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2025.05.30鉄道JR東北本部 つばさのバトンつなぐ E3系からE8系へ 「つばさ、つなぐ。」プロジェクトをスタート など 【今週の交通新聞より】

2025年5月26日~5月30日の交通新聞から注目のニュースをご紹介!

交通新聞に掲載のニュースの中から、特に注目のニュースをトレたび編集室がピックアップしてご紹介します。

【今週注目のニュースはこちら】
・特集 JR九州 DX推進でNFTが存在感 顧客とのつながり創出のツールに
・JR四国・JR西日本 瀬戸大橋線で車両故障想定した合同訓練
・JR東北本部 つばさのバトンつなぐ E3系からE8系へ 「つばさ、つなぐ。」プロジェクトをスタート
・JR東海「推し旅」 「呪術廻戦」第2弾コラボ企画 新幹線や大阪市を舞台に
・北海道観光機構・JR北海道など 新幹線で来道の修学旅行生を歓迎 新函館北斗駅前で

5月26日 月曜日

特集 JR九州 DX推進でNFTが存在感 顧客とのつながり創出のツールに


交通新聞

「配布」「販売」の2軸 26シリーズ111種類

現実と組み合わせ

新たなツーリズムの形へ

JR九州のNFT(非代替性トークン)プロジェクトが、DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みで存在感を示している。利用者に新しい価値を提供する媒体の一つとして2023年7月にサービスを開始。今年4月末までに発行したNFTは、「配布」「販売」を合わせて26シリーズ111種類に上り、顧客とのつながりを創出する「ファンコミュニケーションツール」としての確立を目指した速度感ある事業展開が進められている。プロジェクトの概要と実績などを紹介する。(三浦 瑞基記者)

23年ごろのNFT市場は、アート作品やプロスポーツ関連などの〝投機的〟な商品展開が落ち着きを見せ、世間では市場が下火になったと見られた時期に当たる。参入のタイミングについて、同社事業開発本部デジタル事業創造部でNFTを担当するデジタル・データ分析チームの牛島卓二副課長と岩本裕行さんは、「当初よりお客さまとのつながりをつくるためのツールを目指すサービス設計としており、売って稼ぐチャンネルも持つが、それだけではないという考え方でした」と説明する。

理念の実現に向け、同社のNFTは「配布」と「販売」の2軸で設定。配布NFTは、収集に向けた移動需要の創出や、NFTの趣味世界に足を踏み出すきっかけづくりを狙いに、スマートフォン(要位置情報)を介して駅や列車、イベントなどの〝現地〟のみで無料取得できる仕組みとした。

販売NFTは、プロジェクト運営のための収益確保の側面を持たせ、プレミアム要素を設けた特別な商品として、現地販売、ウェブサイトからの通常販売の2チャンネルでの展開とした。

入手日が不可逆的に記録される記念品や、収集欲を満たすもの、プラスアルファの体験価値を得られるものなど、デジタル資産としてNFTを持つ意味を創出。関係人口を増やし、配布、販売の取り組みを加速させ、最終的にはファンコミュニティーの立ち上げも思い描くなど、顧客との交流を図っていく事業構造を想定する。

 

プラットフォームには、将来的なインバウンド需要も見込んで世界に開けたパブリックブロックチェーンを採用し、配布、販売の双方が取り扱いできる自社サイト「JR九州NFT」を当初から立ち上げた。マーケティングに生かせる取得者情報が得られる上、事業展開に柔軟性を持たせることができ、月1回ペースのスピーディーな新シリーズ発行を支えている。

23年5月の試験NFT配布を経て、同年7月から本格始動して約2年が経過。これまでの実績(4月末時点)は、参加ウォレット数約8000ウォレット、発行NFT数は約1万7000個に上る。

イベント配布NFT

今年1月の2日間、球磨焼酎酒造組合(熊本県人吉市)と共に焼酎即売会を博多駅中央改札口前で開催し、購入者には商品ごとに銘柄ラベルデザインNFTをプレゼントした。

「現実と組み合わせていかないと、NFTは市民権を得られない」との課題感から生まれた企画で、NFTには蔵元での無料試飲、買い物2割引きといった現地来訪をいざなう特典を用意し、さらに同NFTを1枚取得ごとに1口が自動エントリーされ、3人に「レア商品(お酒)」を贈る抽選も設定した。

10蔵元19銘柄、計約240本の焼酎が完売。そのうち約6割でNFTの取得があった。 現地特典は今年12月まで有効(一部蔵元を除く)とし、現時点で実際に購入者が現地を訪れた事例はわずかだが、NFTを使った「新しいツーリズム」のモデルケースとなった。

変わり種NFT

〝変わり種NFT〟として、可能性を模索するユニークな挑戦も多い。昨年11月には「NFT×ファッション」をコンセプトに、中国発のNFTプロジェクトなどと連携したアパレル商品を販売。服を購入すると服のNFTがもらえ、メタバース上のマネキンにも着用できる、リアルとバーチャルの双方で遊べる価値観を提案した。

熊本県山鹿市の法人会との連携では昨年度、同法人会主催の小学生向け絵画コンクールで、受賞者に作品のNFTを記念品として贈呈した。応募作品は従来から本人に返却しないことに対する解決策で、コンテンツではなく、NFTプラットフォームのみを社外に提供する事例となった。

システムの簡略化/エリアまたぐ連携

■今後について――

岩本さんは「お客さまに便利だし、楽しいと思っていただけないと、ここから先の発展は難しい」と、体験価値と利便性のさらなる向上の必要性を強調。参加ウォレット数の拡大には、NFTに対する難しいイメージの払拭も大切なテーマに捉え、システム機能の簡略化に向けた議論なども進めている。

牛島副課長は「これまでたくさんのコラボレーションをしてきたが、コンテンツとしてのコラボが多く、エリアをまたがるような連携はまだやれていない。九州内で閉ざすつもりは全然ないので、いろいろなところと連携した取り組みをしていきたい。ぜひお声がけをいただければ」と広く呼びかける。

駅配布NFT

第1弾は23年9~10月に、九州各県庁所在地駅を中心に全10駅を対象に実施。駅名標をデザインしたNFTで、各駅改札口のQRコードポスターから取得してもらう方法を採った。プロジェクト本始動から2カ月の時期にもかかわらず、計50日間で参加ウォレット数816ウォレット、発行NFT数2252個、コンプリート率14%の実績を残す成功体験となった。

昨年4~6月には、モバイルファクトリーの位置情報ゲーム「駅メモ!」シリーズとのコラボNFTを展開した。キャラクターの「黒崎あたる」「福分おとは」をデザインに用いた全6種のNFTを、博多、黒崎、小倉、別府、大分、佐伯の6駅で配布し、多くの駅メモファンを現地に送り込むことに成功。キャラクターコンテンツの〝強さ〟を示した。

列車配布NFT

乗車証明としての価値の提案へ、当時のD&S(観光)列車を対象に23年12月―昨年2月に実施。NFCチップを備えた車内ポスターにスマホをタッチで取得できる仕組みを採り入れ、「ゆふいんの森」「A列車で行こう」など全9種類を用意した。全69日間で813ウォレットが参加し、発行NFTは910個。コンプリートはなかった。

通常販売NFT

23年7月からスタート。コンテンツは車両をはじめ、同社キャラクターなどアセットをフル活用して商品展開してきた。昨年2~5月と9月―今年1月には、タカラトミーと連携して「プラレール」NFTを全2弾にわたって販売。有名コンテンツとのコラボは反響を呼び、「次のコラボ先探しに有効に働く」事業のターニングポイントとなった。

現地販売NFT

昨年12月―今年1月に、臨時快速「ゆふいん号」の運転に合わせたNFTを、 走行区間の久大線久留米、由布院駅で販売。数量限定はなく、1個500円の安価で設定し、乗客に限らず写真撮影のファンもターゲットとして、「ご朱印のような感覚で利用してもらえれば」と手軽な記念品としての価値を提供した。


5月27日 火曜日

JR四国・JR西日本 瀬戸大橋線で車両故障想定した合同訓練


交通新聞

横付け列車で救済

JR四国とJR西日本は23日未明、本四備讃線(瀬戸大橋線)児島―宇多津間の瀬戸大橋上で、架線断線による車両故障発生を想定した合同訓練を実施した。昨年11月に瀬戸大橋上で発生した架線断線・車両故障の際は乗客救済に長時間を要したことを踏まえ、初動対応、情報伝達、乗客対応班の現地派遣、非常用渡り板を使用した横付け列車への乗客移乗などの各種訓練を行った。同区間での架線断線想定訓練、瀬戸大橋海上部での横付け列車による救済訓練は初めて。

両社では同線での訓練を1993年から行い、2012年以降は約3年ごとに実施。13年には会社境界付近で異常が発生した際の利用者の救済・救護に関する覚書を交わしている。覚書の内容は今年4月に一部改定し、JR西日本の協力範囲を従来の鷲羽山トンネル出口(本州側終端)から、瀬戸大橋を経て四国側の宇多津駅構内手前まで拡大した。今回の訓練は23年9月以来2年ぶり、通算7回目。

合同訓練には、JR四国の四之宮和幸社長、長戸正二専務・鉄道事業本部長、瀬井威公常務、JR西日本の漆原健取締役兼常務執行役員・鉄道本部副本部長・安全推進部長・安全研究所長、佐伯祥一執行役員・中国統括本部長、林秀樹理事・中国統括本部副本部長・岡山支社長をはじめ、両社の役員、社員、国土交通省四国運輸局、中国運輸局、本州四国連絡高速道路の関係者ら合計約170人が参加。

児島駅3番・4番線ホームで行われた開会式で、四之宮社長は「訓練を通じて手続きや設備を確認し、得られた知見を職場で展開していただきたい」、佐伯本部長は「さまざまな気付きを踏まえて、お客さま救護・救済のレベルアップ、各種マニュアルのブラッシュアップにつなげていきたい」とあいさつ。

来賓の板橋孝則四国運輸局鉄道部長は「最善の行動が取れるような体制や安全風土の構築、各社の安全管理体制の強化につながることを期待している」と述べた。

訓練列車(JR西日本223系2両編成)は児島からいったん宇多津まで走行後、上り列車として発車。瀬戸大橋区間を走行中、架線断線による車両故障が発生し、下津井瀬戸大橋上に停車した。運転士は前途運転不能と判断し、四国輸送指令に救援列車を要請。同指令は岡山輸送指令に状況を連絡し協力を求めるとともに、お客さま対応班を現地に派遣。各種救済方法を検討し、横付け列車の運転を決定した。

横付け列車(JR四国2700系3両編成)は児島で非常用渡り板と供食品を積載し、下り線を走行して現地に到着。故障列車の横に停車後、乗務員が両列車のドア間(1カ所)に渡り板を設置し、乗客を移乗させた。移乗完了後、横付け列車は同線を上り方に走行して児島に到着した。

終了後、同駅3番・4番線ホームで行われた閉会式で、長戸本部長は「渡り板の設置がスムーズにでき、時間的な余裕ができた。今後も計画的に訓練を行い、異常時に備えていきたい」と述べた。


5月28日 水曜日

JR東北本部 つばさのバトンつなぐ E3系からE8系へ 「つばさ、つなぐ。」プロジェクトをスタート


交通新聞


交通新聞

ラッピング、グッズで盛り上げ ウェブで情報発信

JR東日本東北本部は23日、山形新幹線E3系「つばさ」の定期運行が本年度内に終了し、全て新型E8系に置き換わることから、「つばさ、つなぐ。」プロジェクトをスタートさせた。E3系運行終了までの期間中、社員考案のロゴマークをあしらったラッピング車両を運行するほか、専用ホームページでの情報発信、オリジナル商品の発売などさまざまな企画で、「つばさ」の〝バトンパス〟を盛り上げる。

山形新幹線E3系は、1999年12月の山形新幹線山形―新庄間延伸開業に合わせて1000番代が運行開始し、2008年12月には2000番代が投入された。いずれも長きにわたって活躍したが、新型E8系の導入に伴い1000番代は昨年3月に運行を終了。2000番代も本年度内に定期運行から退き、車両はE8系に統一される。

プロジェクトの開始に当たり、E3系からE8系に役目をバトンパス(つなぐ)していくことをイメージしたロゴマークを制作。デザインは同本部山形統括センターの社員が考案し、E3系のシルエットとカラーをモチーフに列車の疾走感なども表現した。

ラッピング車両は、E3系1編成の両方の先頭車にロゴをデザイン。掲出期間は6月17日以降、運行終了までの予定。初列車の運転については、JR東日本山形エリアマスコットキャラクター「つどりぃ」のX(旧ツイッター)で告知する。

オリジナル商品は、E3系の外観や車体カラーなどをデザインしたTシャツ(4950円)やポケット付きエコバッグ(1760円)、A4クリアファイル(440円)、アクリルキーホルダー(660円)などをラインアップ。

「米沢牛すきやきとイカ人参弁当 ~つばさ、つなぐ。弁当~」(1500円)、「The山形弁当 ~ありがとうE3つばさ~」(同)のオリジナル駅弁も用意する。6月1日以降、山形新幹線停車駅の「NewDays」「NewDays KIOSK」などで順次販売する。

専用ホームページでは、「つばさ」E3系の歩み、オリジナルグッズ紹介や、「つどりぃ」のXに寄せられた思い出エピソード、ラッピング車両の運行計画、その他のコンテンツなどを発信していく。プロジェクトの企画、オリジナル商品は今後も追加される予定。


5月29日 木曜日

JR東海「推し旅」 「呪術廻戦」第2弾コラボ企画 新幹線や大阪市を舞台に


交通新聞 Ⓒ芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

JR東海は同社が展開する「推し旅」で、テレビアニメ「呪術廻戦」との第2弾コラボレーション企画「じゅじゅ探訪 in 大阪」を実施している。あす30日の映画「劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折」公開を記念した。7月20日まで。

東海道新幹線の乗車中に専用ウェブサイトにアクセスして楽しめるコンテンツは二つ。このうち、映画に関するオリジナルクイズ「じゅじゅ探訪認定試験」は全10問で満点を獲得すると、オリジナル壁紙画像(全3種)がもらえる。試験の点数に応じてキャラクターの五条、夏油、家入のランダムボイスが楽しめる。

一方、車内限定ボイスの配信では、ファン必聴の録り下ろしボイスを用意。いずれかのコンテンツを楽しんだ人に、五条、夏油、家入の大阪旅行を描いたオリジナルイラストを使用した限定アクリルキーホルダーをキデイランド大阪梅田店でプレゼントする。

大阪市内で楽しめるコンテンツは多種多様。オリジナルボイス付きデジタルスタンプラリーは、各観光スポットでキャラクターの声を聴きながら市内を巡る。コンプリート特典として、ミニキャライラストが描かれた限定イラストカードを同店で進呈する。

オリジナルメニュー設定

オリジナルメニューの販売は「たこ焼道楽 わなか」なんば店、黒門市場店で企画限定メニュー「おろしタレ たこ焼き」。「北極」本店ではアニメならではの「アイスキャンデー」ラムネ味、マンゴー味を先行販売している。購入者にミニキャライラストカード(全2種)を進呈する。

大阪地下街の「Whityうめだ」に五条、夏油、家入の等身大パネルを設置し、泉の広場では映画の公開を記念した期間限定展示を6月30日まで行う。キデイランド大阪梅田店では、オリジナルイラストを使用した限定グッズを多数販売する。


5月30日 金曜日

北海道観光機構・JR北海道など 新幹線で来道の修学旅行生を歓迎 新函館北斗駅前で


交通新聞

北海道で学生時代の思い出を――。北海道観光機構、JR北海道、北海道、函館市、七飯町、北斗市、木古内町の7者は、北海道新幹線を利用した修学旅行が本格化するこれからのシーズンに、同新幹線新函館北斗駅で修学旅行生らのお出迎えを行っている。

機構やJR北海道では、修学旅行で初めて北海道を訪れる子どもたちが多いことを受けて、玄関口となる同駅で歓迎し思い出の最初のページを飾ってもらおうと、5年ほど前から5、6月に複数校の出迎えを実施している。

今季も26日には、「はやぶさ5号」で到着したさいたま市内の中学3年生約170人を同駅南口前で歓迎。生徒たちは、「北海道へようこそ」と書かれた横断幕を持った関係者、北海道新幹線つなげる応援大使「どこでもユキちゃん」、北斗市公式キャラクター「ずーしーほっきー」らが手を振る中、笑顔で手を振り返し、ハイタッチしながらバスへと移動した。

本年度は4月時点で東北エリア約230校、関東エリア約20校、道内約200校が同新幹線を利用した修学旅行を計画。機構とJRでは今後も、北海道独自の歴史文化と自然、総合的な学習の一環として、農業、酪農体験などをセールスポイントに、関東・東北エリアの学校や旅行会社へ新幹線利用のPRを進めていく。



交通新聞

鉄道、航空、自動車などの交通機関はもとより、観光、旅行、経済など交通・運輸界にかかわる様々な情報を提供している総合専門紙。1943年(昭和18年)4月1日に「陸輸新報」として創刊、2013年(平成25年)12月18日には通巻2万号を迎えました。JR、私鉄、官公庁など幅広い読者の皆さまから高い評価を得ています。また、交通業界にとどまらず、不動産、金融、保険、サービスといった業界の方々からも注目されています。

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