2020.04.02鉄道SLぐんま みなかみ/SLぐんま よこかわ―D51(デゴイチ)形にC61(シロクイチ)形。これぞSL!(THE列車)
D51形やC61形蒸気機関車が牽引するSL列車
群馬の壮大な自然の中を力強く走る2台のSLが、上越線高崎駅~水上駅間を結ぶ快速「SLぐんま みなかみ」、信越本線高崎駅~横川駅間を結ぶ快速「SLぐんま よこかわ」です。D51形蒸気機関車とC61形蒸気機関車が牽引する全席指定席の列車です。
客車は茶色の旧型客車(レトロ客車)または青色の12系客車が使用されており、蒸気機関車全盛時代のような汽車旅を楽しむことができます。蒸気機関車は運転台が一方向にしか無く、一般的に終着駅などでは機関車を転向させて運転を行ないます。ただし、快速「SLぐんま よこかわ」の終着駅・横川駅には、転車台(ターンテーブル)がないため、客車の前後に蒸気機関車と電気機関車を連結して走ります。電気機関車が先頭のときは「ELぐんま よこかわ」として運行されます。
高崎駅を発車した「SLぐんま みなかみ」は、2つ目の停車駅の渋川駅で約20分間停車します。ここでSLと写真を撮ることができます。渋川駅を発車し、利根川に架かる鉄橋を渡ると、次第に山間の風景が迫ってきます。その後、トンネルをいくつも抜けると、上りホームに天狗のお面がある沼田駅に到着。右手車窓に河岸段丘を眺めながら快走し、左手車窓に景勝地「諏訪峡」の渓谷美や温泉街の風景が見えると、列車は終着駅の水上駅に到着します。水上温泉イメージキャラクター「おいでちゃん」の出迎えを受けた後は、転車台広場で蒸気機関車が向きを変えるシーンを見学できます。
鉄道コンシェルジュ ミスターKのとっておき情報
「デゴイチ」の愛称があるD51形498号機
D51形498号機は、動輪が4軸の貨物用蒸気機関車です。1940年に製造され、製造両数は日本最多の1,115両。蒸気機関車の代名詞ともいえる「デゴイチ」の愛称で親しまれていました。1972年10月の運転を最後に上越線後閑駅前に静態保存されていましたが、1988年12月に復活運転をし、上越線・信越本線だけでなくJR東日本エリア各線の牽引機としても活躍してきました。
「シロクイチ」の愛称があるC61形20号機
C61形20号機は、動輪が3軸の旅客用蒸気機関車です。1949年に製造され、東北地方で特急・急行列車を牽引した花形機関車でしたが、宮崎に転属し日豊本線で活躍後、1973年に終焉の時を迎えました。その後は伊勢崎市の公園で静態保存されていましたが、2011年に復活。貨物用のD51形に比べると振動が少なく、乗り心地の良さを感じることができます。
内装をリニューアルしたレトロ客車
機関車が牽引する客車は、1970年から急行列車用として活躍した青色の12系客車と、1938年から1955年にかけて製造された茶色の旧型客車(レトロ客車)の2種類があります。昭和初期製造のスハフ32形2357と、半室荷物車のオハニ36形11は、木目調の内装が魅力でしたが、2020年春の運転からオハ47形とスハフ42形の内装も木目調にリニューアルされました。
サービスカウンターがあるラウンジカー
2020年4月から旧型客車の1両がSL弁当や瓶入り清涼飲料水、SLグッズなどを販売するサービスカウンターを設置したラウンジカーになりました。ロングテーブル席や大型テーブル付きのボックス席(4ボックス)が配置されたフリースペースがあり、ボックス席は小学生以下の子供連れのグループが時間指定制(先着順による予約制)で利用できます。家族で楽しむのに最適な車内空間となっています。
転車台(ターンテーブル)がある水上駅
蒸気機関車が向きを変えるために設置されているのが、機関車を載せてぐるりと回転する転車台(ターンテーブル)です。水上駅に到着した列車は機関車と客車を切り離し、機関車は転車台(ターンテーブル)に向かいます。水上駅の北側には「転車台広場」が設置され、機関車が向きを変える光景を見ることができます。イベントが開催される時もありますので、列車到着後は見学に行きましょう。
旅情豊かな夜汽車の旅がおすすめ!
高崎駅~水上駅間で年に数回、運転されているのが、旅情豊かな夜の風景の中を走る「SL YOGISHAみなかみ」です。上り列車は水上駅20:41発→高崎駅22:38着のダイヤで、まさに蒸気機関車が牽引していた時代の夜行列車を再現したものです。闇夜に浮かび上がる機関車の白い蒸気や客車の窓からこぼれる灯りが、最高の雰囲気を演出しています。なお、2020年春は高崎駅~横川駅間でも「SL YOGISHAよこかわ」が運転されます。
※2023年度は「SL七夕みなかみ」として運転
列車情報
運転日 | 週末を中心に運転 |
---|---|
運転区間 | 上越線 高崎駅~水上駅間/信越本線 高崎駅~横川駅間 |
運転時刻 | HPにてご確認ください |
著者紹介
- ※写真/交通新聞クリエイト
- ※掲載されているデータは2020年4月現在のものです。
- ※運転日・運転区間等は変更となる場合があります。