2025.05.23鉄道JR北海道 「ふるさと入場券」6月から発売 16駅、QRコードで発券 など 【今週の交通新聞より】
2025年5月19日~5月23日の交通新聞から注目のニュースをご紹介!
交通新聞に掲載のニュースの中から、特に注目のニュースをトレたび編集室がピックアップしてご紹介します。
【今週注目のニュースはこちら】
・JRグループ旅客6社など 滋賀DC 27年10~12月開催へ
・JR東海 高山線「きょうも、いいひだ」キャンペーン開始 記念列車到着で飛騨古川駅にぎわう
・JR高崎支社 伊勢崎駅で「ソース×リョーモー」の第2弾イベント
・特集 瀬戸内国際芸術祭2025 瀬戸内の魅力×現代アート
・JR北海道 「ふるさと入場券」6月から発売 16駅、QRコードで発券
5月19日 月曜日
JRグループ旅客6社など 滋賀DC 27年10~12月開催へ
JRグループ旅客6社と自治体が協働して実施する大型観光キャンペーン「デスティネーションキャンペーン」(DC)が2027年秋(10月~12月)に滋賀県全域で開催されることが決まり、決定通知書の伝達式が15日に大津市の大津港で行われた。同県でのDC開催は2000年1~3月以来、約27年ぶり2回目となる。
DCは、JR旅客6社が地元自治体、観光事業者、旅行会社、関係機関などと協力し、地域の新たな魅力を発信して誘客する国内最大級の観光キャンペーン。今後は、地域の新たな魅力を発信し、誘客を促進するために、(仮称)滋賀デスティネーションキャンペーン実行委員会を立ち上げ、具体的な内容などについて検討を開始していく。
決定通知書の伝達式には、JR西日本の財剛啓理事・近畿統括本部副本部長・京滋支社長、三日月大造同県知事、川戸良幸びわこビジターズビューロー会長が出席。財支社長から三日月知事に通知書が手渡された。
あいさつで財支社長は「JRグループ6社として、全国の皆さまに滋賀県の魅力をお伝えしていく。新幹線をはじめとする鉄道ネットワークでは、北陸新幹線の敦賀、東海道新幹線では東側に米原、そして西側に京都駅と三つの玄関口がある。このルートをしっかりと生かし、多くの方にお越しいただきたい。また、地元の鉄道やバス、船舶といった公共交通事業者とも連携し、県全域を周遊できるような取り組みを考えていきたい」と述べた。
三日月知事は「14年に知事になって以降、デスティネーションキャンペーンを開催してお客さまをお迎えするのは一つの大きな目標だった。JRの皆さんのお力も借りながら、日本全国の皆さまに滋賀の魅力を知っていただく取り組みを展開していきたい」と語った。
5月20日 火曜日
JR東海 高山線「きょうも、いいひだ」キャンペーン開始 記念列車到着で飛騨古川駅にぎわう
JR東海が高山線沿線の岐阜県飛騨エリアで展開する「きょうも、いいひだ」キャンペーンが17日にスタートした。新緑が美しい初夏に合わせた開催で、地域と連携しながら同線の特急「ひだ」を利用した観光を訴求していく。7月18日まで。
この日は、名古屋発飛騨古川行きの記念列車「きょうも、いいひだ号」を運行。車両はキャンペーンロゴのヘッドマークを掲出し、車内には飛騨の魅力を表現したポスターを飾ったHC85系を充当した。
旅行会社のツアーに参加した乗客約200人は、車内で飛騨の食材を使った弁当を味わった後、飛騨古川駅に到着。改札口では、地元中学生約50人のオーケストラが「銀河鉄道999」などの曲をメドレーで演奏して歓迎した。
駅前広場では、都竹淳也飛騨市長や飛騨牛マスコットキャラクター「ひだくろ」が出迎えたほか、地元の絵手紙愛好家が手作りの横断幕を掲げ、市職員や地元中学生が市内の観光マップや記念品を一人一人に手渡した。
都竹市長は「期間中、大勢のお客さまが訪れることを心から期待している」と歓迎。同社の中井洋樹東海鉄道事業本部運輸営業部営業担当部長は「ぜひ飛騨エリアに足を運んで、車窓から新緑や川の景色を見ながら、ゆったりとした旅を楽しんでほしい」とアピールした。
5月21日 水曜日
JR高崎支社 伊勢崎駅で「ソース×リョーモー」の第2弾イベント
沿線グルメ集結!伊勢崎駅でサミット
おすすめ、見どころ7市長が「宣言」
JR東日本高崎支社は31日、両毛線沿線のソース食文化の発信を通じて地域活性化を目指すプロジェクト「ソース×リョーモー」のイベント第2弾として、同線伊勢崎駅南口駅前広場で「ソースサミット」を開催する。同線沿線で楽しめるソースグルメが集結するほか、沿線7市長によるプロモーションや、出張ミニSLの運行などを実施。地域一体で、両毛エリアのにぎわい創出を図る。
当日は、両毛エリアの約20店舗が出店し、各地自慢のソースグルメを販売。プロモーション(11~12時)では、群馬県の前橋市、伊勢崎市、みどり市、桐生市、栃木県足利市、佐野市、栃木市の市長が、おすすめのソースグルメや市の見どころを紹介し、会場を盛り上げる「ソースサミット宣言」を行う。
また、各プロモーション後に発表されるキーワードを全て集め、JRブースに提出すると、同日14時40分から行われる「駅長と列車出発合図体験」が抽選で1人に当たる。
会場中央では、碓氷峠鉄道 文化むら(群馬県安中市)とのコラボレーションで、ミニSLを特別運転。JRブースではトレインシミュレーターの運転体験(先着9人、1500円)を用意する。
このほか、伊勢崎高校吹奏楽部のコンサート(10時~10時30分)や、伊勢崎商工会議所青年部による利きソース選手権(12~13時)、ソース商品などが当たる抽選会(14~15時)をはじめステージイベントもある。
開催時間10~15時。入場無料。会場では14時までの間、「ソース×リョーモー」ロゴのヘッドマークを展示、その後同日限定で同マークを掲出した列車を運行する。
5月22日 木曜日
特集 瀬戸内国際芸術祭2025 瀬戸内の魅力×現代アート
瀬戸内海の島々や周辺地域を会場に、3年ごとに展開される現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」(瀬戸芸)は今年が開催年。春、夏、秋のシーズンに分かれ、季節ごとに瀬戸内の魅力を体感できる。協賛するJR四国では、芸術祭の会場を巡るモデルコースを設定するとともに、スマートフォンの駅スタンプアプリ「エキタグ」を活用したデジタル駅スタンプラリーを11月9日まで開催し、観光誘客と周遊促進を図っている。(鈴木 宏治記者)
■JR四国など協賛 100万人来場、一大イベント
瀬戸芸は、香川県、高松市、岡山県玉野市などの会場自治体、国、経済団体、交通機関、金融機関、大学などで構成される瀬戸内国際芸術祭実行委員会(会長・池田豊人香川県知事)が主催し、産官学を挙げて取り組む一大イベント。鉄道関係ではJR四国、JR西日本、高松琴平電気鉄道が協賛している。
2010年から3年ごとに開催され、今年の「瀬戸内国際芸術祭2025」は6回目。毎回春、夏、秋の3会期に分かれ、今回は春会期が4月18日―今月25日、夏会期が8月1~31日、秋会期が10月3日~11月9日。
志度・津田など三つの新エリア
会場は瀬戸内海の香川県の島々を中心に、高松港、宇野港(岡山県)、今年から新たに加わる香川県の志度・津田、引田、宇多津など全17エリア。全会期を通して行われる会場(高松港、直島、豊島、小豆島など9カ所)や、春のみ(瀬戸大橋)、夏のみ(志度・津田、引田)、秋のみ(宇多津、本島など5カ所)の場所もある。
37の国・地域から218のアーティスト
今回は37の国と地域から218組のアーティストが参加し、256作品が展示され、7プロジェクト、20イベントが行われる。
来場者数は、初回の「2010」(夏―秋の1会期のみ105日間)が約94万人で、春、夏、秋の3会期(期間計105~108日間)になった「2013」「2016」「2019」はいずれも100万人超。コロナ禍の「2022」は約72万人だった。来場者数が過去最多の約118万人となった「2019」における香川県内の経済波及効果は、約180億円と推定されている。
鑑賞方法
作品鑑賞は、施設ごとに個別鑑賞料(1作品500円から)を支払って見ることも可能だが、「作品鑑賞パスポート」を購入するのが基本。パスポートは「オールシーズン」が5500円、「1シーズン」が4500円。公式アプリ内で購入するデジタルパスポートもある。パスポートの提示で、有料イベントや公式ショップ、観光施設、飲食店での割引、プレゼントなどの特典も受けられる。
■おすすめモデルコース
作品に触れ、感覚研ぎ澄ます
環境との調和・違和感楽しむ
瀬戸大橋エリア2島を訪ねて
JR四国のホームページに春会期モデルコースが紹介されている瀬戸大橋エリアの瀬居(せい)島と沙弥(しゃみ)島の作品群を巡った。両島とも埋め立てにより四国側の陸地と地続きになっており、予讃線坂出駅を起点としたシャトルバスや、同駅構内の観光案内所で借りる電動アシスト自転車などでアクセスできる。
同エリアは、案内所や地産品販売所もある旧瀬居中学校、旧瀬居小学校に作品が多い。懐かしさが感じられる校舎内の廊下や階段と、作品(物や空間全体)を通じて作家の思想や世界観が迫りくる各教室を出入りしているうちに、普段は鈍っているものが研ぎ澄まされていくような感覚に。
両校以外では、瀬戸内海の自然の風景や工業地帯を背景にたたずむ人物像(瀬居島)、瀬戸大橋を座って眺められるベンチ(沙弥島)、薄暗い洋館内に水、光、音で瀬戸内海を表現した作品(同)なども。作家の世界観と周辺環境との調和や、あえてぶつけるような違和感が刺激的だ。
春会期はまもなく終了するが、同社では夏会期に向け、志度・津田、引田エリアのモデルコースを紹介予定。
3会期開催女木島へ
夏会期以降も展示される作品も見ようと、高松港からフェリーで20分の女木(めぎ)島へ。大半の作品が港から徒歩圏内にある。かつての民宿を活用した会場「小さなお店プロジェクト」は、暗闇の中に繊細な切り紙やガラスが輝く部屋、ブランコに座りながら目の前を行き来するガラス玉とその向こうの風景を見る作品、部屋に座った巨大な女の子の像などさまざまなアートが集結する。
部屋にゆっくりと動くオブジェがある民家、廃材を活用してプールにつくり出されたカラフルな〝街〟がある小学校(休校)、物や自然が人のように〝入居〟した団地の模型がある古民家などを巡る。アートにふれる新鮮な体験で、心の中に新しい何かが得られたような不思議な気持ちになった。
船は往復ともほぼ満員で、瀬戸芸の人気の高さ、芸術ファンの多さ、経済波及効果の大きさを物語る。
■会場巡ってエキタグラリー
限定スタンプ11月9日まで
JR四国は、ジェイアール東日本企画(jeki)との連携で、駅スタンプアプリ「エキタグ」を活用した「アートをめぐる!『香川県周遊デジタル駅スタンプラリー』」を11月9日まで開催している。
限定「アートスタンプ」は、会場最寄りとなる予讃線7駅(高松、坂出、宇多津、丸亀、多度津、詫間、観音寺)、土讃線2駅(善通寺、琴平)、高徳線6駅(栗林、屋島、志度、讃岐津田、三本松、引田〈近隣の観光施設・讃州井筒屋敷〉)の合計15駅に設定した。
全15駅のスタンプをアプリに集めると、「コンプリートスタンプ」が自動付与される。また、必要条件を満たした人を対象に、抽選で5人に瀬戸芸公式グッズ、10人にJR四国×エキタグコラボ商品を進呈する。
5月23日 金曜日
JR北海道 「ふるさと入場券」6月から発売 16駅、QRコードで発券
JR北海道は「JR北海道 ふるさと入場券」を6月1日から発売する。スターターキットを購入し、封入されたカードに印刷されたQRコードを駅の指定席券売機や話せる券売機にかざして発券し、購入する仕組み。小樽など16駅で先行して発売し、夏以降に対象となる駅を追加していく。
それぞれの駅や街の風景を楽しんでもらおうと同社が発行していた「わがまちご当地入場券」(2017~19年)、「北の大地の入場券」(20~24年)に続く第3弾。これまでは駅窓口などで取り扱っていたが、QRコードを利用した券売機での印字発券となる。1枚210円。
先行発売は、倶知安、小樽、銭函、手稲、森林公園、岩見沢、滝川、追分、苫小牧、白老、登別、東室蘭、洞爺、千歳、南千歳、富良野の16駅。購入は当該の駅のみ。券面は、昭和後期から平成末期にかけて発売していた硬券の「観光入場券」イラストを復刻・再現して印字する。柱用の駅名標風の平仮名の駅名も入り、南千歳は1980年の開業から92年までの旧駅名「ちとせくうこう」となっている。
発券には、QRコードを印刷したカード(16枚)や「わがまちご当地入場券」ポスターをデザインした特典カードを封入したスターターキット(880円)が必要。6月1日からJR北海道フレッシュキヨスクの「北海道四季彩館」の札幌東店など10店舗とECサイト「北の特急便」で販売する。
交通新聞
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