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2022.06.13鉄道「小倉工場鉄道ランド」ってどんなところ? どうしたら入れる? 注目の新施設に潜入レポート!

水戸岡鋭治さん監修の、こだわりが詰まった「本物」の体験

JR九州を走る在来線車両の修繕や改造を行う「小倉総合車両センター」に、2022年4月、新しい施設がオープン! その名も「小倉工場鉄道ランド」。JR九州で数々の列車のデザインを手掛けている、水戸岡鋭治さん監修です。

普段は一般人が決して入れない、小倉総合車両センター内にあるという立地も貴重。どうやって見学できる? 施設には何がある? 気になるその全貌を、鉄道写真家・村上悠太がご案内します。

団体ツアーのみで見学可!「小倉工場鉄道ランド」は大人も子どもも楽しい施設

今年2022年は日本鉄道開業150年の記念すべき年。
JR九州ではこれを記念して、JR九州小倉総合車両センター内に「小倉工場鉄道ランド」を開設しました。この施設は新しく建物を作ったのではなく、元々センター内にあった建物をリノベーションして活用されており、ランド内には小さな子どもから大人まで世代を超えて楽しめる、「本物」にこだわった様々なアトラクションや展示物が並びます。当面は「小倉工場鉄道ランド」の見学が含まれた、団体ツアーに参加することで入場可能です。


JR九州小倉総合車両センター内に登場した、「小倉工場鉄道ランド」

「小倉工場鉄道ランド」を監修したのは、JR九州ではお馴染みの「ドーンデザイン研究所」の水戸岡鋭治さん。ランド内には、これまでドーンデザイン研究所が手がけた、JR九州を走る観光列車「D&S列車」のイラストやポスター、車内の座席などがたくさん並んでいます。そのどれもが本物ながら、多くは小さな子どもでも自ら体験できるのが大きな特徴! ちなみに2022年はドーンデザイン研究所にとっても開所50周年の記念すべき年でもあります。

まずはミュージアム2F、「ミニトレイン」や座れる座席展示に注目

ランドの中でも最も広いスペースを持つミュージアム2Fは、元々講堂のような機能を持つ場所でした。その床を真っ白に塗り替え、中央にはイラストやD&S列車を設計した際に試作した座席を展示。ほかにも過去の展示会などで披露された作品類も一堂に集められました。そしてそれらを取り囲むように「ミニトレイン」のレールが敷かれています。


広ーいミュージアム2Fにはミニトレインも走る!


こちらが「ミニトレイン」。3歳未満でも保護者同伴で乗車できます。ほかにも様々な乗り物が!

ミニトレインの線路を渡るときはよく左右を見てね

2Fの中央部分には子ども用の茶室や遊具があります。


茶室

木のプールなどの遊具

ミュージアムの一角には、たくさんの座席が並びます。
D&S列車の本物の座席のほか、800系新幹線の座席もあり、どれも実際に座ることができます。800系の座席は熊本地震の影響で運用を離脱し、現在は事業用などに使用されている800系U005編成のものが再利用されています。


さまざまなD&S列車の座席

800系新幹線の座席


ステージではオークションなどが開催されます

ドーンデザイン研究所の仕事が間近に感じられる!

奥に進んだところにある一室には、あの「ドーンデザイン研究室」が開所! 実際に水戸岡さんやスタッフの方がデザインを行う時に使用する道具や参考書籍、PCなどが鉄道ランド内に持ちこまれています。

この部屋はただの展示施設ではなく、「実際にここで仕事をすることもできるし、ツアー開催日のうち、月に一度程度はこちらに仕事をしに来ようと思っています」と水戸岡さん。見学ツアーの実施日には、実際にスタッフの方が在席していますが、運が良ければ水戸岡さん本人に会えるかも!?


こちらが「ドーンデザイン研究室」。実際にデザイナーさんたちがお仕事できる設備が整っています


研究室内ではぬりえを楽しもう!

展示施設の1Fは水戸岡さんがこれまで手掛けてきたJR九州の特急、D&S列車を筆頭に、これまで描いてきた直筆のイラストが展示されています。奥には「鉄道ショップKK」があり、ここでしか購入できないレアアイテムやポスターなどが購入可能です。

「ポスターの中には1点しかないものもあれば何十枚とあるものもあります。どれがどれだけあるのは正直把握していないので、そのときあったものを購入してください(笑)」(水戸岡さん)


直筆のイラストや過去の展示会で発表された秘蔵の作品もたくさん


貴重な一点モノもあるかも!?「鉄道ショップKK」

特別列車のツアーで、お昼は本物の社員食堂にて

さて、当面の間ツアー参加での見学となるこちらの施設。
ツアーは博多駅を9時過ぎに出発する特別列車とバスを乗り継いでこちらにやってきて、博多駅に戻るのは17時ごろと、一日かけて鉄道を満喫するコースが組まれています。特別列車にはD&S列車、特急「いさぶろう・しんぺい」「かわせみ やませみ」を連結したスペシャル編成か、それぞれどちらかの編成が使用されます。
また、7月からのツアー設定日にはツアー列車乗車を省略した西小倉発の設定もあります。

※最新のツアー発売状況は、公式サイトhttps://www.jrkyushu.co.jp/train/kokurakojo/をご確認ください。また、「小倉工場鉄道ランド」の往復に乗車する特別列車は、ツアーにより異なります。


一部のツアー設定日ではD&S列車「かわせみ やませみ」「いさぶろう・しんぺい」が連結したスペシャル編成を使用! こちらは「かわせみ やませみ」

「いさぶろう・しんぺい」

盛りだくさんのスペシャルツアーということで、気になるのがお昼ごはん。そして、これも「本物」が用意されているのです……。

車両工場での本物の食事といえば、そうです、社員食堂! 「つばめ食堂」と名付けられたこちらは、センター内で働く方々のお腹を満たす本物の社員食堂。こちらでツアーの参加者はミールクーポンとの引き換えで、大人は「カレーライス+ミニかしわうどん」、子どもは「ミニうどん+おにぎり」がいただけます。どちらも通常営業時と同じ味が楽しめますよ!


本物の社員食堂を体験できる「つばめ食堂」


いつも社員食堂で出されているものと同じものが食べられるってかなりレアかも!?

こちらは子ども用のメニュー

この2階建ての展示施設のほか、さまざまな体験が用意されています。
ランド内のフリータイムでは小倉総合車両センター内の一部を見ることのできる見学ツアーや、実際に石炭を燃やして蒸気で走る、小倉総合車両センター社員の皆さん手作りの「ミニSL」の運行があります。また、センター内で保存されている485系の運転席に座って操縦機器に触ってみたり、運転士さんや客室乗務員さんの制服を着て記念写真が撮影できたりと、見どころ満載!


センター内を見学するツアーでは普段見かける車両たちのメンテナンス風景を見学、撮影できます


センター内で保存されている485系の運転室にも入れます!

水戸岡鋭治さんの、「本物」へのこだわりとは

ここまで紹介したどれもが「本物」で、それこそが、実は水戸岡さんの強いこだわりそのものでもあります。

「この鉄道ランドは、小さな子どもだけでなく、その保護者の方、おじいちゃんおばあちゃんなど、世代を超えて楽しめ、体験できる『本物』をたくさん集めました。展示されている点数もちょっと把握できないくらいで、今も増え続けています。子ども向けの施設も多いですが、それも本物にこだわる。それが大事です」


ドーンデザイン研究所代表の水戸岡鋭治氏

展示施設内にある小さな子ども用のロッキングチェアにも、こんな思いが。
「これもこだわってていねいに作った本物のロッキングチェア。子ども向けだから適当に、と思って作ってしまうと、それに人生で初めて触れた子どもたちにとってはそれが『本物』になってしまう。だから、手間ひまかけて本物を作らなければいけないのです。ランド内には、本物がゆえに少し気を付けて取り扱わないといけないものもあります。だけど、気を付けながらそれらを扱った体験はほかでは得られない非常に大切なものになるはずです」


本物にこだわった子ども用ロッキングチェア

デザイン性豊かな数々の列車を手掛けてきた水戸岡さんの、次の世代に伝えたい体験や思いが随所に込められた小倉工場鉄道ランド。水戸岡さんに「もし、子どもに『鉄道車両のデザイナーになりたい』と聞かれたら?」と質問してみました。

「勉強をしよう、そういう風に答えます。もちろんそれは学校の勉強だけを指しているのではなく、なんでも興味を持って、経験してほしい。それがデザイナーとして大切なことなんです」

「小倉鉄道ランド」が見学できるツアーは、公式サイトをチェック

この「小倉工場鉄道ランド」の見学は当面団体ツアー商品として販売されます。
出発日、申し込みは公式サイト(https://www.jrkyushu.co.jp/train/kokurakojo/)をご覧ください。


「小倉工場鉄道ランド」公式サイト


著者紹介

村上悠太

1987年鉄道発祥の地新橋生まれ、JRと同い年の鉄道写真家。
「鉄道ダイヤ情報」(交通新聞社発行)では「ユータアニキ」としてあらゆる現場で鉄道を支える「鉄道HERO」たちの取材を続ける。元々旅好きから写真を始めたので、乗り物に乗って旅をしながら写真を撮るのが大好き。

Twitter:https://twitter.com/yuta_murakami
Instagram:https://www.instagram.com/yuta_murakami/

  • 取材・撮影・文=村上悠太
  • 掲載されているデータは2022年6月現在のものです。
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