徳島エリアで6月から運転開始
国鉄時代に製造されたキハ40・47形気動車を置き換えるために開発された3600系は、JR四国では初めてとなる新型のハイブリッド式ローカル車両です。
量産先行車が6月27日に徳島エリアで運転を開始し、高徳線・徳島線・牟岐線の計6本の列車に充当されています。2027年度からは量産車の投入が順次始まる予定で、活躍の場を他のエリアにも広げていく見通しです。
「3600系」はどんな列車?
電車と同じ走行システムで乗り心地向上
従来のディーゼル気動車は、ディーゼルエンジンの動力を変速機で調整し、車輪を駆動させる仕組みでした。一方、3600系に採用されたハイブリッドシステムは、ディーゼルエンジンで発電した電力と蓄電池の電力でモーターを駆動させる方式で、電車と同じシステムで走行します。蓄電池はブレーキ時などに発生する回生電力で効率よく充電されます。
複雑な機械部品や回転部品が不要となったことで、駆動系の安全性と信頼性が向上。メンテナンス作業とコストの削減も期待されます。また、気動車特有のギアチェンジがなくなることで乗り心地も向上し、駅停車時のアイドリングストップにより燃費改善とCO2削減にも貢献します。
四国の海と空をイメージしたデザイン
車両の外観デザインを担当したのは、「伊予灘ものがたり」や8600系なども手掛けたJR四国の社員デザイナー・松岡哲也さんです。外観はステンレス鋼製のボディに、JR四国のコーポレートカラーであり四国の海や空をイメージしたライトブルーを配色。側面にはSHIKOKU Hybrid Vehicle 3600」の文字が入り、ライトブルーをゴールドのラインが縁取ります。側面のストライプは空から海や川面に降りそそぐ光を表現し、四国の豊かな自然や澄んだ空気と水を象徴するデザインです。
温もりと機能美を調和させた車内
客室内の床面は温もりを感じる木目調で仕上げ、壁面は明るく清潔感のある布地目にアクセントのグレーブラウンを組み合わせています。有機と無機、明と暗のコントラストにより、ナチュラルな温もりと機能美を調和させた、心地よく洗練された空間となっています。
車両は2両1編成で、2両編成時の定員は272名。座席はロングシートを基本に、高松方の車両(3600形)にはボックスシートが3か所設置されています。シートモケットは外観と同じく四国の海と空をイメージしたブルーを基調に、光に照らされる煌めきを多様な色で表現。光を受けて成長する木の芽のデザインが全体に巡らされています。優先席には色覚の多様性に配慮したグリーンを採用し、四国の美しい山々をイメージした配色となっています。
徳島方の先頭車(3650形)には車いすスペースと、従来車より広くなった車いす対応トイレを設置。ドア上部には横長タイプの液晶式ディスプレイを設置し、停車駅・到着駅の案内などをわかりやすく伝えます。
「3600系」はこう楽しむ!
徳島駅から「眉山」へ
徳島駅から徒歩でもアクセスできる徳島市のシンボル・眉山。万葉集に「眉のごと雲居に見ゆる阿波の山」と詠まれたその姿は、どの方角から見ても眉の形に見えることからその名がついたとされています。標高290mの山頂へは、山麓からロープウェイで約6分。展望台からは徳島市の中心市街地を一望でき、阿讃山脈・瀬戸内海・紀州の山々まで見渡すことも。
ロープウェイ乗り場がある阿波おどり会館は、徳島が誇る阿波おどりを年間を通じて楽しめる施設。「いつでも楽しめる阿波おどり」をコンセプトに、2階のホールでは毎日公演が行われています。
阿南駅から「蒲生田(かもだ)岬」へ
牟岐線の阿南駅からアクセスできる蒲生田(かもだ)岬は、紀伊水道に突き出た四国最東端の地です。室戸阿南海岸国定公園に属し、四国で最初に朝日が昇る場所として知られています。岬の灯台からは、晴れた日には大鳴門橋や淡路島、和歌山県の日ノ岬まで望むことができます。岬周辺の「かもだ岬温泉」は、徳島県内最高温度とされる源泉と肌触り柔らかな泉質が評判。ウミガメをイメージした露天風呂からは、対岸の椿泊と大海原が一望できます。
阿波池田駅で「4S STAY」に宿泊
阿波池田駅で訪れたいのが、まちに根付いた文化や歴史を滞在しながら体感できるJR四国運営の宿泊施設「4S STAY(フォースステイ)」。阿波池田エリアには、駅前商店街の町屋を活かした全5室の「古民家宿 阿波池田駅前」、四国の土地色をテーマにした全8室の「彩り旅宿 池田温泉横」、築120年を超える元呉服店の町屋を改修した1日2組限定の「本町旅宿 阿波池田本町通り」の3軒があり、「古民家宿 阿波池田駅前」には四国の食材をメインに使ったカフェ&レストラン「heso salon」が併設されています。
列車情報
| 運転日 | 毎日 |
|---|---|
| 運転区間 | 板野駅〜徳島駅間、阿波池田駅〜徳島・阿南駅間(高徳線・牟岐線・徳島線経由) |
| 運転時刻 |
板野駅6:49発→徳島駅7:23着(土日除く) |
著者紹介
- ※文/佐藤正晃
- ※写真/徳島県・(一財)徳島県観光協会、交通新聞クリエイト
- ※掲載されているデータは2026年6月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください


