大阪の街中をパレードするように走る「JR WEST Parade Train」
大阪のシンボルとも言えるJR西日本大阪環状線で主に活躍中の323系に、ちょっと特別な編成「JR WEST Parade Train」が登場!
いよいよ2025年4月13日に開幕を控えた、「大阪・関西万博」を盛り上げる、開放感あふれる先進的な仕掛けが搭載されています。
大阪をモチーフに、万博への期待感が高まるインテリア
「オープンカーでパレードに参加するワクワク感」をモチーフにした、鮮やかな車体ラッピングをまとった「JR WEST Parade Train」。見た目からも楽しそうな雰囲気が伝わりますが、驚きなのはその車内! 車内上部を中心に、合計932枚ものLEDパネルを設置し、様々な映像コンテンツを表示します。
さらに前方・左右に取り付けられた合計9つのカメラで撮影された外の情景をリアルタイムに表示し、まるで屋根のないオープンカーのような疑似体験ができるようになっています。駅区間ごとに大阪をモチーフとしたキャラクターや食べ物、自然や文化、紙吹雪や花火、シャボン玉などのエフェクトが出現!
万博アクセスルートである、大阪環状線・JRゆめ咲線(桜島線)を中心に、万博開催期間中に運行される予定の新大阪~桜島駅間の直通臨時列車で運行されます。この特別仕様の車両は桜島方面の先頭となる1号車で、万博開催期間中に設置される、会場アクセスに便利な桜島駅の臨時改札口に最も近い号車になっています。
大阪・関西万博開催までは、アイドリング映像と本格的な運用に向けた告知映像が表示されているので、その本当の魅力が体感できるのはもうしばらく先になりますが、開催期間中は万博に向かう期待感を高めてくれるような演出や、逆に帰路では万博の余韻を楽しめるような演出がなされる予定です。
担当者に聞いた! 実は“イノベーションの実験”も?
この「JR WEST Parade Train」はJR西日本が展開する“イノベーションの実験場”である「JR WEST LABO」の一環。新たな価値創造のチャレンジでもあり、LEDパネルを車内全体に展開し、カメラ映像をリアルタイムで上映するのは国内の鉄道事業者で初の取り組みとなります。
このプロジェクトを担当したJR西日本 イノベーション本部 髙月真明課長は、「当社としても初の取り組みでお客さまにどのように受け止めていただけるか、実証実験的な要素もあります。万博終了後も運行するかは検討中でどのような活用法があるか、考えていきたいです」と話します。
また、コンテンツを作成するパートナーとなった㈱丹青社 那須野純一さんは、「新型コロナウイルスの影響で“Webやバーチャルの体験”が普及していった一方で、やはり外に出る、リアルな世界に出ることが気持ちいいという体験をしてほしいと考えました」と、今回のプロジェクトについて語りました。
「JR WEST Parade Train」は2編成登場し、今回竣工した1編成目は2024年12月14日より、大阪環状線・JRゆめ咲線(桜島線)運行が開始されました。なお、運行予定は非公開とのことで、めぐり合えるかは運次第です。
著者紹介
- ※取材・撮影・文:村上悠太
- ※掲載されているデータは2024年12月現在のものです