トレたび JRグループ協力

2020.04.01鉄道SLぐんま、特急「草津」、快速「四万温泉やまどり」。群馬を走る鉄道

春風そよぐSL&ローカル線の旅

群馬県下にはJRをはじめ複数の私鉄路線が縦横に通じている。
いずれの路線も里山から山間部へと車窓の変化に富んでいるのが特徴だ。
さらにJRの上越線や信越線では週末を中心にSL列車も運転されている。
若葉が芽吹くこの時期、いろいろな列車に揺られて群馬の地を歩いてみたい。

  • 新型コロナウイルス感染症の影響により、列車の運休や変更が発生することがあります。JRニュースおよび運行会社のHP等をご確認ください。

「SLぐんま」は家族みんなで楽しめる列車に

群馬で鉄道の旅を楽しむなら、何と言ってもSL(蒸気機関車)は欠かせない。
2020年4月~6月に開催される群馬デスティネーションキャンペーン(DC)に合わせて、「SLぐんま」が牽引する旧型客車の内装リニューアルと、ラウンジカーの新設が行われ、2020年4月4日から運転を開始する。さらに、子ども連れの家族が楽しめるおもてなしやイベントが充実。車窓に広がるのどかな風景を眺めながら、昭和初期のレトロな雰囲気の車内では会話もはずむ。「SLぐんま」に乗ってわくわくする旅に出かけよう。

高崎駅在来線ホーム 待合室と駅名標のリニューアル


現代的な高速鉄道の新幹線から昭和初期に製造されたSLに乗り換え。高崎駅は、まさにタイムスリップの場だ。群馬DCに合わせてリニューアルされた在来線ホームの待合室や駅名標は、SLの動輪がデザインに採り入れられ、SLの旅のわくわく感を演出する。

旧型客車普通車の内装リニューアル


旧型客車の普通車は、製造された昭和初期の雰囲気を彷彿とさせる木目調の車内にリニューアル。郷愁や旅情を感じさせる車内では、いつもの旅とは違った家族のコミュニケーションが生まれるかもしれない。


窓のブラインドも一新。織物の柄をモチーフに、群馬県の花や山などをデザイン。ブラインドが3種類あり、見比べてみるのも楽しい。

ラウンジカーが新登場


旧型客車のうち、1両はラウンジカーに改造され、「SLぐんま」の乗客であれば追加料金なしで利用できる。サービスカウンターでは、SLの弁当・グッズなどのオリジナル商品や瓶入りの飲み物、アイスクリームなどを販売。瓶のふたは窓下のテーブルに備え付けられた栓抜き(一部車両を除く)で開けることができ、昭和の鉄道ならではのミニ体験を味わえる。

子ども連れの家族のための遊びやイベントが満載


小学生以下の子どもと一緒の家族・グループには、冊子「Cたび・Dたび」が車内で配布される。「SLぐんま」で使用されている蒸気機関車C61形とD51形にちなんだ名前で、SLが動く仕組みや沿線の地理などが家族で楽しく学べる内容だ。


ほかにも、JRの駅社員や乗務員、メンテナンス社員などが駅や車内で、工夫を凝らした子ども向けのおもてなしを用意。


ラウンジカーのボックス席では、SLかるた、塗り絵、折り紙などで、家族で一緒に遊ぶことができる(先着順、時間指定制)。

SLぐんま みなかみ

利根川に沿って力強く走るSLぐんま みなかみ。水上駅周辺には見どころがいっぱい。諏訪峡を歩けば清涼感もたっぷり。

利根川の流れを愛でつつ 山峡の水上駅をめざす


高崎駅と新潟方面を結ぶJR上越線。高崎駅から水上温泉郷の玄関口となる水上駅まで、「SLぐんま みなかみ」が運転されている。
客車を牽引するSLはD51形(デゴイチ)またはC61形(シロクイチ)。2020年4月4日は、特別に2機のSLを連結して重連運転で走る。
身体にもずしんと響く汽笛と共に高崎駅を出発、新前橋駅を出たあたりから右手に雄大な赤城山が見えてくる。渋川駅の先で渡るのは日本三大河川のひとつに数えられる利根川だ。この先、「SLぐんま みなかみ」はいくども利根川を渡りながら、その流れに沿って水上駅へと進んでいく。
SLは、出発時や上り勾配ではモクモクと煙を噴き上げ、ドッドッドッという大きな排気音も奏でながら走る。上越線は渋川駅付近から水上駅に向かって上り勾配が連続しており、その勇壮な走りがたっぷり楽しめるのだ。


水上駅到着後は、転車台を使って機関車の向きを変える。その作業の見学も 「SLぐんま みなかみ」の楽しみとしてお忘れなく。


S Lぐんま みなかみ

●運転区間
高崎駅~水上駅間

●運転日
土・日曜、祝日などの一日1往復。

●値段
高崎駅~水上駅間 1,520円(乗車券+指定席券)

●申し込み
JR東日本インターネット予約サイト「えきねっと」、みどりの窓口、びゅうプラザ、主な旅行会社

※高崎駅~水上駅間のSL 列車は、2020年6月20日に「SL YOGISHA みなかみ」も運転される。

SLぐんま よこかわ

客車の前後に機関車を連結する、珍しい運転方式のSLぐんま よこかわ。JR最大の難所として知られた碓氷峠の歴史に触れる。

群馬県内屈指の急勾配 SLの走りは大迫力


高崎駅から碓氷峠の麓、横川駅へと向かうJR信越本線。かつて鉄路があった碓氷峠はJRの最急勾配があったことで知られるが、横川駅に向かう間もなかなか険しい。
特に磯部駅の先には25パーミル(距離1000メートルで高低差25メートルの勾配)の坂が連続、鉄道にとっては大きな難所だ。
そのため、高崎駅~横川駅間で運転される「SLぐんま よこかわ」は特殊な運転方法になっている。
客車を挟んで前後に機関車を連結し、前で引っ張り、後ろから押し上げるといった方式だ。
機関車はSL(蒸気機関車)とEL(電気機関車)が使われている。SLが先頭になるときは「SLぐんま よこかわ」、ELが先頭になるときは「ELぐんま よこかわ」となる。列車名をよく確認してから乗車する日程を決めたい。
急勾配区間では車窓に森も広がり、山岳路線ならではの迫力ある印象的な旅となるだろう。終点の横川駅には、「碓氷峠鉄道文化むら」があり、名物駅弁の「峠の釜めし」の店もある鉄道ファンの聖地だ。


SLぐんま よこかわ

●運転区間
高崎駅~横川駅間

●運転日
土・日曜、祝日などの一日1往復。

●値段
高崎駅~横川駅間 1,040円(乗車券+指定席券)

●申し込み
JR東日本インターネット予約サイト「えきねっと」、みどりの窓口、びゅうプラザ、主な旅行会社

※この区間のSL列車は、2020年4月25日に「SL YOGISHAよこかわ」も運転される。


「SLぐんま みなかみ」「SLぐんま よこかわ」についてもっとくわしく

SLぐんま みなかみ/SLぐんま よこかわ―D51(デゴイチ)形にC61(シロクイチ)形。これぞSL!(THE列車)

SLぐんま以外にも群馬へのアクセスに便利な特急「草津」や快速「四万温泉やまどり」が運行されている。

特急「草津」

草津温泉の玄関口へ快適アクセス


上野駅~長野原草津口駅を最速2時間18分で結ぶスタイリッシュな651系特急。
7両編成の中間の4号車は、2+1列配置の大型リクライニングシートを装備したグリーン車指定席。
そのほか普通車指定席と自由席がある。


特急「草津」

●運転区間
上野駅~長野原草津口駅

●運転日
平日2往復。土・日曜、祝日には臨時の増発列車も運転

●値段
上野駅~長野原草津口駅間 5,370円(乗車券+指定席特急券)

快速「四万温泉やまどり」

ゆったり座席から眺める吾妻線の景色


「四万温泉 やまどり」は、大宮駅~中之条駅を結ぶ全車指定席の快速列車。
ゆったり広々とした2+1列シートで、1号車と6号車には展望室を設置。
キッズルームも備え、子ども連れでも安心して旅を楽しめる。


快速「四万温泉やまどり」

●運転区間
大宮駅~中之条駅

●運転日
2020年4月18日~6月28日の土・日曜(一部除く)

●値段
大宮駅~中之条駅間 2,510円(乗車券+指定席券)

デスティネーションキャンペーン(DC)開催中は、普段とは違う体験ができるイベントがたくさん開催される。その中のひとつをご紹介!

DC特別企画 信越本線「廃線ウォーク」

鉄道ファンなら見逃せない特別イベント!


1997年9月30日に最終運行となり、以来21年間封鎖されていた信越本線横川駅~軽井沢駅区間。通常、立ち入り禁止の碓氷峠越えの急勾配区間11.2キロメートルの廃線を特別解放して行うウォーキングイベントを開催。
「めがね橋」と知られる碓氷第三橋梁も見学。


信越本線「廃線ウォーク」

住所 安中市松井田町横川441-6安中市観光機構横川オフィス
問い合わせ先 027-329-6203(安中市観光機構)
時間 9時~17時(8時間。変更の場合あり)、毎月1回実施予定
交通アクセス JR信越本線横川駅から徒歩5分
値段 6,500 円

群馬デスティネーションキャンペーン

  • 掲載されているデータは2020年3月現在のものです。
  • 運転日・運転区間等は変更となる場合があります。
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