トレたび JRグループ協力

2026.01.21鉄道「リゾートビューふるさと」―日本の“ふるさと”を車窓に映す観光列車(THE列車)

信州の繊細な自然を守りながら走る

2010年の「信州デスティネーションキャンペーン」に合わせてデビューし、長野駅〜松本駅〜南小谷駅間を信越本線・篠ノ井線・大糸線経由で走る「リゾートビューふるさと」。列車名には、沿線に連なる雄大な山々や清流、どこか懐かしさを感じさせる里山の風景など、日本の“ふるさと”を思い起こさせる景色をさまざまな場所から楽しんでほしいという思いが込められています。

それまでのリゾート列車は、一般の気動車などを改造して用いるケースが大半でしたが、「リゾートビューふるさと」には環境性能の高いハイブリッド式の新型車両を投入。繊細な自然環境の中を走る列車にふさわしい、エコリゾートトレインとして誕生しました。

「リゾートビューふるさと」はどんな列車?

ハイブリッドシステムを搭載したHB-E300系


新幹線

車両はディーゼルハイブリッド式気動車のHB-E300系2両編成。車両のデザインコンセプトは恵み多い山々や川・湖・木々といった信州の大自然をモチーフにしてデザインすることで、エコロジー・自然との共生を表現しています。

発電用のディーゼルエンジンとリチウムイオン蓄電池を組み合わせ、加速時はエンジンや蓄電池からの電力を使って、電車と同様に制御装置でモーターを駆動。ブレーキ時には運動エネルギーを電気エネルギーに変換して、蓄電池に充電します。これにより、一般気動車(キハ40・48形)を改造した従来のリゾート車両と比較して、燃料向上や排気中の大気汚染物質の大幅削減を実現。駅停車時や発車時の騒音も少なくなっています。

ゆとりたっぷりのリクライニングシート


電車の座席

車内は全車指定席で、客室には回転式のリクライニングシートが「2+2」配列で並びます。
座席定員は、松本寄りの1号車が44名、南小谷・長野寄りの2号車が34名(2名分の車イススペース除く)の計78名。快速列車でありながらシートピッチは1200mmと、新幹線(E5系)のグリーン車を上回るゆとりが確保されており、どんな体格の人でもゆったりと快適に過ごせます。

1・2号車とも、運転室の後方には腰掛けやソファーを備えた展望スペースが設けられており、大型の側面窓からの広々とした車窓を自由に楽しめます。

「リゾートビューふるさと」はこう楽しむ!

地元の方々によるおもてなしイベント


演奏する二人の人

往路(南小谷駅行き)の車内では土日を中心に、地元の方々が郷土にちなんだイベントで乗客を迎えます。

大町市に伝わる民話の語りが温かい「もんぺの会」、民謡・正調安曇節などを披露する「有明山語りの会」など、内容は時期によってさまざま。イベントは展望スペースで行われますが、その様子は客室内のモニターにも映し出されるので、自分の席からでも楽しむことができます。

日本三大車窓「姨捨(おばすて)」


姥捨駅ホームからの絶景 姥捨駅ホームからの絶景

展望デッキと電車 展望デッキ

篠ノ井線の区間で見逃せないのが、姨捨駅付近の車窓風景です。標高約550mの山腹から棚田越しに千曲川と善光寺平を一望できるその絶景は、日本三大車窓の一つにも数えられています。往路(南小谷駅行き)、復路(長野駅行き)ではともにA席側がベストビュー。13分の停車時間があるの往路では、ホームに降りてじっくりとその景色を楽しむのもOKです。

また、姨捨駅はスイッチバック(急勾配を登るための方向転換)が行われる駅のひとつ。その動きが表現されている駅名標にもぜひ注目してみてください。

日本アルプス総鎮守・穗高神社


駅舎 穗高神社をモチーフにした社殿造り

途中駅でのひとときを楽しめるのも「リゾートビューふるさと」の魅力の一つ。往路では穂高駅で約30分間の停車時間が設けられており、駅から徒歩約5分の穗高神社を訪れることができます。

古代に九州から移り住んだ安曇族が祖神・穗高見命を祀って創建したと伝えられる穗高神社は、日本アルプスの総鎮守として崇敬を集め、近年はパワースポットとしても有名です。日によっては、巫女さんが駅で乗客を出迎え、参拝の案内をしてくれます(天候等により中止される場合があります)。


列車情報

運転日 主に土休日(1月17・18・24・25・31日、2月1・7・8・14・15・21〜23・28日、3月1・7・8・14・15・19〜23・27〜30日)
運転区間 長野駅〜松本駅〜南小谷駅間(信越本線、篠ノ井線、大糸線経由)
運転時刻 【往路】長野駅10:04発→南小谷駅13:40着
【復路】南小谷駅14:28発→長野駅17:30着
備考 2026年1月現在の情報です。運転日・運転時刻は変更になる可能性があります。


著者紹介

佐藤正晃

1991(平成3)年、スーパートレイン全盛期生まれの旅行・交通ライター。青森県青森市出身。

撮影旅・乗車旅が好き。最近は吞み鉄にもハマっている。

親の転勤が多く、幼少期は盛岡市や東京都で過ごしたため、東日本エリアの鉄道には並々ならぬ思いがある。大学卒業後、旅行関連業界を経て、現在は取材のため各地を飛び回る日々。

  • 文/佐藤正晃
  • 写真/JR東日本、交通新聞クリエイト
  • 掲載されているデータは2026年1月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください
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