徳島県で活躍する気動車のちょっとしたバリエーションにも注目
鉄道ファンといえば新幹線、観光列車に特急列車が好き……。それはもちろんその通り。
しかし日々の通勤や通学を支える普通・快速列車にも、たまらない魅力が隠されています。さながら実家のような安心感と最先端の技術を兼ね備える不思議な存在、それが普通・快速列車なのです。
今回は、JR四国の「1500型」を紹介します。
1500型は、2006年5月にデビューした、徳島県の主力といえる気動車です。
美しい景色の中を、1両の1500型が走る姿はなんともいえず可愛らしいのです。
製造時期で、ちょっとずつ違うデザイン
いきなりクイズのようですが…この3車両、どこが違うでしょう?
3枚の写真は、すべて1500型です。
こうして並べてみると、意外と違いが分かるかもしれませんね。
そもそも1500型とは、JR四国のなかで一番新しい一般型気動車で、「エコ」を意識した車両になっています。
それまでの車両にくらべて、排ガス中の窒素酸化物(NOx)の大幅削減を実現する、低公害型コモンレール式エンジンを搭載しているのです。
製造時期によって、少しずつ仕様のちがう1次車~8次車が存在しています。
車内の座席は、転換クロスシート(リニューアルが施された7次車からロングシート+転換クロスシートに変更)。
また、車いすでも利用しやすいトイレが設置されているのに加え、車両の乗降口と駅のホームとの段差を小さくするなどのバリアフリー化が進められました。
外観では、丸みを帯びたスカート(排障器)が印象的です。
それでは冒頭に戻って、各車両の違いを見てみましょう。
1500型 1次車
1次車
最初に登場した1500型です。
「エコ」を意識した、優しい緑色が使われています。
この1次車を基準に、違いを見ていきます。
1500型 2次車~6次車
3次車
2008年に登場した2次車(車番1509以降)から、前面の行先表示器が前面窓から貫通路の上に移動しました。
写真は2009年に登場した3次車で、スカートの色が濃い緑色になっています。
また、車体のロゴはそれまで「SHIKOKU」と書かれていたところが「ECO」に変更されました。
1500型 7次車
7次車
2013年登場の7次車では、大幅なリニューアルが行われました。
前面は形状がシャープになり、塗装のシルバーがそれを際立たせています。
スカートの色はターコイズ系に変更されました。
前述のとおり、座席の配置も変更が加えられています。
1500型 8次車
2014年に登場したのが8次車で、1500型最後の製造となりました。
外観は2次車~6次車を踏襲しつつ、内装は7次車を基本としている車両です。
風光明媚な自然のなかを走る1500型
牟岐(むぎ)線 木岐~由岐
美しい海岸線。
徳島線 穴吹~小島
花との共演も似合います。
高徳線 讃岐白鳥~三本松
夕日を背にしたこんなシルエットも様になります。
…ここまでお読みいただいた皆さまはきっとご承知と思いますが、ここは徳島県、電車ではなく気動車のみが走ります。
1両や2両で走るローカル線と、架線のない風景がまるで一枚の絵のよう…、とは決して言い過ぎではないはずです。
- ※トレたび編集室/編
- ※写真/交通新聞クリエイト
- ※掲載されているデータは2022年2月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。