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2022.05.19鉄道223系(JR西日本)バラエティに富んだ番代グループが活躍するJR西日本の大黒柱

初めて最高速度130km/hを実現、登場から30年近くを経ても輝きを失わない近郊型電車のエース

鉄道ファンといえば新幹線、観光列車に特急列車が好き……。それはもちろんその通り。

しかし日々の通勤や通学を支える普通・快速列車にも、たまらない魅力が隠されています。さながら実家のような安心感と最先端の技術を兼ね備える不思議な存在、それが普通・快速列車なのです。

今回は、バラエティに富んだ番代グループが活躍するJR西日本の「223系」を紹介します。


223系1000番代 出発式の様子(交通新聞より)

JR西日本で、いちばんたくさん作られた電車。それが223系です。

1994年のデビュー以来、15年にわたって927両が製造された直流近郊型電車で、試作の1両を除いた926両が西日本の各地で活躍しています。

JR西日本の近郊型電車として初めて最高速度130km/hを実現した車両でもあり、大手私鉄との激しい競争が行われている京阪神近郊区間の都市間輸送を支える大黒柱。

運行路線は東海道・山陽本線の新快速をはじめ、阪和線、関西空港線、福知山線、宇野線、瀬戸大橋線など幅広く、後継となる225系が登場したいまも、JR西日本の顔と言える存在です。

初登場から30年近くが経過していますが、車両間の転落防止幌の取り付けや前照灯のLEDライト化、洋式トイレの設置、バリアフリーの充実などリニューアル工事も順次進められ、まだまだ活躍は続きます。

223系 0番代・2500番代 

223系には、さまざまなバリエーションがあります。

最初に製造された0番代は、1994年6月に開業した関西空港線の空港アクセス快速向けとして開発されました。

JR西日本初の新型電車として1989年に登場した221系をベースに、オールステンレス構体やVVVFインバータ制御装置、大きく開放感のある窓など、最新技術をふんだんに取り入れています。

0番代最大の特徴は、丸型の前照灯を採用した独特の前面デザインと、1+2列の座席配置です。関西国際空港を利用する世界中の人々に親しまれるよう、先頭部は丸と曲線を多用したフレンドリーなデザインを採用。


223系0番代

座席は背もたれの向きを前後に変えられる転換クロスシートで、片側が1列席になっています。これは、空港を利用する乗客がスーツケースなどを持ち込めるよう、通路幅を1150mmと広く確保したためです。

座席の台も、窓側の足を廃止して壁に固定し、座席下に荷物を置けるようにしました。また、窓配置も1000番代以降とは異なり、戸袋窓があります。

一方2500番代は、1999年3月から登場した増備車で、後述の2000番代をベースに、最高速度を120km/h、1+2列の3列シートなど0番代に準じた仕様とした車両です。


223系2500番代

0番代と2500番代は、4両編成が関西空港線や阪和線で主に「関空快速」「紀州路快速」として運行されています。

最高速度は120km/h。通常、天王寺〜日根野間は「関空快速」と「紀州路快速」を併結した8両編成で運行し、日根野駅で分割・併合を行っています。

【おもな運行線区】
阪和線、大阪環状線、関西空港線、紀勢本線

223系 1000番代・2000番代・3000番代

1000番代は阪急・京阪・阪神などと激しく競争している東海道本線(JR京都線)・山陽本線(JR神戸線)の輸送力とサービスをさらに強化するため、1995年8月12日から投入された車両です。

大手私鉄に対抗するため、130km/h運転に対応。加速・減速性能や曲線通過速度も向上するなど、スピードを極めた車両となりました。

先頭部は、221系のイメージを継承したシャープなデザインとなり、客室も221系と同じ2+2列の転換クロスシートとなって、乗降扉付近には折りたたみ式の補助シートが設けられました。

2019年3月からは、V003編成とV004編成に有料着席車両のAシートが各1両導入されています。


223系Aシート

テーブル付きのリクライニングシートを備え、コンセントやWi-Fiも完備。野洲〜姫路・網干間に1日2往復運行されており、座席指定券を購入すればより快適に過ごせるようになりました。

2000番代は、JR京都線・JR神戸線・琵琶湖線の新快速をすべて130km/h運転に対応させるため、1999年から大量生産されたグループです。


223系2000番代

基本性能は1000番代とほぼ同じですが、列車の最後尾を示す赤い尾灯が前照灯と一体化したユニットとなるなど、省コスト化を進めています。

1000番代は電動機の性能に余裕があったため、通常1両に4基搭載する電動機とインバータを3基搭載として効率化を図った車両も登場し、3000番代が与えられました。

【おもな運行線区】
東海道本線(JR京都線・琵琶湖線)・山陽本線(JR神戸線)・北陸本線、湖西線、草津線、赤穂線

223系 5000番代


223系5000番代

瀬戸大橋線の快速〔マリンライナー〕用車両として、2003年10月に登場したグループです。2両編成ですが、通常はJR四国の5000系電車3両と併結して5両編成で運行されています。

2000番代と基本的な仕様は同じで、最高速度130km/h、客室は2+2列の転換クロスシートです。併結するJR四国の5000系も223系と同一仕様ですが、高松方面先頭車に2階建て車両が連結されています。

【おもな運行線区】
宇野線、瀬戸大橋線、予讃線

223系 5500番代


223系5500番代

山陰本線(嵯峨野線)や福知山線の車両を近代化し、合わせて保安装置として安全性の高いATS-Pを導入するため、2008年8月に投入されたグループです。

2両編成でワンマン運転に対応し、2+2列の転換クロスシートですが車端部にはロングシートが配置されています。

併結運転を行うため先頭部の貫通扉に貫通幌がついているほか、221系と併結できることを示すオレンジのラインが入っています。

【おもな運行線区】
山陰本線(嵯峨野線)、福知山線、舞鶴線

223系 6000番代・7000番代


223系6000番代

2000番代・3000番代の車両を改造して最高速度を120km/hに抑え、221系との併結を可能としたグループです。識別のため、5500番代と同様前面にオレンジのラインが入っています。

【おもな運行線区】
東海道本線(JR京都線・琵琶湖線)・山陽本線(JR神戸線)・北陸本線、湖西線、草津線、赤穂線、湖西線、草津線、赤穂線、山陰本線(嵯峨野線)


著者紹介

栗原 景(くりはら かげり)

1971年、東京生まれ。鉄道と旅、韓国を主なテーマとするジャーナリスト。出版社勤務を経て2001年からフリー。

小学3年生の頃から各地の鉄道を一人で乗り歩き、国鉄時代を直接知る最後の世代。

東海道新幹線の車窓を中心に、新幹線の観察と研究を10年以上続けている。

主な著書に「廃線跡巡りのすすめ」、「アニメと鉄道ビジネス」(ともに交通新聞社新書)、「東北新幹線沿線の不思議と謎」(実業之日本社)、「東海道新幹線の車窓は、こんなに面白い!」(東洋経済新報社)ほか。

  • 写真/交通新聞クリエイト
  • 掲載されているデータは2022年5月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。
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