オホーツク海の流氷を車窓に楽しむ観光列車
真冬のオホーツク海を埋め尽くす流氷を車窓に楽しめるのが、釧網本線の網走駅と知床斜里駅を結ぶ観光列車「流氷物語号」です。列車は専用ラッピングを施したキハ54形気動車の2両編成で、車体の色から「青色車両」「白色車両」とも呼ばれています。全車両が普通車自由席で、網走駅発の「1・3号」は途中の北浜駅に10分、知床斜里駅発の「2・4号」は途中の浜小清水駅で20分停車しますので、北浜駅展望台やホームから流氷を眺めることや、浜小清水駅に隣接する道の駅「はなやか(葉菜野花)小清水」でのショッピングが楽しめます。
網走駅を発車した列車が次の桂台駅を通過してトンネルをくぐり抜けると、左手車窓に流氷が接岸したオホーツク海が見えてきます。線路はオホーツク海の海岸線に沿って走りますので、白一色に埋め尽くされた真冬ならではの美しい光景を楽しむことができます。晴れていればオホーツク海の先に知床連山の姿も映し出され、道東の冬を代表する絶景が目の前に広がります。途中の北浜駅、浜小清水駅に停車した列車がオホーツク海に別れを告げると、すぐに終着の知床斜里駅に到着します。
鉄道コンシェルジュ ミスターKのとっておき情報
キハ54形ラッピング車両 青+白の2両編成で運行
北海道向けとして製造された防寒用の二重窓を装備したキハ54形500番代のうち、車両番号508番は青色、車両番号507番は白色を基調としたラッピング車両です。「流氷物語号」は青色車両と白色車両を連結した2両編成で運行されており、流氷に覆われた白銀の世界に溶け込む白色と、白銀の世界に映える青色が美しいコントラストを描き出しています。
※車両運用の都合によりラッピングを施していない車両で運転する場合があります。
流氷観光に合わせた2種類のラッピング車
澄み渡った青空、オホーツク海の青、流氷の青など、オホーツクの雄大な自然や歴史などを象徴するエリアカラー「オホーツクブルー」の車両には、流氷をイメージした白を使用した「知床連山」と「エゾシカユリ」をデザイン。流氷をイメージした「白」の車両は、オホーツクブルーを使用した「流氷」と「クリオネ」をデザイン。青と白の2両を合わせて冬のオホーツク海を再現しています。
全車普通車自由席 転換クロスシートを配置
使用されるキハ54形500番代の車内には、両端のデッキ寄りにロングシート、中央に座席の向きを変えられる2人掛けの転換クロスシートが配置されています。1人・2人であれば列車の進行方向に、4人連れの家族やグループなら座席を向かい合わせて使用できます。なお、座席には流氷の下に生息するクリオネのデザインが入った特製ヘッドカバーが付いています。
オホーツク海に一番近く 展望台のある北浜駅
オホーツク海に一番近い駅として知られるのが、昔ながらの木造駅舎が残されている北浜駅です。駅舎横に知床連山や流氷のオホーツク海が一望できる展望台があり、「1・3号」の10分の停車時間を利用して絶景を堪能できます。また、駅舎内の旧駅事務室には軽食&喫茶「停車場」がありますので、店内の窓から流氷のオホーツク海を眺めながら軽食・喫茶が楽しめます。
道の駅が隣接して便利な浜小清水駅
小清水町のオホーツク海寄りに設置されていることから、昭和27(1952)年11月に「浜小清水」に駅名が改称されました。駅待合室が設置された道の駅「はなやか(葉菜野花)小清水」があり、小清水・オホーツク産の特産品やお土産品の販売が行われています。また、オホーツクの魚介類と小清水産の野菜を使ったメニューを提供する軽食・喫茶コーナーがあります。
北海道のJR線が乗り放題! 「北海道フリーパス」
JR北海道内の在来線特急・普通・快速列車の普通車自由席およびジェイ・アール北海道バス(札幌~旭川・帯広・紋別・えりも・広尾間の都市間バス・臨時バスを除く)が、7日間乗り降り自由となる「北海道フリーパス」(おとな・こども同額26,230円)。あらかじめ座席の指定を受ければ普通車指定席を6回まで利用できるので、北海道内をぐるりと周遊するのに便利でおトクなきっぷです。
列車情報
運転日 | 2019年は2月2日から3月3日までの毎日2往復 |
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運転区間 | 釧網本線 網走駅~知床斜里駅間 |
運転時刻 |
【下り】 1号: 網走駅9:45発 → 知床斜里駅10:40着 3号: 網走駅12:50発 → 知床斜里駅13:40着 【上り】 2号: 知床斜里駅11:30発 → 網走駅12:30着 4号: 知床斜里駅13:48発 → 網走駅14:46着 |
著者紹介
- ※文/ミスターK(結解喜幸)
- ※写真/JR北海道、ミスターK(結解喜幸)
- ※掲載されているデータは2019年1月現在のものです。
- ※運転日・運転区間等は変更となる場合があります。