2025.05.16鉄道JR東海 311系引退 車両装飾や廃車回送ツアー など 【今週の交通新聞より】
2025年5月12日~5月16日の交通新聞から注目のニュースをご紹介!
交通新聞に掲載のニュースの中から、特に注目のニュースをトレたび編集室がピックアップしてご紹介します。
【今週注目のニュースはこちら】
・JR東日本 忘れ物検索サービス「落とし物クラウドfind」 26年4月から導入
・JR北海道 「花たびそうや」今年も運転 停車駅などで歓迎企画も
・JR九州 博多駅で「母の日」イベント
・JR東海 311系引退 車両装飾や廃車回送ツアー
・JR西日本 新たな決済サービス「Wesmo!」 5月28日からサービス開始
5月12日 月曜日
JR東日本 忘れ物検索サービス「落とし物クラウドfind」 26年4月から導入
多言語、横断検索OK
JR東日本の喜㔟陽一社長は8日の定例会見で、find(東京都港区)が提供する忘れ物検索サービス「落とし物クラウドfind」を来年4月から導入すると発表した。多言語に対応した「find chat」機能を用いることで、増加するインバウンド向けのサービスを強化。併せて、同じサービスを導入する企業間の「横断検索」も可能になり、エリア拡大による返却率向上など、さらなるサービス品質向上を図る。
返却率向上に期待
同社では年間約200万件を超える忘れ物を取り扱っており、返却率は3割程度。これまで利用者は直接駅に行くか、電話やチャットで問い合わせ、検索範囲は同社管内に限られていた。
同サービスを導入している鉄道会社は多いが、メッセージアプリ「LINE」を活用している。これに対し、JR東日本が採用するのは「find chat」。アプリのインストールが不要で、メールアドレスによるシンプルな認証を経てブラウザ上ですぐにチャットを開始できるのが特徴。英・中・韓・日の4言語に対応し、インバウンド観光の利用者が多い羽田空港ターミナルやアウトレットモールの商業施設で既に導入されている。
findオペレーターが対応し、AI(人工知能)による画像検索も可能で、精度の高いスピーディーな検索により返却率向上が見込まれる。忘れ物の受け付けは24時間可能だが、窓口対応時間などの詳細は今後詰める。
「横断検索」は導入企業の忘れ物情報を一元管理する機能。導入企業の管轄エリアが検索範囲となり、これまで同社のみだった検索エリアが飛躍的に拡大する。同サービスのシステムの強みを最大化するもので、導入企業が増えれば、他の交通機関や宿泊施設など、どこで忘れたか分からない場合、利用者が個別に問い合わせる手間や、探しても見つからないストレスの軽減につながるものと期待される。
一方、駅社員などにとっても、同サービス導入後は忘れ物の写真を登録するだけで、AIが忘れ物の特徴などを自動で読み込み、正確に短時間で登録できるようになる。これまで1件1件手入力での登録に5~6分かかっていたのが半減するとされ、業務の簡素化や負担軽減につながる。
将来的には同社グループのホテルや駅ビルにも同サービスの導入を拡大し、グループ全体で忘れ物検索の利便性を向上させていく。
喜㔟社長は「移動中にどこで忘れたかが分からない場合、お客さまにとって一元的に検索できるのはストレス解消になる」と期待を寄せた。
5月13日 火曜日
JR北海道 「花たびそうや」今年も運転 停車駅などで歓迎企画も
JR北海道は10日から宗谷線で、観光列車「花たび そうや」号(旭川―稚内間)の今春の運転を開始した。最北の春から新緑の季節に合わせた全車指定席の臨時急行で、土曜日に旭川発、日曜日に稚内発の運転。初日は全席が完売し、乗客は各停車駅での地域のもてなしや車内販売などを楽しみながら、最大6時間を超えるゆったりとした鉄道旅を堪能した。
今年は6月1日までの土・日曜日に上下計8本を運転。土曜日は下り(旭川発10時13分、稚内着16時41分)、日曜日は上り(稚内発9時30分、旭川着16時17分)の設定。
車両はキハ40形「道北 流氷の恵み」1両とキハ54形「旧急行礼文用転換クロスシート車両」2両、キハ40形「キハ400宗谷線急行気動車風車両」1両の4両編成。車内では沿線の見どころなどを記した「旅のしおり」の配布や沿線地域の観光関係者らによるアナウンス、売店での記念グッズ販売なども行われる。
初日の10日は旭川で駅や自治体関係者、ご当地キャラの「あさっぴー」らが見送り。上野剛旭川駅長や北海道上川総合振興局の嶋田貴洋局長らが出発合図を行った。
到着駅の稚内や停車する5駅でおもてなし企画が用意され、ご当地キャラクターによる出迎えやノベルティーの配布、特産品の販売などがあった。士別駅ではご当地キャラの「さほっち」と関係者らが出迎え。こ線橋の窓に歓迎の文字を掲出、ホームでは銘菓や飲料の販売などもあった。
乗車予定の札幌市の女性は「小雨だが、その分きれいな新緑を見られた。往復違う駅で停車するので、駅でのおもてなしも楽しみ」と話していた。
5月14日 水曜日
JR九州 博多駅で「母の日」イベント
家族に感謝を伝えるきっかけにしてもらおうと、JR九州博多駅は11日の「母の日」に合わせて、カーネーションの切り花販売を中央改札口前で開催した。
カーネーションは1輪500円で赤、ピンクの2色を計200本用意。「日頃の感謝を伝える際に有効」などと印字した硬券がモチーフのオリジナルメッセージカードをセットし、子ども連れなど多くの人が買い求めた。
イベントは大塚製薬とのコラボレーション企画で、加藤邦忠駅長、刀根明子副駅長らが同社の食物繊維ドリンク「ファイブミニ」(限定1000本)を無料配布し、にぎわいを見せた。
5月15日 木曜日
JR東海 311系引退 車両装飾や廃車回送ツアー
JR東海は12日、6月末で引退する通勤車両311系への謝恩企画「ありがとう311系」を実施すると発表した。利用者への感謝の気持ちを込めた車両装飾や廃車回送ツアーを行い、引退までの花道を飾る。
311系は、東海道線の快速用として1989年に登場。同社の通勤車両では初めて、最高時速120㌔を実現した。現在は名古屋地区の東海道線で活躍している。
車両装飾は30日以降準備でき次第、4両編成のG1、G11の2編成で実施。311系の乗務機会が多い大垣運輸区社員がデザインしたヘッドマークを東京方と神戸方で異なる2種類掲出する。いずれも「感謝」の文字を入れ込みながら、先頭車の姿をあしらった。
さらに、両先頭車の号車側面にはオレンジ色の帯に白色のJRロゴマークを入れ、デビュー時の状態を復刻。車内は311系のさまざまな走行写真にメッセージを添えて制作した車内づりポスターを掲出する。
廃車回送ツアーは7月12日に、G1、G11編成を連結した8両編成の専用団体列車を設定。参加者は名古屋で乗車し、列車は東海道線から大垣車両区へ。車両洗浄装置での車両洗浄や車両基地内添乗を体験する。
その後は、旅客列車が通常走行しない稲沢貨物線などを走り、かつて運行した「カートレイン名古屋」の発着番線で普段使用しない同線熱田駅下り3番線に停車。途中の車内では乗務員によるおもてなしや特別な車内放送、イベントを行う。
列車は同線浜松駅近隣にある廃車車両留置場所に入場すると、気笛吹鳴とパンタグラフ下げを実施。ここで参加者は311系を見納めた後、別の回送列車で浜松駅に向かう。
ツアー販売は「クラブツーリズム鉄道部」が行い、詳細は公式X(旧ツイッター)を通じて告知する。参加者にはもれなくノベルティーとしてJR東海社員が手作りした311系デザインの電車カードを配布する。
5月16日 金曜日
JR西日本 新たな決済サービス「Wesmo!」 5月28日からサービス開始
JR西日本は14日、新たな決済サービス「Wesmo!」を28日に開始すると発表した。国内鉄道事業者として初めて第二種資金移動業者に登録されたもので、「Moving is Value.」をブランドコンセプトに、日常生活の買い物や食事、電車での移動を促し、「楽しい」「また行きたい」と感じることで、人の動きや経済の活性化につなげていく。
同サービスは、スマートフォンをタッチするだけで決済アプリが立ち上がる「Wesmo!」専用「BLUEタグ」を利用することで、加盟店は初期費用無料で導入可能。決済手数料のみで売上金を最短で翌日に受け取ることができる。手数料は当面の間1・9%(税別)に設定されており、キャッシュレス決済に抵抗がある店舗でも導入しやすくしている。
店舗を運営していない企業、法人でも「Wesmo!ビジネス会員」になると、「Wesmo!」残高から無料で送金でき、商品仕入れの精算などに活用できる。残高から指定銀行口座へ出金も可能。
一方、個人の利用者は同社グループ共通ポイント「WESTERポイント」がたまる「WESTER ID」と連携することで、「Wesmo!」に現金やクレジットカードでチャージする際に、通常200円につき1ポイント付与されるほか、決済時にも200円につき1ポイントたまる。
アプリ画面では、支払いのたびにキャラクターが元気に動き回る演出も。支払いやポイント利用時も画面のスワイプやタップ操作を盛り込むなど、アプリを動かすことで支払い時にちょっとした楽しみを届ける。
決済利用可能な施設は、駅ナカ・駅チカの商業施設などの同社グループ主要施設をはじめ、同社ネット予約「e5489サービス」、ジェーシービーが提供する決済スキーム「Smart Code」加盟店、「BLUEタグ」を設置する市中店舗、三井住友カードが提供する「stera code」加盟店など、計160万カ所以上。今後も順次拡大する。
同社は、6月16~30日に「Wesmo!リリース記念スタートダッシュキャンペーン」を実施。WESTERアプリの「おトクにGO!」からエントリーし、指定の動画を視聴後にWesmo!にチャージすると、WESTERポイント100ポイントが付与される。
さらに、加盟店でWesmo!決済1回500円以上につきスタンプ1個が付与され、5個たまると、WESTERポイント100ポイントを進呈する。7月以降には、さらに普段の買い物がお得になる大型キャンペーンを予定している。
交通新聞
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