アイヌ語由来の格調高い列車名
札幌駅〜旭川駅間を約1時間半で結ぶ特急「カムイ」。アイヌ語で神格的な存在を意味する「kamuy(カムイ)」に由来する、格調高い名前を持つ列車です。
その前身は、2007年10月にデビューした特急「スーパーカムイ」。2017年のダイヤ改正で「スーパーカムイ」を再編するかたちで、「ライラック」と「カムイ」の2つの特急列車が誕生。運転区間は同じですが、半室グリーン車を備える789系0番代で運転される列車が特急「ライラック」、普通車モノクラス編成の789系1000番代で運転される列車が特急「カムイ」と呼ばれるようになりました。ちなみに、列車の号数は両列車通しで付番されています。
特急「カムイ」はどんな列車?
789系1000番代
特急「カムイ」に使われる789系1000番代は、老朽化が進んでいた従来車の781系を置き換えるために2007年に登場。6両グリーン車付きで増結も可能な789系0番代に対し、1000番代は5両固定編成で、グリーン車のないモノクラス制です。
外観は未来的なシルバーメタリックをベースに、前面に黒色の縦帯、側面の客室窓下にはJR北海道のコーポレートカラーである萌黄色と、バイオレット、黒の横帯を引くことでスピード感のある仕上がりに。特急「カムイ」のほか、札幌駅〜室蘭駅間の特急「すずらん」にも使用されています。
車内
自由席
5両編成の特急「カムイ」は、1・2号車が自由席、3~5号車が指定席。4号車を除いて各車両の基本的な客室設備は共通で、ブラウン系のリクライニングシートが「2+2」配列で設置されています。座席背面のテーブルは大きめのサイズで、パソコン作業も快適です。
4号車指定席「uシート」
グリーン車がない特急「カムイ」ですが、4号車の指定席は「uシート」というハイグレードの仕様になっています。「2+2」配列のリクライニングシートはふっくらと厚みのあるタイプで、上下可動式の枕付き。他の座席よりもシートピッチが広めに確保されていて、足元のゆとりも十分。座席背面にはスマートフォンやパソコン用のコンセントも備わっています。
普通席よりも快適なこの「uシート」、実は通常の指定席料金と同額で乗ることができるので、座席指定の際は要チェックです。
- ※編成によっては4号車以外の指定席にもuシートが連結される場合があります。
特急「カムイ」はこう楽しむ!
旭山動物園
特急「カムイ」の札幌発の終着駅・旭川駅に着いたら、路線バスに乗り換えて旭川市旭山動物園へ。バス運賃は大人が500円で、所要時間は約40分ほど。日本最北の動物園でもある同園は、動物たちの自然界での行動やありのままの生活を見せる「行動展示」で注目を集めています。
特に、冬の積雪期に園内をペンギンたちがトコトコと歩く「ペンギンの散歩」は必見。しっかりと防寒対策をして訪れましょう。
「ペンギンの散歩」の様子
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列車情報
| 運転日 | 毎日 |
|---|---|
| 運転区間 | 札幌駅〜旭川駅(函館本線経由) |
| 運転時刻 |
旭川方面・始発【7号】札幌駅9:00発→旭川駅10:25着 旭川方面・終電【45号】札幌駅22:00発→旭川駅23:25着 札幌方面・始発【4号】旭川駅6:46発→札幌駅8:26着 札幌方面・終電【42号】旭川駅20:00発→札幌駅21:25着 |
著者紹介
- ※文/佐藤正晃
- ※写真/(株)交通新聞クリエイト
- ※掲載されているデータは2025年11月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください


