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2021.08.13鉄道JR九州 日田彦山線BRT復旧 23年度完成へ など【今週の交通新聞より】

2021年8月10日~8月13日交通新聞から注目のニュースをご紹介!

交通新聞に掲載のニュースの中から、特に注目のニュースをトレたび編集室がピックアップしてご紹介します。

【今週注目のニュースはこちら】
・JR東日本 「TRAIN SUITE 四季島」22年度春―秋コースリニューアル 4~6月分申し込み受付開始
・JR九州 日田彦山線BRT復旧 23年度完成へ
・鉄道総研の「新幹線開発に貢献した車両試験装置」 日本機械学会「機械遺産」に
・JR四国 アニメ映画「竜とそばかすの姫」の舞台・伊野駅をラッピング

8月10日 火曜日

JR東日本 「TRAIN SUITE 四季島」22年度春―秋コースリニューアル 4~6月分申し込み受付開始


交通新聞

 JR東日本は5日、クルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」で2022年度から、春から秋にかけての3泊4日コースと1泊2日コースをリニューアルすると発表した。3泊4日コースは、昨年北海道白老町にオープンした「民族共生象徴空間(ウポポイ)」見学や、黒石ねぷたうちわ制作体験などを新たに盛り込む。併せて、来年4~6月出発分の申し込み受け付けを開始した。

 春―秋コースのうち、3泊4日コース「大自然の織りなす風景と、受け継がれてきた悠久の文化にふれる旅。」は、函館観光をはじめ、新たに北海道白老町の「民族共生象徴空間(ウポポイ)」見学や、黒石ねぷたうちわ制作体験、鳴子温泉街散策などが加わる。車内外で提供する食事には、四季島の佐藤滋総料理長によるフレンチのほか、銀座の和食や青森県弘前市内のイタリアン、宮城県石巻市内のすしなどを用意する。

 4~6月の出発日は、4月18、25日、5月9、16、30日、6月6、13、20、27日で、このうち同社グループのびゅうトラベルサービス(VTS)が5本を販売する。旅行代金は、上野発着2人1室利用で四季島スイート(メゾネットタイプ)1人100万円(1人1室150万円)、デラックススイート(フラットタイプ)95万円(142万5000円)、スイート80万円(120万円)。

 1泊2日コース「みなとまちが育んだ豪商の粋と、豊かな里山の恵みを味わう旅。」は、1日目に新潟市内で旧齋藤家別邸や「燕喜館」を観光。2日目は山梨コース(4、5、10、11月)と長野コース(6~9月)に分かれ、山梨コースでは勝沼のワイナリーを訪れて日本ワインの魅力に触れるほか、朝食に山梨県甲州市内のフレンチダイニングの洋食、昼食に甲府市内の和食の名店の味を堪能する。

 長野コースでは、「千曲川ワインバレー」のワイナリーで朝食と観光を楽しむ。昼食は長野県松本市内のレストランのフレンチを味わう。

 出発日は、山梨コースが4月2、9、16、30日、5月7、14、21、28日、長野コースが6月4、11、18、25日で、VTS販売分は各6本と3本。

 旅行代金は、両コースとも四季島スイート50万円(75万円)、デラックススイート45万円(67万5000円)、スイート37万円(55万5000円)。10月31日18時までに、ホームページまたは案内パンフレットに同封の専用申込書で申し込む(必着)。応募者多数の場合は抽選で、11月下旬ごろ発表の予定。

 このほか、今月16日から四季島のロゴをデザインした「四季島ラバーコースター」(800円)と、ロゴ入りの「四季島オイカワデニムバッグ」(インディゴとベージュの2色、各5500円)を販売する。同列車利用者の専用ラウンジ「プロローグ四季島」と、同社通販サイト「JRE MALL」の四季島店で取り扱う(バッグのベージュはプロローグ四季島のみ)。


8月11日 水曜日

JR九州 日田彦山線BRT復旧 23年度完成へ


交通新聞

 JR九州は6日、日田彦山線彦山―宝珠山間で進めているBRT(バス高速輸送システム)による復旧工事現場を報道公開した。レール、マクラギなど支障物の撤去は終了しており、今後BRT専用道の建設工事に入る。完成は昨年7月のBRT復旧決定からおおむね3年後の2023年度を見込んでいる。

同線は、2017年7月の豪雨災害以来、添田―夜明間(29・2㌔)が不通となっている。同社と福岡県、大分県、沿線3市町村は約3年間にわたる協議を経て、昨年7月の第6回「日田彦山線復旧会議」で、BRTに転換して復旧することを正式決定した。

 BRTによる復旧計画では、添田―彦山間(約7・7㌔)と宝珠山―夜明間(約7・4㌔)は一般道を利用し、中間の彦山―宝珠山間(約14・1㌔)は線路跡に専用道を整備。復旧費は約26億円で、同社が負担する。

 同社は、昨年8月に専用道化する彦山―宝珠山間で測量など準備作業を開始。同11月から専用道に支障するレール、マクラギ、一部ホームなどの撤去に着手し、今年7月に完了した。

 復旧工事では、工期短縮やコスト削減を図るため、バラストやレールを再利用。バラストはアスファルトを敷く前の道路基盤工事に使用し、レールは長さ約4㍍に切断して、道路拡幅のための盛土工事で土留めの杭に活用する。

 この日は、工事区間の彦山、筑前岩屋、大行司、宝珠山の全4駅の工事現場を公開。同社建設工事部施設課BRT工事所の深江良輔所長が被災状況の空撮写真などを示しながら、工事内容や状況の説明を行った。

 各駅では専用道に支障する範囲のレール、マクラギ、一部ホームが撤去され、すぐにも道路建設に入れる状態。筑前岩屋駅近くの釈迦岳トンネル(約4・4㌔)内もバラストが撤去され、道路トンネルのようになっている。

 大行司は停車場をホーム南側に整備するため、旧ホームは残されたまま。宝珠山駅も撤去終了しているが、九州唯一の県をまたぐホーム(福岡県東峰村と大分県日田市)の境界部分は残されている。

 深江所長は「新しい道路を造っていくためのスタートラインにようやく立った。まだ決まっていないこともあるが、できることについては順調に進んでいる。多大な協力と理解をいただいている地域の皆さまの期待を裏切ることなく、安全安心な工事を進めていきたい」と述べた。


8月12日 木曜日

鉄道総研の「新幹線開発に貢献した車両試験装置」 日本機械学会「機械遺産」に


交通新聞

 鉄道総研が所有する車両試験装置が7日付で、日本機械学会の「機械遺産」に認定された。2021年度認定9件のうちの一つで、件名は「新幹線開発に貢献した車両試験装置」。例年は認定証、感謝状を手交するが、コロナ禍を受けて前年度に続き、同学会ホームページで選考理由と所有者のコメントが同日から動画配信された。

 装置は、国鉄が国内電化の進展や動力近代化に対応するため、車両の走行状態を研究する目的で設置した定置式模擬試験装置。車両1両を装置上に搭載する最高時速250キロの実車試験と、同350キロでの台車単体の試験ができる。日立製作所が製造し、1959年に鉄道総研の前身である国鉄鉄道技術研究所に設置され、翌年から試験を本格稼働。試験結果は東海道新幹線試験車両の台車仕様決定に活用され、山陽新幹線用試験電車の試験も行われるなど新幹線車両の開発に大きく貢献した。

 同装置を構成するのは軌条輪装置、フライホイール装置、けん引装置などで、高速走行時の車両運動特性試験、駆動用電動機による外部駆動試験、変動負荷動力試験に対応する。90年には主要な試験を最高時速500キロ対応の高速車両試験装置に譲ったものの、現在でも電車のインバーター装置などの試験に活用されている。

 選考理由について同学会では「世界初の高速鉄道である東海道新幹線の運行成功に対して最も重要な台車設計に用いられたものであり、性能的にも世界先端。新幹線の成功は、国民の利便性の劇的向上を生み出し、わが国の生活、業務スタイルを根本的に変え、その影響は全世界に及ぶ」と評価した。

 これを受け、鉄道総研の宇治田寧研究開発推進部長は「世界に誇る新幹線の開発に大いに貢献した装置が認定され、大変光栄。この装置なくして新幹線は実現できなかったと言っても過言ではない。特色ある試験装置を活用して、今後も革新的な技術を創出し、鉄道の発展と豊かな社会の実現に貢献したい」とコメントした。

 機械遺産は国内に現存し、機械技術面で歴史的意義のある文化遺産の次世代への伝承を目的に、同学会が2007年から8月7日の「機械の日」に認定。昨年度までに104件が認定され、鉄道関連では東海道新幹線0系をはじめ、世界初の自動改札機、日本初のステンレス鋼製車両などが名を連ねる。


8月13日 金曜日

JR四国 アニメ映画「竜とそばかすの姫」の舞台・伊野駅をラッピング


交通新聞

 アニメーション映画「竜とそばかすの姫」の舞台へようこそ――。JR四国は7日、土讃線伊野駅の駅舎内と1番線ホームの駅名標に同映画のシーンをラッピングし、お披露目式を開催した。同社と高知県の観光連携協定の一環で、高知県が主な舞台となった同映画の公開を記念。見る人を作品世界にいざない、ロケ地を巡るファンの期待に応えるとともに、伊野駅周辺の仁淀川地域の観光振興を図る。

 同社と高知県は今年1月、「観光キャンペーン『リョーマの休日』における高知県・JR四国の連携・協力に関する協定」を締結しており、ラッピングはその一環。

 映画は「時をかける少女」「サマーウォーズ」などで知られる細田守監督作品。自然豊かな高知県の村に住む主人公の女子高校生・すずの自宅最寄り駅として、伊野駅改札口や駅前交差点が描かれるほか、通学する高校最寄りの朝倉駅、高知駅、列車(1000形、キハ32形、2000系)などが登場する。7月16日の公開から3日間で約60万人を動員するなど好調で、伊野駅にもロケ地巡りのファンが連日訪れている。

 ラッピングは同駅舎内待合室の壁面に、改札口付近やキハ32形車内など映画の約30シーンとポスターを掲出。駅名標は映画の世界観を象徴するシーンをデザインした。

 お披露目式には、同社の藤本昭宣鉄道事業本部営業部担当部長、伊野駅を管理する太田正高知駅長、池田牧子高知県いの町長、高知県立伊野商業高校の生徒らが出席。

 藤本担当部長は「伊野駅に来れば映画そのものの姿と、(ラッピングで描かれた)映画の中のシーンでいろいろな形で楽しんでいただける。これからも皆さまと一緒に、地域活性化や高知の盛り上げに貢献していきたい」とあいさつ。

 池田町長は「伊野駅は周辺に路面電車の駅、バス停もあり、観光客の立ち寄る重要ポイント。町としても伊野駅を中心に、観光客の周遊促進を進めていく」と述べた。続いて、伊野商業の生徒らが映画の改札前シーンを再現し、関係者が壁面のラッピングを除幕した。

 なお、土讃線の観光列車「志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり」は従来、伊野駅で運転停車していたが、今月1日から上下便ともドアを開け、停車時間に乗客が駅舎を見られるようにしている(朝倉駅でも同日から下り便のみ実施)。この日は関係者らが歓迎する中、乗客がラッピングされた駅名標などをさっそく写真に収めていた。



交通新聞

鉄道、航空、自動車などの交通機関はもとより、観光、旅行、経済など交通・運輸界にかかわる様々な情報を提供している総合専門紙。1943年(昭和18年)4月1日に「陸輸新報」として創刊、2013年(平成25年)12月18日には通巻2万号を迎えました。JR、私鉄、官公庁など幅広い読者の皆さまから高い評価を得ています。また、交通業界にとどまらず、不動産、金融、保険、サービスといった業界の方々からも注目されています。

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