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2022.02.22鉄道三大ギネス記録や竜がいる? “ちょっと変わった”に出会える岐阜県の駅たち

駅の数ほど物語がある? 知れば知るほどおもしろい駅めぐりの旅にご招待

全国を結ぶ鉄道は、人々の生活に欠かせない存在となっています。乗り鉄、撮り鉄、音鉄など、楽しみ方は人それぞれな時代。

そして鉄道といえば、車両もさることながら、負けず劣らず個性豊かな駅も魅力の一つです。不思議な駅名、不思議な形の駅舎、一見変わっては見えないけれど驚きの秘密がある駅…。全国のちょっと変わった駅を集めていきます。

今回は岐阜編。
岐阜県の新幹線停車駅は「岐阜駅」ではなく「岐阜羽島駅」で、東海道新幹線の開業日である1964年10月1日に誕生し、他県を繋ぐ玄関口となりました。ですが、岐阜県といえば玄関口よりも北にある「下呂温泉」や、古い町並みが残る「飛騨高山」など、観光地の方が印象深いのではないでしょうか。

そんな観光名所の多い岐阜県にも隠れスポットライトに当たっている、駅舎は普通なのに駅周辺が普通じゃない?! といった“ちょっと変わった”に出会える駅があるので、今回ご紹介していきます。
さあ、駅めぐりの旅、スタートです!

日本のほぼ中央に位置する、伝統文化あふれる「岐阜県」


ユネスコ世界文化遺産「白川郷合掌造り集落」 ユネスコ世界文化遺産「白川郷合掌造り集落」

日本の内陸県、いわゆる“海なし県”は、47都道府県中たったの8県。そのうちの一つが岐阜県であり、日本列島のおへそに当たる中央に位置しています。

岐阜県は歴史的な街として有名で、中でも世界文化遺産に登録されている「白川郷合掌造り集落」は、観光地としても大人気。そのほか「岐阜」の地名は中国の縁起のよい地名にちなんで「織田信長」が命名したとの説があり、JR岐阜駅北口の広場には、岐阜城を拠点に天下統一を目指した黄金に輝く織田信長の像がたてられています。

「こんな駅があったんだ!」岐阜県のちょっと変わった駅たち

岐阜県の中でも表舞台のスポットライトには当たっていないけど、「ナニコレ、気になる!」といった“ちょっと変わった”に出会える駅を紹介していきます。

駅前の巨大な塔にギネス記録?! インパクト「大」のものが集まる「瑞浪駅」


岐阜県の瑞浪駅

一つ目の駅は、JR中央本線「瑞浪駅(みずなみえき)」。駅舎は白とレンガを基調としており、クリーンでコンパクトな駅です。

まず駅を出て目に入るのは、一見歪な形をした謎のオブジェ。これは「陶片の塔」で、瑞浪市は美濃焼(陶磁器の総称)を中心に発展し栄えた「陶器の街」であることから、それを象徴したシンボルになっています。夏に開催される「みずなみ陶土フェスタ」では、全国の挑戦者が陶土のオブジェを作って競うコンテストを行うなど、陶器の名産地であることが伺えます。


岐阜県瑞浪駅前の陶片の塔 陶片の塔


陶磁器のほかに「化石」も有名で、駅前には「美濃焼のさと 化石のさと みずなみ」と書かれた電話ボックスと、その上に「ビカリヤ貝のオブジェ」があります。ビカリヤ貝は瑞浪を代表する貝化石であり、約1,500万年前~10万年前の間に生息していたそう。化石のさとだけあって、駅からタクシーで5分ほど先には「瑞浪市化石博物館」があり、化石採集体験もできます。

瑞浪の見どころは駅近辺だけにとどまらず、なんと、ギネス認定された美濃焼き「BIG3」があるんです! 世界一の大きさに輝いたのは、「美濃焼こま犬(高さ約3.3m)」と「豊穣の壺(高さ5.4m)」、大皿の「瑞祥(直径2.8m)」の三つ。さすが、美濃焼のさと!


岐阜県の美濃焼こま犬 世界一の美濃焼こま犬

「美濃焼こま犬」と「豊穣の壺」は徒歩3分ほどの距離の近さにあり、瑞浪駅からバスで30分ほど。そのバス移動の途中に「瑞祥(大皿)」があるので、三つ一緒に見て回ることができます。瑞浪駅に立ち寄った際には、世界一の「BIG3」も目にとどめておきたいものですね。

狐と河童と竜の里? かわいい3匹が迎えてくれる「釜戸駅」

二つ目に紹介するのは、狐と河童と竜がいると噂のJR中央本線「釜戸駅」。駅舎は白が基調の木造建ての無人駅であり、のどかな空気が漂っていて時を忘れてしまいそうです。

そんな釜戸駅ですが、狐と河童と竜がいるとの噂が。一体どういうことなのでしょうか…?


岐阜県の釜戸駅


あ、いました! 駅のホームに降り立つと、目の前に「ようこそ釜戸へ」と歓迎している看板に、「白狐と河童と竜の里」の文字と一緒に三匹が!

せっかく三匹を見つけたのは良いけれど、看板以外には特に見当たりません。それもそのはず、この三匹は釜戸町にある「白狐温泉」に「竜吟の滝」、昔話の「よすけと河童」を意味しているからです。


岐阜県の釜戸駅 かわいい3匹のイラストが描かれた看板


中でも「竜吟の滝」は、釜戸駅から徒歩約30分と比較的近い距離にあります。竜吟の滝は7つの滝からなっているため、一度に大小さまざまな滝を見られるのがおもしろい、ハイキングにぴったりのスポットです。

ちなみに「竜吟の滝」の名前の由来は、かつて雄龍と雌龍が住んでおり、唸り声を上げていたという伝説からだそうです。滝の音を竜の唸り声だと思って聞けば、より神秘的に感じられるかもしれませんね。


竜吟の滝 竜吟の滝

蒸気機関車をゆっくりと間近で見られる「上麻生駅」

三つ目に紹介するのは、一見駅には見えないほど簡素なJR高山本線「上麻生駅」。山に囲まれ、飛騨川も近い、自然を感じられる駅です。


岐阜県の上麻生駅

「この駅のどこに変わった要素があるの…?」と疑問でしょうが、駅のすぐ近くには鉄道好きにはたまらない「蒸気機関車展示館」があるんです!

そこに展示されているのは、1937年7月に製作された蒸気機関車「C12163」。1971年に引退してから早50年以上、役目を務めた「C12163」はどこか哀愁が漂うのと同時に、今にも動き出しそうな力強さを感じます。総走行距離は150万kmで、地球を約36周したという活躍ぶりでした。


展示車両 蒸気機関車 C12163 展示車両 蒸気機関車 C12163


展示館には窓があるので外からも覗き見ることはできますが、せっかくなら間近で見たいのが鉄道マニアのポリシー。安心してください、こちらは太っ腹なことに、貸し切り状態で見学することができるんです!

見学をするには、「七宗町公式ウエブサイト」より必要書類をダウンロードして、住民課に提出すればOKです(見学は平日の午前9時~午後4時のみ)。

近くでゆっくりと、周りに気を遣わずに蒸気機関車を眺められる至福のひと時を味わいに、上麻生駅に訪れてみれはいかがでしょうか。

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