227系シリーズの第3弾
JR西日本が山口エリアの山陽本線に導入した227系「Kizashi」。山口エリアでは45年ぶりの新型車両投入となり、2026年6月27日に岩国駅〜下関駅間で営業運転を開始しました。
227系シリーズとしては、広島エリアの「Red Wing」、岡山・備後エリアの「Urara」に続く第3弾で、山口らしさを表現した黒と金のカラーリングが特徴です。 「Kizashi」という愛称には、新しい車両が山口エリアに変化をもたらし、暮らしや旅に良いことが起こる「きざし」になってほしいという思いが込められています。
227系「Kizashi」はどんな列車?
山口エリアに45年ぶりの新型車両
「Kizashi」は、JR西日本が山口エリアの山陽本線に新たに導入した近郊形電車です。広島エリアで2015年に営業運転を開始した「Red Wing」や、岡山・備後エリアの「Urara」と同じ227系シリーズで、「Urara」と同じ500番代の車両です。
山口エリアでは国鉄時代に導入された車両が長く活躍しており、新型車両の投入は実に45年ぶり。下関総合車両所に2両編成3本、3両編成6本の計24両が配置されており、複数の編成を連結して運転することも可能です。
「維新の陽光」を表現したデザイン
黒と金を基調としたカラーリングの車体デザイン
ロゴマーク
車両のデザインコンセプトは「維新の陽光」。デザイン監修は、「Red Wing」や「Urara」も手がけたGKデザイン総研広島が担当しました。車体はステンレスをベースに、黒と金を基調としたカラーリング。夜明け前の漆黒に光が差し込む様子を表現するとともに、秋芳洞やライトアップされた錦帯橋、周南コンビナートの工場夜景など、山口県内で見られる幻想的な「光」の風景をイメージしています。重厚感のある色使いは、「SLやまぐち号」にも通じる山口らしい装いです。
ロゴマークは「維新」のイメージとエネルギッシュな閃光を組み合わせたデザインで、黒い車体を走る金色のラインとともに、新しい時代の始まりを印象付けています。
転換クロスシートが主体の車内
転換クロスシート
車いす・ベビーカースペース
バリアフリートイレ
車内は、ドア間に転換クロスシート、車端部にロングシートを配置した標準的な設計。ドア付近に広いスペースを確保し、混雑時のスムーズな乗降にも配慮しています。車内照明にはLEDを採用し、行先や停車駅などを案内する車内情報表示装置も設置。車いす・ベビーカースペースやバリアフリートイレを備え、日常利用から旅行まで幅広い利用シーンに対応しています。
安全性と快適性も進化
オレンジ色の吊り手・手すり
「Kizashi」には、新世代の車両らしい安全設備も数多く採用されています。衝撃吸収構造、先頭車間転落防止ホロ、戸挟み検知装置、運転士に異常があった場合に列車を停止させるEB-N装置は、山口エリアの車両として初めて導入されました。このほか、車両異常挙動検知装置や防犯カメラも備え、安全性を高めています。
車内の吊り手や手すりには、とっさの際につかまりやすい形状と、視認しやすいオレンジ色を採用。自動温度調節による空調や自動換気機能も備えるなど、快適性の向上も図られています。
227系「Kizashi」はこう楽しむ!
瀬戸内海を望む山陽本線の車窓
大島大橋
「Kizashi」が走る山陽本線の岩国〜下関駅間では、都市部から瀬戸内海沿岸まで変化に富んだ車窓を楽しめます。なかでも大畠駅付近は、海を間近に望める区間のひとつです。
本土側の柳井市と周防大島の間にある大畠瀬戸は、最も狭いところで幅約700mという海峡。急流や渦潮でも知られ、海上には全長1,020mの大島大橋が架かります。神代駅〜柳井港駅間を走る車窓から海や島々を眺めれば、ちょっとした旅気分を味わえます。
岩国駅から錦帯橋へ
ライトアップされた錦帯橋
岩国駅からは、岩国を代表する景勝地・錦帯橋へ。錦川に架かる5連の木造アーチ橋で、春の桜や秋の紅葉など四季折々の風景を楽しめます。夜間にライトアップされた錦帯橋は、「Kizashi」のデザインイメージのひとつにもなっています。実際の風景を訪れると、「Kizashi」のデザインをより身近に感じられるでしょう。
徳山駅から周南工場夜景を楽しむ
周南工場夜景
徳山駅周辺の瀬戸内海沿岸には、大規模な周南コンビナートが広がっています。日が暮れると工場の配管や煙突、タンクなどが無数の照明に照らされ、全国的にも知られる周南工場夜景が現れます。この工場夜景も、「Kizashi」の黒と金のカラーリングを形づくるイメージのひとつ。工場夜景を楽しむクルーズや観賞ツアーなども設定されています。
列車情報
| 運転日 |
毎日 |
|---|---|
| 運転区間 |
岩国駅〜下関駅間(山陽本線) |
著者紹介
- ※文/佐藤正晃
- ※写真/一般社団法人山口県観光連盟、交通新聞クリエイト
- ※掲載されているデータは2026年10月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください


