トレたび JRグループ協力

2026.05.29鉄道特急「はるか」―近畿東部と関西空港を結ぶ空港アクセス特急(THE列車)

関西の空の旅を支え続けて30年

近畿地方東部と関西空港とを結ぶアクセス列車として、1994年の関西空港開港と同時に運行を開始した特急「はるか」。関西の空の旅を支える列車として30年以上にわたって親しまれ、現在は野洲・草津・京都駅〜関西空港駅間を1日30往復しています。

一般公募で決定した列車愛称は、古都・京都を発着する国際空港アクセス特急にふさわしい名として、「日本らしさ」と「空」のイメージを両立しています。

「はるか」はどんな列車?

複数路線をまたぐ運行ルート

京都駅〜関西空港駅間を約1時間30分で結ぶ「はるか」は、複数の路線を経由する特徴的なルートを走ります。まず京都方面から大阪までは東海道本線を走行。大阪駅では地上ホームではなく、2023年に開業した「うめきたエリア地下ホーム」を発着し、その後は大阪環状線に入って大阪市内を南下します(新今宮駅〜天王寺駅間は厳密には関西本線経由)。天王寺駅からは阪和線を走り、日根野駅で関西空港線に分岐して関西空港駅へと至ります。

今後の動きにも注目です。“京の東の玄関口”としての役割を担う山科駅では、2029年度の完成を目指して駅の改良工事が進められており、完成後は京都駅発着の「はるか」が山科駅発着に延伸される見通しです。さらに、2031年春以降は新たに開業する「なにわ筋線」(大阪駅〜JR難波駅)経由に変更される予定で、さらなる利便性の向上が期待されています。

281系と271系、2種類の車両


白い電車 281系

白い電車 271系

車両は1994年の運転開始時に導入された281系と、全列車9両編成化のために2020年に導入された271系の2形式。すべての列車が6両基本編成+3両付属編成の9両編成で運転されており、基本編成(1〜6号車)は必ず281系、付属編成(7〜9号車)は281系または271系となっています。

両形式は一見よく似ていますが、外観上の大きな違いは先頭形状です。281系はS字を描くように上部が出っ張った流線型が特長である一方、271系は「くろしお」などで使用される287系などと似た比較的平面的な形状となっています。両形式とも前面に貫通扉を備えていますが、281系のものは非常用であるため、通常運用時に開くことはありません。基本的なカラーリングは両形式で共通しており、雲をイメージした白色を基調に、屋根部にグレー、裾部にブルーを配した塗装です。

グリーン車(1号車)


電車の座席

グリーン車は281系のみの設備で、京都方先頭の1号車に設けられています。客室はグレーを基調としたシックな雰囲気で、ふっくらとした肉厚のリクライニングシートが「2+1」配列で30席並びます。シートピッチは1,160mmとゆったりしておりで、頭部に柔らかなヘッドレスト、足元にフットレストが付き、肘掛けにはインアームテーブルを備えるなど、空港への道のりを快適に過ごせる設計になっています。

普通車(2〜9号車)


電車の座席

2〜9号車の普通車は、2〜4号車と8・9号車が指定席、5〜7号車が自由席です。基本編成と付属編成の間(6・7号車間)は通り抜けができません。281系・271系とも基本的な構成は同じで、ブラウン系のリクライニングシートが「2+2」配列、シートピッチ970mmで並びます。

一方、設備面では様々な違いがあります。271系には全座席にコンセントが装備されているほか、281系ではLEDスクロール式だった客室内の情報表示装置が2面の大型LCDにグレードアップ。大型荷物スペースも、281系ではデッキ部にありますが、271系では客室内に設置されています。どちらの形式に乗り合わせるかも、乗車の楽しみの一つと言えるでしょう。

「はるか」はこう楽しむ!

「ハローキティ」のラッピング車両


電車 付属編成「Ougi」

「はるか」では現在、株式会社サンリオの人気キャラクター「ハローキティ」とのコラボレーションで、「和モダン」をイメージしたラッピング車両が一部の列車で運行されています。ラッピングは4種類で、いずれも花柄や和装姿のキティちゃんが華やかにあしらわれたデザインです。(既にラッピングが終了したデザインもあります。)

基本編成にはチョウがモチーフの「Butterfly」、ハートや折り鶴柄の「Ori-Tsuru」、かんざしや櫛をあしらった「Kanzashi」の3種類、付属編成には扇と四つ葉のクローバーと扇がポイントの「Ougi」があり、それぞれ車内にも装飾が施されています。どの車両が来るかは当日のお楽しみです(ラッピングがない車両もあります)。このラッピングは、2027年夏ごろまでに順次終了することが発表されています。気になる方は、今のうちにぜひチェックしてみてください。


ラッピング車両について詳しくはこちら

「世界最長のトラス橋」を渡って空港島へ

日根野駅〜関西空港駅間では、関西国際空港連絡橋を渡って空港島へと向かいます。「スカイゲートブリッジR」の愛称を持つこの連絡橋は全長3,750メートルで、トラス橋としては世界最長。泉州沖を眺める雄大な車窓風景が、空港へ向かう期待感をいっそう引き立ててくれます。橋は鉄道と道路が一体となったダブルデッキ(二層)構造で、線路の上には6車線の道路が通っています。線路は南海電鉄の南海空港線との共用で、同社の空港アクセス列車も同じレールの上を走ります。

列車情報

運転日 毎日
運転区間 野洲・草津・京都〜関西空港駅間(東海道本線・大阪環状線・関西本線・阪和線・関西空港線経由)
運転時刻

※平日ダイヤ
関西空港方面・始発【1号】京都駅5:45発→関西空港駅7:10着
(※草津駅始発【3号】草津駅5:58発→関西空港駅7:41着)
(※野洲駅始発【9号】野洲駅7:15発→関西空港駅9:13着)
関西空港方面・最終【59号】京都駅20:30発→関西空港駅21:59着

京都方面・始発【2号】関西空港駅6:31発→京都駅8:11着
京都方面・最終【60号】関西空港駅22:16発→京都駅23:32着
(1日あたり上り・下り各30本)


「特急はるか」について詳しくはこちら


著者紹介

佐藤正晃

1991(平成3)年、スーパートレイン全盛期生まれの旅行・交通ライター。青森県青森市出身。

撮影旅・乗車旅が好き。最近は吞み鉄にもハマっている。

親の転勤が多く、幼少期は盛岡市や東京都で過ごしたため、東日本エリアの鉄道には並々ならぬ思いがある。大学卒業後、旅行関連業界を経て、現在は取材のため各地を飛び回る日々。

  • 文/佐藤正晃
  • 写真/交通新聞クリエイト
  • 掲載されているデータは2026年5月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください
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