トレたび JRグループ協力

2026.02.16鉄道「315系」―最新技術を盛り込んだJR東海の最新鋭通勤電車

国鉄時代の車両を置き換え各地で活躍

2022年に営業運転を開始したJR東海の最新鋭通勤電車が315系です。最新技術の導入で安全性・安定性を高めつつ、従来車と比べて電力消費両を最大約35%低減するなど、省エネ性能も進化。さらに、バリアフリー設備の充実やセキュリティ強化など、「普段使いの通勤電車」だからこそ嬉しいポイントがしっかり盛り込まれています。

まずは2022年に8両編成の0番代が中央本線でデビュー。続いて2023年には4両編成の3000番代が登場し、関西本線に投入されました。その後は東海道本線の名古屋・静岡エリアや武豊線などにも拡大。国鉄から継承した211系のほか、平成初期に製造された213系や311系を置き換えました。これによって、JR東海が保有する全ての車両がJR発足以降に新製した車両になりました。

315系はどんな列車?

先進性と親近感を両立したエクステリア


電車

315系の顔つきは、直線を取り入れた幾何学的な形状と、横長に連続した前面表示窓がポイント。ひと目見ただけで新型通勤電車としての先進性が表現されています。

一方で、側面帯にはJR東海のコーポレートカラーであり、沿線で長く親しまれてきたオレンジ色を採用。先進性と親近感を両立した外観デザインになっています。

明るく誰でも使いやすい車内


電車の座席

電車の案内板

車内はオールロングシートで、白を基調にした明るい空間に、鮮やかなブルーのシートモケット。従来の211系に比べて、1人あたりの座席幅は1cm拡大しています。開放感をつくる工夫として、大型の袖仕切りに透明ガラスを入れているのもポイントの一つ。

各ドア上には運行情報などを表示するフルカラー液晶ディスプレイを設置し、案内面も充実しています。全車両に車椅子スペース、全編成に車椅子対応トイレを設置するなど、誰にとっても使いやすい車両です。

最新技術で安全運行をサポート

性能面では最高速度130km/hを実現しながら、特急型車両HC85系と同じ台車構造を採用し、快適な乗り心地も両立しています。JR東海の在来線車両として初めて非常走行用蓄電装置を搭載し、停電時には最寄り駅まで自力走行が可能。いざという時の安心感も一段上がっています。

また、3000番代はワンマン運転を念頭に、車体側面の乗降確認用カメラを活用した安全確認支援装置を搭載しています。車側カメラの映像をAIが認識し、ドアが閉まってから列車に近付いた人を自動で検知。警報音などで運転士に知らせる仕組みです。

315系でのワンマン運転は、関西本線の名古屋駅〜亀山駅間と、武豊線の大府〜武豊駅間の一部の列車で2026年3月8日から開始される予定です。

315系はこう楽しむ!

江戸時代の風情が残る中津川宿


古い日本の街並み(中津川宿)

315系が最初に投入された中央本線に乗って中津川駅へ。駅から10分ほど歩けば、中山道の宿場町・中津川宿があります。かつて東濃随一の商家町として栄えた場所で、江戸時代の風情を色濃く残す町並みが、当時の面影を今に伝えます。中山道の歴史を伝える資料館の裏には、脇本陣を務めた旧森家を移築復元した施設もあり、建物の一部が無料公開されています。

2008年からは、江戸時代に開かれていた「六斎市」と呼ばれる定期市を復活。2月〜12月の毎月第1日曜日に、地元の特産物や地域ブランド商品の販売、ストリートライブなどのイベントが行われています。

“現役最古”の駅舎が残る亀崎駅


駅舎 亀崎駅

武豊線は愛知県内で最も早く開通した鉄道路線。東海道線を建設するための資材を運ぶため、1886年に開通しました。そんな路線の途中にある亀崎駅では、開業当時に建てられた木造駅舎が今も現役。「日本最古の現役駅舎」と呼ばれています。丁寧に手入れされた駅舎は、外観からはそれほどの古さを感じませんが、基本的な構造は当時のまま。駅舎内の建物資産標には明治時代の完成を示す「M19年1月」と記されています。

また、2駅隣の半田駅では、1910年に完成した跨線橋が2021年まで現役で活躍していました。こちらは2021年に役目を終えましたが、今後、駅前に移設保存される計画となっています。


列車情報

運転日 毎日運転
運転区間 名古屋駅〜中津川駅間(中央本線)、名古屋駅〜亀山駅間(関西本線)、熱海駅〜米原駅間(東海道本線)など
備考 2026年2月現在の情報です。運転日は変更になる可能性があります。

「351系」について詳細はこちら


著者紹介

佐藤正晃

1991(平成3)年、スーパートレイン全盛期生まれの旅行・交通ライター。青森県青森市出身。

撮影旅・乗車旅が好き。最近は吞み鉄にもハマっている。

親の転勤が多く、幼少期は盛岡市や東京都で過ごしたため、東日本エリアの鉄道には並々ならぬ思いがある。大学卒業後、旅行関連業界を経て、現在は取材のため各地を飛び回る日々。

  • 文/佐藤正晃
  • 写真/交通新聞クリエイト
  • 掲載されているデータは2026年2月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください
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