2025.10.10鉄道JR東日本首都圏本部 山手線環状運転100周年記念 ラッピングトレインの出発式 など 【今週の交通新聞より】

2025年10月6日~10月10日の交通新聞から注目のニュースをご紹介!
交通新聞に掲載のニュースの中から、特に注目のニュースをトレたび編集室がピックアップしてご紹介します。
【今週注目のニュースはこちら】
・JR西日本、ホンダ・レーシング 京都鉄道博物館で企画展「レーシング&レールウェイ ヒストリー」 23日から
・JR東日本首都圏本部 山手線環状運転100周年記念 ラッピングトレインの出発式
・JR釧路支社 釧網線知床斜里駅など3駅開業100周年 記念来駅証明書配布など
・JR東海 「そうだ 京都、行こう。」キャンペーン 秋編を展開
・JR東日本 新たな新幹線専用検測車 次期E11系ベース、320㌔にも対応
10月6日 月曜日
JR西日本、ホンダ・レーシング 京都鉄道博物館で企画展「レーシング&レールウェイ ヒストリー」 23日から
2期に分け、共通の歴史、技術紹介
JR西日本とホンダ・レーシング(埼玉県朝霞市)は23日から、京都鉄道博物館(京都市)と連携し、レーシングカーとSL、新幹線などの鉄道車両の共通点にフォーカスを当てたユニークな企画展「レーシング&レールウェイ ヒストリー」を同館本館などで開催する。12月21日までの期間中、それぞれの特徴に合わせて双方の名車を並べて展示し、異なるモビリティーに共通する最先端技術や歴史的意義を分かりやすく紹介。11月15、16日にはレーシングマシン乗車体験やレーシングドライバーのトークショーを予定している。
レーシングカーは、主にフォーミュラー・ワン(F1)世界選手権参戦マシンをラインアップ。マシンと鉄道車両の並列展示は11月16日までの1期と、同17日以降の2期に分けて実施。
1期では、1964年にデビューし世界最速の営業運転を行った「0系新幹線電車」(展示場所・プロムナード)に対し、同年に日本勢として初めてF1参戦した「Honda RA271」を本館入り口付近に展示する。
さらに、97年に世界初アクティブサスペンション搭載の鉄道車両として運転開始した「500系新幹線」(本館1階)の隣には、87年にアクティブサスペンション搭載車としてF1の実戦に年間を通じて投入された「Lotus Honda 99T」がお目見えする。
2期では、「日本製」をテーマに、国産初の量産型蒸気機関車で国の重要文化財にも指定されている「230形蒸気機関車」(同)と、2007年のF1にシャーシ・エンジン・タイヤが「日本製」として参戦した「Honda RA107」を並べて展示。
新幹線の速度向上の先駆けで「グランドひかり」として車内の快適性とサービスに新たな価値を提供した100系新幹線電車(同)の横には、現代にも通ずる高効率F1マシンの先駆けでチャンピオンを獲得した「McLaren Honda MP4/4」が登場する。
マシン乗車体験イベントは、「Modulo Epson NSX-GT」(SUPER GT参戦車両)、「McLaren Honda MP4/5」(F1参戦車両)、「HRC 2輪市販レース車」などを扇形車庫で展示。それぞれコックピットに乗車し、ドライバーになった気分で記念撮影を楽しめる。一部は小学生以下が対象。
トークショーは、TEAM MUGEN所属の野尻智紀選手、岩佐歩夢選手と、NAKAJIMA RACING総監督で元F1ドライバーの中嶋悟氏が扇車庫内特設ステージに登壇。11時30分、14時30分からの2回実施され、各回40分程度。Lotus Honda 99Tと中嶋総監督の2ショット撮影会もある。
JR西日本では「双方の文化的な価値を体感していただき、楽しみながらそれぞれの事業に興味を持つ機会や、学びを深める場となることを期待している」としている。
10月7日 火曜日
JR東日本首都圏本部 山手線環状運転100周年記念 ラッピングトレインの出発式
103系復刻デザイン
205系復刻デザイン
JR東日本首都圏本部は4日、11月1日に迎える山手線の環状運転開始100周年を記念した「つながる山手線フェス ~環状運転100周年~」をスタートした。来月3日までの1カ月間にわたり、記念ラッピングトレインの運行や建設工事担当社員によるガイドツアー、100周年を迎える企業とのコラボレーション企画、オリジナル商品の発売など、沿線で多彩な企画が展開される。初日の4日は大崎駅でラッピングトレインの出発式が行われた。
ラッピングトレインは、過去に同線で運行していた103系と205系をイメージした復刻デザインを1編成ずつ運行。2編成とも先頭車両に100周年オリジナルヘッドマークを掲出し、車両側面にはロゴなどをあしらっている。
[[観光列車も]] 11月1日はラッピングトレインを使った観光列車「東京まるっと山手線」が運転される。
出発式は4番線ホームで行われ、103系をイメージした復刻デザインの編成が北島正美渋谷統括センター副所長・大崎駅長の出発合図で発車。JR東日本東京吹奏楽団が「鉄道唱歌」を演奏する中、渋 谷・新宿方面へ向けて走りだした。
北島駅長は「これまでの100年の歩みを止めることなく、これからの100年に向かって、安全で快適にお客さまや沿線地域の皆さまとのつながりを大切に、さらに魅力ある山手線を目指していきたい」とコメントした。
10月8日 水曜日
JR釧路支社 釧網線知床斜里駅など3駅開業100周年 記念来駅証明書配布など
JR北海道釧路支社は今月から、11月に開業100周年を迎える釧網線知床斜里、止別、浜小清水3駅で、記念の横断幕を掲出するとともに、知床斜里駅では駅社員がデザインした記念来駅証明書の配布や記念スタンプの設置を行っている。
3駅は1925年11月10日、網走線北浜―斜里間延伸に伴い開業。31年に釧路方面とつながり、3駅を含む同線網走―札鶴(現・札弦)間が釧網線に組み込まれた。開業当時の駅名は斜里(知床斜里)、止別、古樋(浜小清水)。
横断幕は2026年3月8日まで掲出され、知床斜里駅では記念フラッグの装飾も行う。知床斜里駅ではみどりの窓口で乗車券類を購入した人に記念来駅証明書を配布。デザインは表面が初代と現在の同駅舎と斜里岳、裏面に駅紹介と社員のメッセージを記載した。
記念スタンプは、100周年ロゴと17年の運行開始当時の「流氷物語号」(キハ54形2両)をあしらった。同駅設置の専用台紙と共に、デザインは駅社員が手がけた。このほか、同駅の歴史を振り返る展示も実施。
証明書配布、スタンプ設置、企画展のいずれも11月10日まで。同9日は同駅で100周年記念セレモニーが開催される。
10月9日 木曜日
JR東海 「そうだ 京都、行こう。」キャンペーン 秋編を展開
舞台は錦秋の東福寺 紅葉の名所で特別な体験
JR東海は「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンの秋編を展開している。紅葉の名所として名高い東福寺と周辺の塔頭(たっちゅう)をはじめ、京都の美しい紅葉の魅力を届けるとともに、特別拝観や現地体験、混雑を避けて快適に巡る企画などを各種用意し、秋の京都の旅を楽しんでもらう。
宣伝展開では、東福寺の通天橋から見る圧倒的な紅葉と、歴代住職の供養のために本山周囲に建てた寺院である塔頭の光明院、龍吟庵の趣ある紅葉などを取り上げた。テレビCMは18日~11月14日、首都圏、静岡地区を中心に放映。ポスターは同社の主な駅、首都圏の駅などで掲出、ウェブやSNSでもPRする。
特別拝観や現地体験は、「EXサービス」(エクスプレス予約、スマートEX)会員向けの旅行商品「EX旅パック」「EX旅先予約」でプランを用意。先行入場や時間外貸切で楽しめる秋の特別拝観は、紅葉の名所である寺院、施設17カ所を対象に事前申し込みの定員制とし、混雑を避けた朝の境内の凛(りん)とした空気や、夜の幻想的なライトアップを堪能できる。
対象施設は東福寺のほか、光明院、白龍園、青蓮院門跡など。EX旅先予約では今月31日まで、11月7日~12月12日の平日の特別拝観予約時に利用できる500円割引クーポンを先着6000枚配布している。
特別な現地体験は、「重森三玲の名庭を巡る ~重森千靑氏と歩く東福寺の名園群~」「泉涌寺 僧侶がご案内する早朝特別拝観(非公開エリアでの朝がゆ付き)」などのプランを設定。お得なクーポン類では、東福寺周辺の塔頭やカフェを楽しめる「塔頭めぐりクーポン」、洛西と山科・醍醐の2エリアを対象とした地下鉄・バス1日券と拝観整理券をセットした「秋の社寺めぐりパスポート」を用意した。
オーバーツーリズムへの配慮や持続可能な観光プランなど旅の在り方を発信する「京都サステナツーリズム」の取り組みの一環で、嵐山と西山の2地域で竹あかりを使ったライトアップイベントを地元と共に盛り上げる。
また、混雑を避けて快適に巡る企画として、11月22日~12月7日の土曜日・休日に、東京―岐阜羽島間から京都駅までの新幹線をEXサービスで予約した人に、Luupの電動アシスト自転車を京都市内で計1時間分無料で利用できるクーポンを進呈。
このほか、京都のフリーマガジン「ハンケイ500m」とコラボレーションしたキャンペーン冊子には、東福寺周辺の寄り道スポットや、朝と夜を楽しむ店を紹介。京都駅新幹線改札内では11月14日から、主要観光地までの混雑を避けた行き方を提案するカードを置いた「京都スマートマルシェ」を設置する。12月14日まで。
10月10日 金曜日
JR東日本 新たな新幹線専用検測車 次期E11系ベース、320㌔にも対応
29年度導入予定 検査の品質向上や高精度化
JR東日本は7日、2002年から運用している新幹線電気・軌道総合検測車E926形「East i(イーストアイ)」の後継として、新たな新幹線専用検測車(E927形)の開発に着手すると発表した。新技術を活用することで、同時に開発を進める次期秋田新幹線(E11系)をベースとした最高時速320㌔での検測に対応するとともに、遠隔からの無人検測などを導入し、検査の品質向上、高精度化を図る。導入は2029年度を予定している。
検測区間は、東北、上越、北陸、山形・秋田新幹線で、5方面全ての線区で共通使用できる仕様とする。最高速度はイーストアイよりも45㌔速い時速320㌔。AI(人工知能)やDX(デジタルトランスフォーメーション)の技術を活用して省人化や遠隔検測の実現に取り組み、自動運転導入の検討も進めていく。
検測装置は、軌道関係3種類、電力関係5種類、信号・通信関係2種類の計10種類を搭載予定。このうち電力1種類を新たに導入、軌道、電力の計2種類で新方式を採用し、一部は鉄道総研が開発した技術を基に、JR東日本研究開発センターが新規開発した。
新規導入するのは「電車線金具モニタリング装置」。現在は作業員が目視で検査を行っているが、同装置では屋根上カメラで撮影した画像から、電車線金具をAIで検知。その画像を精査して良否判定を行うことで検査品質を向上する。
また、レールのゆがみを把握する「軌道変位検測装置」は、高速走行にも対応できるよう一つの装置にセンサー類を集約し、加速度計や2次元レーザーによる多点測定を導入。トロリー線の摩耗や高さなどを把握する測定装置は、レーザー光の反射による測定からスリット光の照射とカメラ撮影を組み合わせたものに変更し、断面形状や位置を確認することで、より高精度な状態把握が可能となる。
車両デザイン(カラーリング)は、今後同社グループを含めた社員から広く募集する予定。選ばれたアイデアを考案した社員と次期東北新幹線「E10系」のデザインを手がける英国のtangerine社が連携し、来年夏ごろの決定を目指す。
7日の定例会見で喜㔟陽一社長は「新技術を駆使したE927形の開発で、より安全かつ安心してご利用いただける新幹線輸送の実現に取り組んでいきたい」と述べた。
交通新聞
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