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2021.11.18鉄道E233系(JR東日本)―中央線快速、京浜東北線、常磐線、東海道本線、……いったい何路線走ってるの!?

JRグループ史上最多! 「列車といえばコレ」なE233系

鉄道ファンといえば新幹線、観光列車に特急列車が好き……。それはもちろんその通り。
しかし日々の通勤や通学を支える普通・快速列車にも、たまらない魅力が隠されています。さながら実家のような安心感と最先端の技術を兼ね備える不思議な存在、それが普通・快速列車なのです。

今回は、JR東日本の「E233系」を紹介します。
中央線快速・青梅線や京浜東北線・根岸線、東北本線、常磐線各駅停車、南武線、埼京線……(まだまだある)と、実にさまざまな路線で大活躍するE233系。
首都圏の通勤・通学者にとっては、山手線を主に走るE235系と並んで「列車といえばコレ」感があるおなじみの車両です。

東京というメガロポリスの大動脈を担うだけあって、その性能は折り紙付き。
2006年のデビューから定期的に改良が施され、新たな機能を次々と身に付けていきました。

ふだん何気なく乗っているこの車両、その秘めたる性能を知れば「最先端技術の上に乗っている」という実感が得られるはず。その世界を覗いてみましょう。

E233系の基礎知識

この車両、どこでも見るよね?


E233系1000番台(京浜東北線・根岸線) E233系1000番台(京浜東北線・根岸線)

E233系は、JR東日本の首都圏に大量に導入されている通勤・近郊型電車の車両。
形式名を聞いてピンと来なくても、その姿を見れば「あぁ、コレね」と思っていただけるでしょう。
首都圏の通勤・通学者には毎日乗っている人も多いはず。言わずと知れた、首都圏近距離輸送の顔役です。

それもそのはず、E233系の製造数は2021年11月現在で3,000両以上にもおよび、実にJRグループの旅客用車両としては史上最多を誇っているのです。
たとえば、1日1両に乗ったとしてもまる9年かかる(2021年11月からお参りを始めたとして、結願に至るのは2030年の11月)……というほど、この形式でたくさんの車両が製造されてきました。

  • 廃車された車両があるため、実際に全車両に乗ることはできません。

全22路線で大活躍


E233系2000番台(常磐線各駅停車など) E233系2000番台(常磐線各駅停車など)

E233系は、以下のとおり首都圏の22路線で営業運転しています(直通含む)。
番台は主に運転路線によって分かれており、車体には運転する主な路線のカラーが塗装されています。


━━ 0番台:中央線快速・青梅線・五日市線

━━ 1000番台:京浜東北線・根岸線

━━ 2000番台:常磐線各駅停車・東京メトロ千代田線・小田急線

3000番台:東海道本線・伊東線・宇都宮線・高崎線・湘南新宿ライン・上野東京ライン

━━ 5000番台:京葉線・外房線・内房線・東金線

6000番台:横浜線

━━ 7000番台:埼京線・川越線

8000番台:南武線

  • 乗り入れにより、相鉄線、りんかい線、富士急行線など、その他の路線内でも運転することがあります。

デビューから各路線の投入まで

事故に強く人にやさしい新型として、2006年にデビュー


E233系3000番台(東海道本線など)

2006年、中央線快速・青梅線・五日市線に0番台がデビューします。
それまで首都圏の近距離輸送を担っていたのは、1993年に投入された209系と2000年に投入されたE231系。コスト削減を重視したこれら従来車両に対して、E233系は主に「故障に強い」ことと「サービスが充実している」という2点において優れたものでした。


E233系の車内(一例)。首都圏の通勤・通学者にはおなじみ E233系の車内(一例)。首都圏の通勤・通学者にはおなじみ


各ドア上の情報案内表示器(南武線) 各ドア上の情報案内表示器(南武線)

たとえばE233系では、電気機器や保安装置など主要機器が二重系化されています。これは、仮に一方が故障してももう一方が稼働できる仕組みを作り、信頼性を向上させる狙いがありました。
そのほか、各ドア上の情報案内表示器、フルカラーの行先表示器といった現在ではスタンダードとなっているサービスも、はじめて形式として統一的に導入したのはE233系でした(各ドア上の情報案内表示器の導入は山手線のE231系500番台が先)。
床面とホームとの段差縮小や優先席エリアの明確化といったユニバーサルデザイン化にも注力したこの車両は、新時代のスタンダードとして華々しくデビューしたのです。

ほぼ1~2年おき。各路線に次々と投入


E233系5000番台(京葉線など) E233系5000番台(京葉線など)


E233系6000番台(横浜線) E233系6000番台(横浜線)

2007年には京浜東北線・根岸線にて1000番台が、東海道本線にて3000番台が投入され、常磐線各駅停車の2000番台は遅れて2009年にデビューしました。地下鉄に直通する関係で、非常用の貫通扉が設置されていたり、車体幅がやや小さめとなっていたりと他の番台とはやや異なる形状が特徴的。
その翌年、2010年に京葉線に投入された5000番台には車内ニュース用の通信手段としてWiMAXが導入されます。迅速で安定した情報提供がその目的。単に運転するのではなく、乗客に有益なサービスを最大限提供するという姿勢が垣間見えます。


E233系7000番台(埼京線・川越線)の出発式 E233系7000番台(埼京線・川越線)の出発式

2013年には、のちに無線式列車制御システム「ATACS(アタックス)」が搭載される埼京線に7000番台が投入。これは現在、JR東日本管内でも仙石線と埼京線にのみ導入されているシステムで、各車両が自列車の位置を検知し、双方向の無線通信により他列車との間隔制御や踏切のコントロールを行うという非常に先進的な設計のものです。
2014年に横浜線に導入された6000番台にはD-ATC(自動列車制御装置)・ATS-P(自動列車停止装置)が搭載され、京浜東北線・根岸線への乗り入れも可能に。
そしてやや間が空いて2017年、南武線に8000番台が導入されました。

ローレル賞も受賞しました


立川駅ホームで行われたローレル賞受賞式典 立川駅ホームで行われたローレル賞受賞式典

デビュー翌年の2007年に、E233系は優秀な通勤型・近郊型列車を対象としているローレル賞を受賞しました。
評価されたのは先述の「機器二重系化による故障対策の実現」や「上質な車内サービス装備の標準化」に加えて、「利用者第一の設計コンセプト」。
実はE233系は、中央線の利用者に対してモニタリングを行い、その結果をもとに企画されたという経緯がありました。
コスト削減を重視していた従来の車両とは異なり、徹底して利用者目線に立って信頼性やサービスの向上に努めた点が受賞につながったのです。

E233系はまだまだ走り続けます


E233系8000番台(南武線) E233系8000番台(南武線)

山手線にE235系が投入され、近郊型車両における最先端モデルの座は譲り渡した形ですが、E233系はまだまだ現役。
2024年までに、中央線快速などを走る0番台においてグリーン車サービスの開始と普通車へのトイレ設置完了が予定されています。
昨日も乗って今日も乗り、明日もきっと乗る通勤・通学用車両の大定番。次に乗るときにはぜひ、エクステリアや車内の設備をじっくり見てみてください。すこし違った感慨があるかもしれません。

  • トレたび編集室/編
  • 写真/交通新聞クリエイト
  • 掲載されているデータは2021年11月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。
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