天堂と一緒に企画を展開することで、ピクミンのファンづくり、鉄道ファンづくりにつながると思う。イベントを通じてJR九州の列車にもたくさん乗ってほしい」とあいさつ。一日駅長と共に出発合図を行い、大分会場へ向かう臨時特急を送り出した。
12月11日 水曜日
JR西日本・JR東日本・JR東海 25年1~3月に「Japanese Beauty Hokurikuキャンペーン」
DCに引き続き、さらなる誘客促進
JR西日本、JR東日本、JR東海は2025年1月1日から3月31日まで、北陸三県誘客促進連携協議会と連携し、「Japanese Beauty Hokuriku キャンペーン」を展開する。今月まで開催中の「北陸デスティネーションキャンペーン」(北陸DC)に続けての開催となり、今年3月の北陸新幹線金沢―敦賀間延伸開業で盛り上がりをみせる北陸エリアへ、さらなる誘客促進を図る。
メインテーマは「美観」「美食」「美技」「美湯」「美心」の五つの「美」。定番のカニはもちろん、寒ブリやフグなど北陸の冬ならではの「美食」のグルメプランや伝統工芸体験、名湯などを提案するほか、北陸3県連携のデジタルスタンプラリーを実施する。
キャンペーンでPRする「美食」では、海洋深層水仕込み牡蠣(かき、富山県)、こまつ女将小珠の和「珠玉のおもてなしプラン」(石川県小松市)、料亭四季彩館 酔月「若狭ふぐ満喫コース」(福井県小浜市)など。北陸が誇る冬の景観を提案する「美観」は、立山連峰の絶景や白山手取川ジオパークなどをラインアップする。
「美技」は、加賀藩主・前田家に仕えた鋳物師がルーツの金森合金(金沢市)の製作体験、越前打刃物の「タケフナイフビレッジ」(福井県越前市)での「初打」など、先人たちが培ってきた技を体感できる。
「美湯」は宇奈月温泉(富山県黒部市)での冬の黒部峡谷プレミアムツアー、あわら温泉(福井県あわら市)満喫チケットなど、温泉とともに楽しめる食べ歩きやまち歩きの情報を発信。「美心」は世界遺産・五箇山の合掌造り集落(富山県南砺市)などで心を満たす体験を提案する。
主な旅行会社では、北陸エリアまでの往復JRきっぷと宿がセットの旅行プランや、併せて利用できる周遊きっぷを用意。観光ナビ「tabiwa by WESTER」では、北陸エリアをお得に周遊できる「tabiwa周遊パス」を発売中。
キャンペーン期間中、北陸3県が実施するデジタルスタンプラリー「北陸周遊物語 2024~2025」は、約300ある観光スポットを巡ってスタンプを3個以上獲得すると、抽選で北陸の食や工芸品が当たる。また、スタンプをより多く集めることで当選確率がアップする。
プロモーションの取り組みでは、モデルの中島沙希さんをイメージキャラクターに起用し、各県の観光地で撮影した駅ポスターなどの交通広告を中心に、3社共通の宣伝を展開。ポスターは今月16日以降順次掲出し、キャンペーンガイドブック「北陸冬物語」を同26日ごろから3社の主要駅で配布する。キャンペーン特設ウェブサイトでもデジタルパンフレットを閲覧できる。
12月12日 木曜日
JR東海 リニア・鉄道館 冬のイベント ドクターイエロー企画など
JR東海の「リニア・鉄道館」(名古屋市)は今月から来年2月にかけて、冬のイベントを各種開催している。1月の「ドクターイエロー」(新幹線電気軌道総合試験車)T4編成の引退に合わせたイベントや、東海道新幹線開業60周年記念イベントをはじめ、クリスマスや年末にちなんだ企画、仕事紹介イベント、ガイドツアー、親子向けワークショップなど多彩な内容を用意した。
1月2日~2月3日には、展示しているドクターイエロー(T3)の前に「ドクターイエロー神社」を開設。先着2万人に紙の絵馬を配布し、願いごとを書いて奉納することができる。2月9、16日はT3の運転台も時間限定で公開する。
東海道新幹線60周年企画では、東京、静岡、名古屋、京都、新大阪の5駅に設置していたフォトスポットのオブジェが集結。掲出したクイズに正解した上でくじに当たると、オリジナルノベルティーを進呈する。1月2日~2月3日、先着2000人。
また、1月29日からは、新幹線などの鉄道車両を製作し、操業開始60周年を迎える日本車輌製造豊川製作所の歴史展を開く。5月6日まで。
クリスマス向けイベントでは今月25日まで、館内装飾でムードを演出。同14、15日には「こどもパスポート」所有者限定で、紙粘土を使った機関車などの装飾を製作し、館内のツリーに飾る体験を実施する。
このほか、東海地区で活動するバイオリンアンサンブルの「HSE48」によるコンサートを21日に開催。同日から26日までは16時30分から45分間、館内の一部の照明を変更して幻想的な雰囲気を楽しんでもらう。
年末企画は、年内最終営業日の27日15時から、先着108人程度が一人ずつ、除夜の鐘に見立てて0系新幹線の気笛を鳴らす。
子ども向けの仕事紹介イベントは、現役運転士による「在来線シミュレータ運転教室」(1月11、18日)、現場で活躍する社員による鉄道電気設備のメンテナンス業務の紹介(2月23日)を企画した。
ガイドツアーは、館内の見どころを巡るツアー(1~2月の主に土曜日・祝日)、企画展「リニア・鉄道館の蒸気機関車たち」のツアー(1月4、13、25日)、「ドクターイエロー潜入ツアー」(1月12日、2月の土曜日と11、24日)を実施する。
親子向けワークショップは、「オリジナルバッジをつくろう!」(1月5、19日、2月2日)、「超電導リニアの模型をつくって、うかせよう!」(今月22日、1月26日)を開く。
期間中、火曜日(祝日の場合は翌日)と今月28日~1月1日は休館。
12月13日 金曜日
JR東日本 ブロックチェーンを基盤 「企業共創プラットフォーム」スタート
モバイルスイカと連携 専用アプリ来月10日公開
JR東日本は10日、ジェイアール東日本企画(jeki)と共に、来年1月からブロックチェーンを基盤とした新たな企業共創プラットフォームサービスを開始すると発表した。利用者のモバイルSuicaを連携することで、共創企業・自治体などが提供するさまざまなデジタルサービスへのアクセスが可能に。Suicaを通して広がるサービスで新たな価値を生み出し、JR東日本グループのモビリティーや生活ソリューションとも連携させることで魅力的なプラットフォームへ磨き上げていく。
中長期ビジネス成長戦略「Beyond the Border」に掲げる「Suicaの進化」の一環。
ブロックチェーンは、データの取引履歴を暗号化・分散管理し、セキュリティーの高い正確な取引記録の維持を可能とする技術。今回、独自のブロックチェーンと、サービス利用の入り口となるデジタル資産管理アプリ「JRE WALLET(ジェイアールイーウォレット)」を構築した。アプリは来年1月10日にリリース予定。
利用者は、同アプリ(無料)をダウンロード後にモバイルSuicaの情報を登録。利用する共創サービスに対し、利用者の同意を前提にSuicaの利用状況などの情報が提供される。企業などは、利用者の情報から分析できる行動や人となりを基に、それぞれにマッチしたサービスや体験価値(ライフ・バリュー)を提供する。
具体的には、特定の期間内にSuicaで山手線全駅を利用すると、連携するゲーム内のリワード(報酬)や、利用者が頻繁に利用する駅や地域についてのお得な情報などを得られるといったサービスを提案する。
同プラットフォームを利用する企業などは、Suicaによるモビリティーの移動や購買などの情報をはじめ、他の共創企業の各種サービスの利用に伴ってプラットフォーム上に記録された情報などを活用できる。これにより新たなサービスや、利用者の趣味や好みに沿ったサービス、情報を提供する。企業間で情報を共有し合うことで共同プロモーションの展開なども可能だ。
サービスの一つとして、jekiと共同発行のデジタル鉄道ジオラマゲーム「みんなのトレインタウン」(利用無料、アプリ内課金あり)を1月下旬ごろから順次リリースする。同プラットフォームと連携し、Suicaを介した行動でゲーム内のリワード獲得や、ゲーム内で得たデジタルアイテムのアプリ内での管理などができる。
同ゲームは、ゲーム内のイベントや購入によってジオラマアイテムを収集し、ジオラマを制作。ユーザーのアバターがジオラマ内をメタバース空間として探検するなどして楽しむ。
現在、JR東日本クロスステーション(JR―Cross)や、NAVER Z Corporation(韓国)、カルビー(東京都千代田区)などの企業が共創プラットフォームサービスへの参画を検討中。 デジタルクーポンの配布や鉄道にフィーチャーしたバーチャルSNSとの連携など、2月以降に順次、サービスを提供する予定となっている。
交通新聞
- ※画像の改変・複製利用等を禁じます